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プロローグ【気まぐれな美しさ】
【5】
しおりを挟むそして今度は、ハルトが質問を投げかける。
「ところで、言葉を喋るのはまだ慣れていないかい?」
「そうダナ~……でも、こうやって喋っている間に慣れてきたカモ……」
「これから、どんどん上手になっていくから安心して」
「分かッタ」
「今の状態でも、いろんな一般知識はインプットしてあるけど、学習機能によってこれからさらに物事を覚えて、完璧なアンドロイドになるはずだから」
「そうなのカ~、おまえ、すげえナ」
「い、いや~」
女性に褒められ、ハルトは、
「よ~し!」
さらに、テンションが上がり始める。
「今度は感情システムに、すごい能力を合わせ持ったアンドロイドにチャレンジしてみようかな。銃の達人とか剣術の達人とか……あ! あとは!……」
ハルトの瞳が、どんどんと輝き始めた。
――すると。
「ナア!」
女性が、急に口を挟んだ。
「……で、名前ハ?」
「え?」
「『え?』じゃないよ。私の名前ダヨ」
「あっ! まだ決めてなかった!」
慌てたように、目を見開くハルト。
すっかり忘れていたようだ。
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