醜い孤児で奴隷の男娼だったけど、引き取られた先で蝶よ花よと愛されまくる話

孤児

4保護される

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気づいたらどこか古めかしい家の布団に寝かされていた。


「タダ、気づいたか？」


「……ファン爺ちゃん」


「熱もようやく下がってきたし、もうすぐ起きるだろうと思っていたよ。水とお粥だ。ほらっ少しずつでいいから食べろ」

どうやら意識を失ってから3日ほど高熱が続き、ファン爺ちゃんの家で寝込んでいたらしい。
ファン爺ちゃんは料理屋の夫婦に俺を自分の家で休ませる代わりにお金を貰ったそうだ。
俺の顔はまだ腫れていて、お腹も殴られた痕がまだあった。

起き上がると身体がどこもかしこも痛い……貰った水を一口飲んだら身体の乾きが一気の押し寄せてゴクゴク飲んでしまった。
ファン爺ちゃんが「食べなから聞け」と言って俺が意識を失ってからの事を教えてくれた。


最初ご主人は「タダから誘って来たから仕方なく……それに俺はタダにはめられたんだ！！…」と言い訳を言っていたらしい。

しかし奥さんの方も冷静になって俺の身体を調べると、手首には締め付けられた跡もあるし、腹は内出血で朝黒く変色しておりタダが日常的に無理矢理暴行されていたのは明らかだった。

そしてご主人がタダを呼んでいたのを見た村人の証言もあり、ご主人が嘘を言っているのが決定的になった。


ご主人はコッテリ絞られて今は奥さんが店の切り盛りをやって、ご主人が子守りを一日中見ているそうだ。
奥さんや他の人に子供を預けようにも事情を知っている者達ばかりなので、誰も手を貸してやらないらしい。
ご主人の方はともかく、奥さんは俺に謝りたい気持ちはあるが、俺が怖がるといけないからこれ以上は旦那も自分も近づかない様にするから安心してと伝えて欲しいとの事だった。


「お前は、他の子より髪も汚いし、瞳の色も病気なのか気持ち悪い……痩せていて肌の色も白い……そして女の様な顔をしてるなぁ……お前の様な奴は他人から舐められるんだ。もしかしたら将来もっと怖い目に遭うかも分からん……自分の身体が大きくなるまでは気をつけて生きろよ……」

ファン爺ちゃんにそう言われ、その日に俺は髪をもっと短くして男らしくするようにした。

あれ以来料理屋には近づかないようにしたが、夫婦の方から俺に声をかける事はなくなった。
村では料理屋のご主人が浮気をして奥さんに見つかったらしいという噂で持ちきりだった。
しかし、相手がタダとは広まっておらず、目撃者には口止め料でも支払って噂にならないようにしたかもしれない。

きっとご主人の相手がまだ小さい男の俺だなんて……村で噂になったら生きていけなくなりそうだもんな。


それからというもの……成り行きでファン爺ちゃんの家に一緒に住まわせてもらうようになって一年が経過した。


ファン爺ちゃんは俺を自分の家に休ませる時に、料理屋の夫婦から貰ったお金と、俺宛のお見舞い金を預かっていたらしくて、それを俺に渡さない代わりに一緒に住む事をあっさり了承してくれた。


俺は……お金があっても1人で生活するより、ファン爺ちゃんと暮らす方が安全だと思ったからお金が無くたって良かったのだ。


このファン爺ちゃんというのは本当にお酒好きで、お酒が飲めるなら何処でもついて行くし、金かお酒を恵んでくれるなら人が困っていたら直ぐ駆けつける人だった。


今回は奥さんがご主人を探していると聞きつけてお金を出して貰える代わりに一緒に探したという。

多分酒好き以外は悪い人ではなかった。酒好き以外は。