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本編6
67 王族の歴史と宿命2
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宿題が一段落するとエディを一旦抱き締める。
僕がこんなにエディが好きになった様に、父上もきっとマルコの事が大好きだったに違いない。
だからこそマルコを失った時の父上の悲しみが今の僕には良くわかる。
僕も突然エディがいなくなったら……と思うとゾッとしてしまう。
毎日触っているこのモフモフ感と身体の丸まり感、そして抱っこしている時のあったかい感じ……ん?あれれっ?
「いつも抱っこしていたから気づかなかったけれど……エディって大きくなってきた?」
「ニャンニャン」
抱きしめていたエディを良くみると最初にあった時に子猫の姿から少し大きくなってきたみたい。
それに背中についている小さな羽も大きくなっている様な……
「そうだよね……エディだってご飯を食べているしミルクも飲んでるもんね!!子猫じゃ無くなったらミルクは要らなくなってくるのかな?でも今の所はミルク好きそうだよね?」
「ニャンニャン」
「ふふっじゃあ王子から頂いた本の続きを読んでから、ミルクタイムにするからね!!」
「ニャンニャンニャン」
エディも嬉しそうな感じがするので、一緒に前回読んだ続きから読んでいく。
王弟のエドが亡くなってからも兄の王には何も影響が無かったらしい。
だから王はエドについては残念に思いながらも呪いについては頭から離れていたけれど……
時は流れ、自分の息子が突然消えた事件が起こった。
王は敵対勢力が誘拐したのでは無いかと国内で敵対勢力を処罰していくけれど、証拠や王子の所持品1つも見つからない。
王は悲しみに打ちのめされたが、気持ちを切り替えて次男をとても大切にして育てて、次男が大きくなった時に王を譲り、自分は孫の王子を可愛がっていたけれどその孫の王子も突然居なくなる事件が起こった時にようやく王弟のエドの呪いの事が頭によぎった。
「ふぅ、今日はここまでね。エドの呪いって兄に直接呪ったんじゃなくて、兄の息子やその子孫を呪ったって事なのかな?未来永劫ずっと……?」
「ニャンニャン」
「あれ……?そういえばずっとって事は今もだよね?エディ」
その時何か引っかかる事が頭をよぎったけれど、この本に夢中になって読み続けると確実に寝不足になってしまうから考えるのは一旦辞めてしまった。
考えても答えが見つからない事もあるし、エディにミルクをあげる前に寝落ちしそうだから今日はこの辺で終わろうと思った時、エディが本のページをめくり始めた。
「あははっ分かるよエディ!!それでも本の先が気になっちゃうよね!!でも今日はこれでおしまい。また明日続きを見ようね!!じゃあミルクを用意するからちょっと待っててね!!」
「ニャンニャン」
そう言ってエディをそのままに僕は哺乳瓶ミルクの準備をするけれど、エディは王子から貰った本をずっとパラパラめくって見ていた。
ふふっ本当にエディが本を読んでいるみたいだ。いや、賢い子だから読んでいるのだろうと信じよう!!
「お待たせーって……エディは何処まで本を読んだのかい?あっこれは父上が言っていた魔法陣じゃないか……」
丁度エディが広げていたページは少し変色した赤色で描かれた魔法陣が載っていた。
父上から本の中に書いてある魔法陣の話をしていた時はエディも僕の近くでウロウロしていたから、ひょっとして父上の話を聞いていて僕に魔法陣のページを見せてくれたのかもしれない。
この本は複製本だからほとんど白黒で書かれている本なのに、この魔法陣だけはわざわざ色が付いていて妙にリアルな感じがするし色も気味が悪いと思ってしまう。
「ニャンニャン」
「ん……なんかこの魔法陣って薄気味悪い感じだね……エディも そう思った?とにかく今日はこの本はおしまい。ミルクタイムにしよう!!」
「ニャンニャーー!!」
僕がそう言うとエディが僕の胸に飛び込んでくるので哺乳瓶を持っていた左腕でしっかりと抱きしめた。
「あはっエディ!!本当にミルクが好きなんだから!!」
エディを左腕で抱き締めたまま、それから右手で本のページを閉じようとした時、魔法陣と僕の右手が触れて赤色だった魔法陣が突然真っ黒に変わり、僕は魔法陣に触れた右手から身体が痺れて動けなくなってしまった。
「んぐうっ……えっ?やっ!!何!!」
「ニャッニャー!!」
突然真っ黒になった魔法陣はグルグルとした渦になって右手を離したくてもむしろ魔法陣の方に引っ張られる様に吸い込まれていく。
「何で!!やだ!!エディどうすれば!!」
「ニャーニャー!!」
僕がこんなにエディが好きになった様に、父上もきっとマルコの事が大好きだったに違いない。
だからこそマルコを失った時の父上の悲しみが今の僕には良くわかる。
僕も突然エディがいなくなったら……と思うとゾッとしてしまう。
毎日触っているこのモフモフ感と身体の丸まり感、そして抱っこしている時のあったかい感じ……ん?あれれっ?
「いつも抱っこしていたから気づかなかったけれど……エディって大きくなってきた?」
「ニャンニャン」
抱きしめていたエディを良くみると最初にあった時に子猫の姿から少し大きくなってきたみたい。
それに背中についている小さな羽も大きくなっている様な……
「そうだよね……エディだってご飯を食べているしミルクも飲んでるもんね!!子猫じゃ無くなったらミルクは要らなくなってくるのかな?でも今の所はミルク好きそうだよね?」
「ニャンニャン」
「ふふっじゃあ王子から頂いた本の続きを読んでから、ミルクタイムにするからね!!」
「ニャンニャンニャン」
エディも嬉しそうな感じがするので、一緒に前回読んだ続きから読んでいく。
王弟のエドが亡くなってからも兄の王には何も影響が無かったらしい。
だから王はエドについては残念に思いながらも呪いについては頭から離れていたけれど……
時は流れ、自分の息子が突然消えた事件が起こった。
王は敵対勢力が誘拐したのでは無いかと国内で敵対勢力を処罰していくけれど、証拠や王子の所持品1つも見つからない。
王は悲しみに打ちのめされたが、気持ちを切り替えて次男をとても大切にして育てて、次男が大きくなった時に王を譲り、自分は孫の王子を可愛がっていたけれどその孫の王子も突然居なくなる事件が起こった時にようやく王弟のエドの呪いの事が頭によぎった。
「ふぅ、今日はここまでね。エドの呪いって兄に直接呪ったんじゃなくて、兄の息子やその子孫を呪ったって事なのかな?未来永劫ずっと……?」
「ニャンニャン」
「あれ……?そういえばずっとって事は今もだよね?エディ」
その時何か引っかかる事が頭をよぎったけれど、この本に夢中になって読み続けると確実に寝不足になってしまうから考えるのは一旦辞めてしまった。
考えても答えが見つからない事もあるし、エディにミルクをあげる前に寝落ちしそうだから今日はこの辺で終わろうと思った時、エディが本のページをめくり始めた。
「あははっ分かるよエディ!!それでも本の先が気になっちゃうよね!!でも今日はこれでおしまい。また明日続きを見ようね!!じゃあミルクを用意するからちょっと待っててね!!」
「ニャンニャン」
そう言ってエディをそのままに僕は哺乳瓶ミルクの準備をするけれど、エディは王子から貰った本をずっとパラパラめくって見ていた。
ふふっ本当にエディが本を読んでいるみたいだ。いや、賢い子だから読んでいるのだろうと信じよう!!
「お待たせーって……エディは何処まで本を読んだのかい?あっこれは父上が言っていた魔法陣じゃないか……」
丁度エディが広げていたページは少し変色した赤色で描かれた魔法陣が載っていた。
父上から本の中に書いてある魔法陣の話をしていた時はエディも僕の近くでウロウロしていたから、ひょっとして父上の話を聞いていて僕に魔法陣のページを見せてくれたのかもしれない。
この本は複製本だからほとんど白黒で書かれている本なのに、この魔法陣だけはわざわざ色が付いていて妙にリアルな感じがするし色も気味が悪いと思ってしまう。
「ニャンニャン」
「ん……なんかこの魔法陣って薄気味悪い感じだね……エディも そう思った?とにかく今日はこの本はおしまい。ミルクタイムにしよう!!」
「ニャンニャーー!!」
僕がそう言うとエディが僕の胸に飛び込んでくるので哺乳瓶を持っていた左腕でしっかりと抱きしめた。
「あはっエディ!!本当にミルクが好きなんだから!!」
エディを左腕で抱き締めたまま、それから右手で本のページを閉じようとした時、魔法陣と僕の右手が触れて赤色だった魔法陣が突然真っ黒に変わり、僕は魔法陣に触れた右手から身体が痺れて動けなくなってしまった。
「んぐうっ……えっ?やっ!!何!!」
「ニャッニャー!!」
突然真っ黒になった魔法陣はグルグルとした渦になって右手を離したくてもむしろ魔法陣の方に引っ張られる様に吸い込まれていく。
「何で!!やだ!!エディどうすれば!!」
「ニャーニャー!!」
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