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〜王子side〜4

56エドワード王子の呪い6

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 いや、大好きなのは変わらない。



 だが、身体の小さな今の私にとってアンドルのパンツは宿敵というべき相手なのだ。


 折角この身体になったのだから、毎日一緒に入るシャワーで小さなアンドルと一言二言会話を楽しむだけじゃなく、もっとじっくり語り合いたいと思っていた。


 だから夜中ならば……
   大きなアンドルが眠っている時間ならゆっくり話せると思っていたのに、アンドルの身体にピッタリフィットしているパンツは私にとって大きな障壁だった。


 特にゴムの部分を強引に引っ張ると、私の両手の爪がアンドルを傷つけかね無いので、それだけはなんとしても避けたい。

 そんなこんなで、 夜中はアンドルを傷つけ無いようにパンツの中の小さなアンドルに会いに行く挑戦に挑んでいるが、まだ一度も成功してはいなかった。


 あまりに成功しないのでそれに飽きれば、アンドルの脇汗の匂いを嗅いてみたり、足の指の見えない部分のホクロを見つけたりとアンドルの新しい魅力を発掘したりしている。


 そんな中でも一度だけではあるが、アンドルのパンツを上手に持ち上げる事に成功した事があった。


 その時の私はこのチャンスを逃すまいとアンドルのパンツを被るという念願の夢を果たすべく、早速自分の頭を入れてみる。


  (王子!!とうとう成功したんですね。僕はずっとお待ちしていました)


(小さなアンドル!!とうとうだ!!こんな姿になってしまった私だが、やっとパンツを頭に被る事が出来たよ。そして小さなアンドルにこうして会いにくる事ができたぞ!!)


(王子、そんなにしてまで僕に会いにきてくれたんですね。うっうっ……)

(だって君に会いたかったんだ!!本当に会いたかったんだよ!!)


 そうしてとうとう私達は誰にも気づかれないが、ここが世界の中心だと言わんばかりに愛を叫んでひっそりと小さなアンドルを顔で抱きしめキスをして……


 しかしここで予想外の出来事が起こる。


 私の思いを伝えられたと思っていた所で、あの小さなアンドルがムクムクと大きく成長してしまうとは思わなかった。


(えっお、王子……あのっ僕……最近少し膨らんじゃう事があって……王子にそんな事されたら僕また)


(そうかっ!!いくらなんでも成長が遅いと思っていた小さなアンドルがとうとう大きくなってきたんだな!!)


(うん……寝ている間にたまに……ですけど……)


(おめでとう小さなアンドルよ!!これはお祝いをしなければっ!!)


(ええっそんな大げさですっ!!それに僕はまだ出した事が無いんだもの……)


(それなら私が手伝おう!!いや、手伝わせてくれ!!君の記念日になる日を私も手助けしたいのだ!!駄目か?)


(あの……手伝うっていうのは……?)


(それはこうして手伝うのさ)


 私はまた小さなアンドルを顔で抱き締め、チュッチュッとキスを始めた。


(ああんエドワード王子!!僕何かヘンです)


(ヘンになって良いんだよ!!そのまま 私に身を任せておくれ)


 私は優しく優しく丁寧にキスをしたり舐めてみる。
 すると、小さなアンドルは少しずつ全身は熱ってきて大きく膨らみ始めた。


(んふぅっ……ふうぅぅーー王子……僕は何処までヘンになるのを我慢すれば……)


(我慢しないでいい……リラックスだ小さなアンドル……)


 熱を持った小さなアンドルはむわっと汗をかき始め、苦しそうにしながら大きく膨らみ始めている。いいぞ!!その調子だ!!


 すると私もどんどん息苦しくなって来た。
 忘れていた!!私は今羽の生えた小さな子猫だった!!


 小さなアンドルが大きくなれば、フィットしていたパンツは更に締め付けが厳しくなる。

   私は頭だけパンツに入れていたので密度が高いパンツの中の空気がどんどん薄くなり、更に締め付けているパンツのゴムが私の首を絞めあげようとしていた。


「ニャニャニャニャ!!ニャーー!!」
(駄目だ!!死んでしまうーーー!!)



    「あはははっどうやったら僕のパンツにエディの頭が入るのかい!!」



 するといつもは滅多な事で夜中に起きたりしない大きなアンドルが私の叫びに応えて助けてくれた。


 ああ……アンドルは本当にいつもピンチになると私を助けてくれるなぁ。



「ニャンニャン」
(自分から望んで入ったんだ……だが本当に死ぬかと思ったよ。……アンドル……助かったよありがとう)



 自分の事をまるで分かっていなかった私は、そこからは反省して潔くパンツには挑戦しないと決めた。


   しかしあれ程大好きだったアンドルのパンツには失望し、逆にパンツを見る度に苦々しく思う様になっていった。
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