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2〜レオンside〜
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俺は俺の事を何も知らない。
世の中は父親と母親が番って子供が産まれるらしい。
俺も確かに誰かと誰かが番ったから、産まれたのだろうが…父親も母親の記憶もない。
気づいたら檻と呼ばれる箱の中にいつもいた。
いつも同じ毎日の繰り返し。
毎日決まった時間に檻から出される。
濡れた布を渡されて「拭け」と言われて、身体を拭いていく。
拭き終わると、ご主人様に自分の身体の隅々を確認されて「異常無し」と言われる。
いつも通り。
それから大広間に移動させられると、既に自分と同じように檻に入っていた獣人や人間が座って食事を待っている。
全員首輪がついており、首輪から伸びたリードは逃げ出せないよう、座っている背後の柱に固く縛られている。
逃げ出さないようにしているなら、何故わざわざ檻から出して食べるのか?…いつからか疑問に思っていたら、檻の中で食事をさせると檻の中が汚れて、掃除が面倒なんだとか……昔、檻の中でワザと食べ物を落として、檻を掃除している最中に奴隷が逃げ出したとか……そんな話を…奴隷同士で喋っているのを聞いた事がある。
俺が座ると俺の両隣りに座っていた奴らは、毎回違う奴にも関わらず「クソっ」とか「お前が近くで食べると、俺の取り分が無くなる」と必ず文句を言われたり、嫌な顔をされる。
大広間に全員集められたら「餌だ」と言って大皿に盛られた食料を全員が取り合いになって食べる。
俺はいつも腹が減っている。食べる前も食べた後も…
足りない!!
もっといっぱい腹を満たしてみたい!!
誰よりも沢山大皿の餌にがっつき、大皿に餌が無くなると、隣にいた奴や、先に檻に戻った奴の皿にまだ餌が残ってないか確認する。
それを見ていたご主人様は「この大喰らいが…」と呟き、苦虫を噛み潰したような顔をするのだ。
これが毎日繰り返される俺の日常。
そうして食べ終わると、また檻に戻される。俺の餌は1日1回のみ。だけど同じ檻に入っていても、檻から出られる回数や食事の回数が1人1人違っている。
ご主人様やその下で働く職員に気に入られると特別扱いになる。
気に入られるには「需要が高い」や、「希少価値」と判断されると扱いが変わる。
特に性奴隷いうカテゴリーにいる檻の奴らは全員特別扱いだ。肌がツルツルとした細い女が大半だが、たまに男もいる。
いつも清潔にされ、「餌」という食べ物ではなく、檻から出されたら、ご主人様や職員と一緒に同じ食べ物を食べて談笑している…ご主人様達も奴らの要望を聞いたり、「出来る限り希望が叶えられるように努力するよ」とまるで立場が逆じゃないかと言うようなセリフを吐く。
それから戦闘奴隷のカテゴリーにいる檻の奴らも扱いが違う。大柄で力が強そうな男達が多い。たまに性奴隷みたいな男もいるが、鋭い爪を隠し持っており、夜な夜な「シュッシュッ」と研いでいる音を聞いた。
そいつらも特別扱いを受けていて、餌の質も違うし、量も沢山食べている。
流石にご主人様達と一緒に談笑している所は見た事がないが、普段から声をかけられていて丁寧に扱われているのが分かる。
俺の入っている檻の場所は「その他」だ。
1日1回の身体検査と餌が与えられる以外は、ほとんどご主人様達から見向きもされない場所。
ああ…俺も…一度でいいから餌をいっぱい食べてみたいな…。
俺は自分の身体を観察してみる。
性奴隷の奴らみたいに肌もツルツルじゃないし、身体はガリガリで小さい。顔も「綺麗」と言われる事はない。
1番言われた事があるのは「チッ」という舌打ちと、「臭い」だ。
1番待遇の良い性奴隷は難しいが、戦闘奴隷にはなれないだろうか…
檻の中は何もない。
目の前の鉄格子以外、何もない俺の世界。
俺は鉄格子を両手で掴んで、自分が出せる力を両腕に込めた。
顔が火を噴いたように熱い…両腕がピクピク震える…
すると…鉄格子が「グギイイーーーー」と大きな音を出して歪んだ!!!
やった!!俺は力があるんだ!!
普段こっちの檻には来ないご主人様達が鉄格子の音に驚いてこっちを見た!!
ご主人様!俺はこんなに力があります!
こんなに硬い鉄格子だって曲げられましたよ!!
ご主人様達は驚愕の表情をさせながら、急いで俺の所まで来ようとしている!
ご主人様!見てください!!俺は力が強いです!!
だから、だから…
どうか…俺を!…戦闘奴隷にっ!!
「このヤローーーーー!!」
バチン!バチン!バッチーーーン!
眼をギラつかせてやって来たご主人様と目が合って嬉しくなった時、俺が見ていた世界の中で1番太くて黒いムチで打たれた。
「いっ痛い!痛い!ギッギャッ……ヒギィ…」
バッチーーーン!バッチーーーーン!
「お前はっ!ただでさえ役立たずの大喰らいなのに、その上大事な檻まで壊しやがって!ハアハア…」
バッチーーーン!バッチーーーーン!
「イッ…ギャ…イッーーーガッハッ」
バッチーーーン!バッチーーーン!
「やめ…ガッ…ごめ…んな…さ…グッ」
いつの間にか目の前が真っ暗になった…
世の中は父親と母親が番って子供が産まれるらしい。
俺も確かに誰かと誰かが番ったから、産まれたのだろうが…父親も母親の記憶もない。
気づいたら檻と呼ばれる箱の中にいつもいた。
いつも同じ毎日の繰り返し。
毎日決まった時間に檻から出される。
濡れた布を渡されて「拭け」と言われて、身体を拭いていく。
拭き終わると、ご主人様に自分の身体の隅々を確認されて「異常無し」と言われる。
いつも通り。
それから大広間に移動させられると、既に自分と同じように檻に入っていた獣人や人間が座って食事を待っている。
全員首輪がついており、首輪から伸びたリードは逃げ出せないよう、座っている背後の柱に固く縛られている。
逃げ出さないようにしているなら、何故わざわざ檻から出して食べるのか?…いつからか疑問に思っていたら、檻の中で食事をさせると檻の中が汚れて、掃除が面倒なんだとか……昔、檻の中でワザと食べ物を落として、檻を掃除している最中に奴隷が逃げ出したとか……そんな話を…奴隷同士で喋っているのを聞いた事がある。
俺が座ると俺の両隣りに座っていた奴らは、毎回違う奴にも関わらず「クソっ」とか「お前が近くで食べると、俺の取り分が無くなる」と必ず文句を言われたり、嫌な顔をされる。
大広間に全員集められたら「餌だ」と言って大皿に盛られた食料を全員が取り合いになって食べる。
俺はいつも腹が減っている。食べる前も食べた後も…
足りない!!
もっといっぱい腹を満たしてみたい!!
誰よりも沢山大皿の餌にがっつき、大皿に餌が無くなると、隣にいた奴や、先に檻に戻った奴の皿にまだ餌が残ってないか確認する。
それを見ていたご主人様は「この大喰らいが…」と呟き、苦虫を噛み潰したような顔をするのだ。
これが毎日繰り返される俺の日常。
そうして食べ終わると、また檻に戻される。俺の餌は1日1回のみ。だけど同じ檻に入っていても、檻から出られる回数や食事の回数が1人1人違っている。
ご主人様やその下で働く職員に気に入られると特別扱いになる。
気に入られるには「需要が高い」や、「希少価値」と判断されると扱いが変わる。
特に性奴隷いうカテゴリーにいる檻の奴らは全員特別扱いだ。肌がツルツルとした細い女が大半だが、たまに男もいる。
いつも清潔にされ、「餌」という食べ物ではなく、檻から出されたら、ご主人様や職員と一緒に同じ食べ物を食べて談笑している…ご主人様達も奴らの要望を聞いたり、「出来る限り希望が叶えられるように努力するよ」とまるで立場が逆じゃないかと言うようなセリフを吐く。
それから戦闘奴隷のカテゴリーにいる檻の奴らも扱いが違う。大柄で力が強そうな男達が多い。たまに性奴隷みたいな男もいるが、鋭い爪を隠し持っており、夜な夜な「シュッシュッ」と研いでいる音を聞いた。
そいつらも特別扱いを受けていて、餌の質も違うし、量も沢山食べている。
流石にご主人様達と一緒に談笑している所は見た事がないが、普段から声をかけられていて丁寧に扱われているのが分かる。
俺の入っている檻の場所は「その他」だ。
1日1回の身体検査と餌が与えられる以外は、ほとんどご主人様達から見向きもされない場所。
ああ…俺も…一度でいいから餌をいっぱい食べてみたいな…。
俺は自分の身体を観察してみる。
性奴隷の奴らみたいに肌もツルツルじゃないし、身体はガリガリで小さい。顔も「綺麗」と言われる事はない。
1番言われた事があるのは「チッ」という舌打ちと、「臭い」だ。
1番待遇の良い性奴隷は難しいが、戦闘奴隷にはなれないだろうか…
檻の中は何もない。
目の前の鉄格子以外、何もない俺の世界。
俺は鉄格子を両手で掴んで、自分が出せる力を両腕に込めた。
顔が火を噴いたように熱い…両腕がピクピク震える…
すると…鉄格子が「グギイイーーーー」と大きな音を出して歪んだ!!!
やった!!俺は力があるんだ!!
普段こっちの檻には来ないご主人様達が鉄格子の音に驚いてこっちを見た!!
ご主人様!俺はこんなに力があります!
こんなに硬い鉄格子だって曲げられましたよ!!
ご主人様達は驚愕の表情をさせながら、急いで俺の所まで来ようとしている!
ご主人様!見てください!!俺は力が強いです!!
だから、だから…
どうか…俺を!…戦闘奴隷にっ!!
「このヤローーーーー!!」
バチン!バチン!バッチーーーン!
眼をギラつかせてやって来たご主人様と目が合って嬉しくなった時、俺が見ていた世界の中で1番太くて黒いムチで打たれた。
「いっ痛い!痛い!ギッギャッ……ヒギィ…」
バッチーーーン!バッチーーーーン!
「お前はっ!ただでさえ役立たずの大喰らいなのに、その上大事な檻まで壊しやがって!ハアハア…」
バッチーーーン!バッチーーーーン!
「イッ…ギャ…イッーーーガッハッ」
バッチーーーン!バッチーーーン!
「やめ…ガッ…ごめ…んな…さ…グッ」
いつの間にか目の前が真っ暗になった…
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