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<幕間>ユウとルシアの静かな夜
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「魔獣の引き起こす時の乱れも、たまにはいいことをしますなあ」
と、ゴッセンが言った。
孤児院のルシアの部屋である。
時刻はもうかなり遅い。子どもたちはみんな眠っている。
ライラとジーナも自分の部屋で、すやすやと眠っている。
「……てやぁああああ……」
ジーナの小さな寝言。
「……だから、ジーナ、あんたはどうして……」
ライラの寝言。
二人はどんな夢をみているのか。
ルシアの部屋にいるのは、ルシア、ユウ、そしてゴッセンの三人。
「あの……キャラハンという男の人の命が助かったから、そのあとの歴史はかわってしまうのかしら」
ルシアが小首をかしげる。
ユウはそんなルシアを優しい目でみている。
「かわるといえばかわる、かわらないと言えばかわらない」
ゴッセンが、例によって例のごとく答え
「ゴッセン、あなたの言うことは、よくわからないわね、やっぱり。ジーナの言う通りね」
そしてクスリと笑う。
ゴッセンも微笑み、
「しかしながら、少なくとも、今、この時間、セリアさんは、キャラハンと二人で過ごしておりますよ」
「ああ、そうなのね……それはうれしいことだけど」
「でも」
と、ユウが聞いた。
「キャラハンが亡くなった時間線での出来事は、すべてどこかに消えてしまうのですか? その時間線で、セリアさんが経験してきた、彼女の歴史は……」
「消えません」
ゴッセンが、ユウを見て、言った。
「キャラハンのいない時間でのことを、セリアさんはちゃんと覚えていますよ。セリアさんの中には、二つの記憶が並行して在るのです」
「なるほど、そうなんだ……」
「そして、それがあるからこそ……」
とゴッセンがつぶやく。
その言葉を引き継ぐように、ユウが
「……セリアさんの『今』は、たとえどんなありふれた一瞬でも、かけがえのない、大切な、喜びにあふれた時間になっているんだね……」
感慨深げに、言った。
「よかった。この世界の、みんなの時間がそんなふうだといいわね」
ルシアが言う。
「おっと、お邪魔しましたな。それでは、ルシアさま、ユウさまも、おふたりの大切な時間をおすごしください」
ゴッセンは、穏やかな微笑みをうかべ、一礼して消えた。
そのことばに、ルシアとユウは顔をちょっと赤らめたのだった。
「そうだ、ユウ」
と、二人になった部屋でルシアが言った。
「わたし、これを用意しておいたのよ」
ルシアが持ち出したのは、何本かの白い陶器の瓶だった。
木栓がしてある。
「まえに、あなたから聞いたことがあるけど、今日はあなたの世界では、お祝いをしてすごす日(作者註:クリスマスです)なんでしょう?」
「ああ、そうだった。そういえばね。ぼくの国では、毎年、この時期、街が華やかな空気になって……ぼく自身はあまり、ぱっとしなかったけど。いつも遅くまで仕事してたような……」
と、ユウは苦笑した。
「ささやかだけど……」
ルシアは、グラスをとりだして、瓶の木栓を外し、中の液体をそそいだ。
かすかに泡立つ、紫色の液体がグラスを満たす。
「お口に合うといいな。王都で買っておいた、ヴァインというお酒なの」
「お酒か……」
ユウはちょっと考えて、すこしもじもじした口調で、
「ルシア、あのね……」
「ん? なあに」
「ぼくは、アンバランサーだから、基本的にこの世界のお酒では酔ったりしないんだけど」
「ああ、そうか!」
アンバランサーには、この世界の毒は効かない。毒に限らず、この世界のものによって、アンバランサーの身体には状態異常は引き起こされない。つまり、どれほど飲もうと、原則としてアルコールに「酔う」ということがないのだった。
「ただ、自分でそれを解除することはできるんだ。お酒に酔う身体の状態にすることができる」
「それって、いちどそうしてしまったら、元には戻せないのかしら?」
「できる。望むままに、どちらの状態にも移行できる。だから……」
「うん」
「今だけ、ちょっとだけ、お酒に酔える状態になってみても、いいかな?」
と、おずおずというユウだった。
「もちろんよ! なにか心配なことでも?」
「実は……」
ユウは、頭をかきながら
「ぼく、お酒にむちゃくちゃ弱いんだよ。すぐに酔っ払うんで……ルシアにめいわくをかけるかも」
「なあんだ、そんなこと」
ルシアは笑って、ヴァインのグラスをユウに手渡した。
「うーん、いい香りだ……」
グラスから匂い立つヴァインの香気は、馥郁とした、果実のような甘い香りだった。
二人は乾杯し、ヴァイングラスをくちもとに。
「ああ、お酒なんて久しぶりだなあ……」
しみじみ言うユウをみて、ルシアも幸せな気分になる。
そうして二人は楽しい時間を過ごし
(あら?)
しかし、ルシアは、ヴァインをどんどんおかわりするユウに
(お酒に弱いって言ってたはずなんだけど……大丈夫かな?)
だんだん心配になってくる。
ルシア自身は、ドワーフと飲み比べをしても負けたことがないくらい酒には強い。そのルシアと同じように、ここまで、ユウはヴァインを、ぐいぐい飲んでしまっているのだが……。
「ルシア」
と、とつぜんユウが、ルシアの手を取って、その目をのぞきこみ、真剣な声で言った。
「は、はい?」
ルシアはどぎまぎしてユウの顔を見る。
ユウは、ルシアを情熱的なまなざしてじっとみつめ、顔を近づける。
「あ、あの……ユウ?」
「ぼくは! ……この世界に来てほんとうに良かった、ぼくは、ぼくは、この世界に来たから、君に……」
ふわり
と、世界が回った。
といっても、時の乱れではない。
ユウとルシアの身体が浮かび上がったのだ。
二人だけではなくて、部屋にある、固定されていないすべてのものが、ふわりと浮かび上がる。
(これは、無重量状態……)
星の船で宇宙に出たときに体験した、あの状態が今、このルシアの部屋で発生していた。
机の上におかれたペンや書類、棚の本、ソファのカバー、テーブルの上の瓶やグラス、すべてがふわふわと漂う。
時の三つの鐘も浮かび上がり、光を放ちながら、輪になってぐるぐる回っている。
酔っ払ったため、ユウの力が一部、コントロールを離れているらしい。
「ああ……なんだか、目が回る……飲み過ぎた……ごめんルシア……」
ユウが、もうろうとした様子であやまった。
正確には、ユウの目が回っているのではなく、ユウの周りが回っているのだが……
「うふふ、これはこれですてきじゃない?」
ルシアは、髪をなびかせながら、ユウの手をとって、くるりと回った。
「あっ、ルシア、そんなことしたら目がもっと……」
調子に乗って飲み過ぎてしまったユウの酔いは翌日の朝になってもまだ醒めず、朝、二人を呼びに来たジーナが、部屋中に物がぷかぷか浮かんでいる(ユウとルシアも漂っている)惨状を目の当たりにして、唖然とすることになるのだった。
と、ゴッセンが言った。
孤児院のルシアの部屋である。
時刻はもうかなり遅い。子どもたちはみんな眠っている。
ライラとジーナも自分の部屋で、すやすやと眠っている。
「……てやぁああああ……」
ジーナの小さな寝言。
「……だから、ジーナ、あんたはどうして……」
ライラの寝言。
二人はどんな夢をみているのか。
ルシアの部屋にいるのは、ルシア、ユウ、そしてゴッセンの三人。
「あの……キャラハンという男の人の命が助かったから、そのあとの歴史はかわってしまうのかしら」
ルシアが小首をかしげる。
ユウはそんなルシアを優しい目でみている。
「かわるといえばかわる、かわらないと言えばかわらない」
ゴッセンが、例によって例のごとく答え
「ゴッセン、あなたの言うことは、よくわからないわね、やっぱり。ジーナの言う通りね」
そしてクスリと笑う。
ゴッセンも微笑み、
「しかしながら、少なくとも、今、この時間、セリアさんは、キャラハンと二人で過ごしておりますよ」
「ああ、そうなのね……それはうれしいことだけど」
「でも」
と、ユウが聞いた。
「キャラハンが亡くなった時間線での出来事は、すべてどこかに消えてしまうのですか? その時間線で、セリアさんが経験してきた、彼女の歴史は……」
「消えません」
ゴッセンが、ユウを見て、言った。
「キャラハンのいない時間でのことを、セリアさんはちゃんと覚えていますよ。セリアさんの中には、二つの記憶が並行して在るのです」
「なるほど、そうなんだ……」
「そして、それがあるからこそ……」
とゴッセンがつぶやく。
その言葉を引き継ぐように、ユウが
「……セリアさんの『今』は、たとえどんなありふれた一瞬でも、かけがえのない、大切な、喜びにあふれた時間になっているんだね……」
感慨深げに、言った。
「よかった。この世界の、みんなの時間がそんなふうだといいわね」
ルシアが言う。
「おっと、お邪魔しましたな。それでは、ルシアさま、ユウさまも、おふたりの大切な時間をおすごしください」
ゴッセンは、穏やかな微笑みをうかべ、一礼して消えた。
そのことばに、ルシアとユウは顔をちょっと赤らめたのだった。
「そうだ、ユウ」
と、二人になった部屋でルシアが言った。
「わたし、これを用意しておいたのよ」
ルシアが持ち出したのは、何本かの白い陶器の瓶だった。
木栓がしてある。
「まえに、あなたから聞いたことがあるけど、今日はあなたの世界では、お祝いをしてすごす日(作者註:クリスマスです)なんでしょう?」
「ああ、そうだった。そういえばね。ぼくの国では、毎年、この時期、街が華やかな空気になって……ぼく自身はあまり、ぱっとしなかったけど。いつも遅くまで仕事してたような……」
と、ユウは苦笑した。
「ささやかだけど……」
ルシアは、グラスをとりだして、瓶の木栓を外し、中の液体をそそいだ。
かすかに泡立つ、紫色の液体がグラスを満たす。
「お口に合うといいな。王都で買っておいた、ヴァインというお酒なの」
「お酒か……」
ユウはちょっと考えて、すこしもじもじした口調で、
「ルシア、あのね……」
「ん? なあに」
「ぼくは、アンバランサーだから、基本的にこの世界のお酒では酔ったりしないんだけど」
「ああ、そうか!」
アンバランサーには、この世界の毒は効かない。毒に限らず、この世界のものによって、アンバランサーの身体には状態異常は引き起こされない。つまり、どれほど飲もうと、原則としてアルコールに「酔う」ということがないのだった。
「ただ、自分でそれを解除することはできるんだ。お酒に酔う身体の状態にすることができる」
「それって、いちどそうしてしまったら、元には戻せないのかしら?」
「できる。望むままに、どちらの状態にも移行できる。だから……」
「うん」
「今だけ、ちょっとだけ、お酒に酔える状態になってみても、いいかな?」
と、おずおずというユウだった。
「もちろんよ! なにか心配なことでも?」
「実は……」
ユウは、頭をかきながら
「ぼく、お酒にむちゃくちゃ弱いんだよ。すぐに酔っ払うんで……ルシアにめいわくをかけるかも」
「なあんだ、そんなこと」
ルシアは笑って、ヴァインのグラスをユウに手渡した。
「うーん、いい香りだ……」
グラスから匂い立つヴァインの香気は、馥郁とした、果実のような甘い香りだった。
二人は乾杯し、ヴァイングラスをくちもとに。
「ああ、お酒なんて久しぶりだなあ……」
しみじみ言うユウをみて、ルシアも幸せな気分になる。
そうして二人は楽しい時間を過ごし
(あら?)
しかし、ルシアは、ヴァインをどんどんおかわりするユウに
(お酒に弱いって言ってたはずなんだけど……大丈夫かな?)
だんだん心配になってくる。
ルシア自身は、ドワーフと飲み比べをしても負けたことがないくらい酒には強い。そのルシアと同じように、ここまで、ユウはヴァインを、ぐいぐい飲んでしまっているのだが……。
「ルシア」
と、とつぜんユウが、ルシアの手を取って、その目をのぞきこみ、真剣な声で言った。
「は、はい?」
ルシアはどぎまぎしてユウの顔を見る。
ユウは、ルシアを情熱的なまなざしてじっとみつめ、顔を近づける。
「あ、あの……ユウ?」
「ぼくは! ……この世界に来てほんとうに良かった、ぼくは、ぼくは、この世界に来たから、君に……」
ふわり
と、世界が回った。
といっても、時の乱れではない。
ユウとルシアの身体が浮かび上がったのだ。
二人だけではなくて、部屋にある、固定されていないすべてのものが、ふわりと浮かび上がる。
(これは、無重量状態……)
星の船で宇宙に出たときに体験した、あの状態が今、このルシアの部屋で発生していた。
机の上におかれたペンや書類、棚の本、ソファのカバー、テーブルの上の瓶やグラス、すべてがふわふわと漂う。
時の三つの鐘も浮かび上がり、光を放ちながら、輪になってぐるぐる回っている。
酔っ払ったため、ユウの力が一部、コントロールを離れているらしい。
「ああ……なんだか、目が回る……飲み過ぎた……ごめんルシア……」
ユウが、もうろうとした様子であやまった。
正確には、ユウの目が回っているのではなく、ユウの周りが回っているのだが……
「うふふ、これはこれですてきじゃない?」
ルシアは、髪をなびかせながら、ユウの手をとって、くるりと回った。
「あっ、ルシア、そんなことしたら目がもっと……」
調子に乗って飲み過ぎてしまったユウの酔いは翌日の朝になってもまだ醒めず、朝、二人を呼びに来たジーナが、部屋中に物がぷかぷか浮かんでいる(ユウとルシアも漂っている)惨状を目の当たりにして、唖然とすることになるのだった。
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