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既視感のある襲撃

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 夜中に、ルシア先生の悲鳴が聞こえてきたときは、ほんとうにびっくりした。
 あのルシア先生が、あんなに取り乱すなんて。
 わたしとジーナが、ルシア先生の部屋にかけこんだときには、ルシア先生はユウにだきしめられて、ふるえていたのだ。

 「どうしたんですか、ルシア先生!」
 「なにか、あったんですか?!」

 ルシア先生は、戸口に立っている、わたしとジーナに気がつくと

 「ああ、……ライラ……ジーナ……ふたりとも、無事なのね?」

 しぼりだすようなその声には、深い安堵感がにじんでいた。
 ルシア先生は、力尽きたように、がくりと、ユウの肩に頭こうべをたれた。

 「どうも、なにか悪い夢をみたようだ。休ませてあげよう。ここは、ぼくがついてるから……」

 ユウがそう言って、わたしたちは、釈然としないまま、自分たちの部屋に戻ったのだった。

 「あんなルシア先生ってはじめてみたね……あっ、一回あったか」

 ジーナが、寝具をかぶりながらわたしに言った。

 「ユウが、あの化け物にやられて、死にそうになったときだ」

 そうだった。あのときも、ルシア先生は我を忘れて。

 「ユウは、先生が悪い夢をみた、って言ってたけど……」
 「よっぽどひどい夢だよねえ……なんだろうね。ルシア先生は自分のことでは、絶対にうろたえたりしないもん」

 わたしたちは、まさか自分たちが関係しているとはおもわず、そんな話をしながら眠ったのだった。


 翌日のルシア先生は、いつもとかわらない様子で現れた。

 「昨日は、夜中にびっくりさせてしまったわね。ごめんなさい」

 と、わたしたちに謝る。

 「ねぼけちゃったみたい……」

 そういって、笑ったのだ。
 それで、それ以上は聞けなかったのだけれど、その表情にはなんとなく陰りがあるような気もして、もやもやした感じは残ったままだった。

 その日、わたしとジーナは、いくつか用があって、町まででかけることになっていた。

 「じゃ、いってきますね!」

 子どもたちに勉強を教えているルシア先生に、挨拶してでかけようとすると

 「あっ、ちょっと待って!」

 ルシア先生があわてて、わたしたちのところまで走ってきた。

 「いい、ライラ、ジーナ、くれぐれも気をつけるのよ。無理はしてはだめ」

 真剣な顔で言う。

 「ええー、ルシア先生、やだなあ。町までいって帰ってくるだけですよ」
 「そうそう、ダンジョンに突入するわけじゃないんだから」
 「油断はだめ! とにかく、おねがいね!」

 ルシア先生は、わざわざ門のところまできて、わたしたちを見送るのだった。

 「ねえ、ライラ」

 とジーナが言う。

 「ん?」
 「ルシア先生、どうしちゃったのかな。なんかへんだよね」
 「うん。急に、過保護になっちゃった?」
 「あたしたちが、盗賊にやられる夢でもみたのかな」
 「ふふふ。先生、心配してくれたんだ、あたしたちのこと」

 わたしたちは、このあとに起こることも知らず、のんきに笑った。


 町での用事が思いのほか早くすんだので、ついでに、ギルドにも寄ってみた。

 「いらっしゃい! あ……ああ……ユウさんいないのね……わたし、もう、ずいぶんお顔をみてないわ……」

 アリシアさんが、あからさまにがっかりした表情になった。

 「アリシアさん、こんど、連れてきますって」

 ジーナが慰める。

 「おう、お前らか!」

 とサバンさんが、奥から出てきた。

 「聞いてるぞ、王都でもずいぶん活躍したらしいな!
  なにしろ、プラチナカードの持ち主だからな、おれも誇らしいよ」

 そういって、傷のあるいかつい顔をほころばせる。
 基本、いい人なのだ。
 いったん戦いが始まれば、相手を殲滅するか、自分が斃れるまで攻撃をやめない狂戦士だが。

 「ルシアさまと、ユウは、いつ式をあげるのかなあ、なにか聞いてるか?」
 「いえ……」

 わたしは答えた。

 「まだいろいろ、だんどりが必要みたいですよ」
 「だろうな……盛大な式になるな、きっと。なにしろ、あの二人だから」

 と、遠くをみる目になる。

 「そうだ」

 と、われにかえったように、言った。

 「あの連中……『暁の刃』の四人を、その辺でみかけなかったか?」

 わたしとジーナは首を横に振る。

 「みてないです」
 「また、なにかやりました?」
 「いや……」

 サバンさんが答える。

 「やってない……まだ」

 まだ、って。わたしは笑ってしまった。

 「行方不明のメギを探すっていうクエストを請け負って、でかけていったんだが……」
 「ちゃんと、分かりやすいように地図をつけてあげたんですよ」

 とアリシアさん。

 「それが、なかなか帰ってこないんだよ」
 「道に迷ってる?」
 「うーん……ありえるなあ、なにしろ、あのアーネストってやつは」
 「そうなんですよ!」

 アリシアさんが、憤懣やるかたないという顔をした。

 「モウコジャコウソウ採りの時も、せっかく、地図をつけてあげたのに、上下逆にみてたんですよ!」
 「えっ、それでだいじょうぶだったの?」
 「おどろくなかれ、ムカシモウコジャコウソウを見つけてきたんだ」

 わたしは、驚いて聞きかえした。

 「それって、とっくに絶滅したのでは?」
 「あったんだな、どこかに」
 「どこかにって」
 「それがどこかわからないんだよ。自分たちにもわからないらしい。なにしろ、逆に地図を見て、自信満々に進んでいったそうだから……自分らも二度とたどりつけないようだ」
 「あはは、まあ、そういう連中ですよね」
 「そうだな……」

 全員がうなずいたのだった。

 「とにかく、どこかで見かけたら、早く帰ってくるようにいってくれ。依頼者からは、メギは、勝手に戻ってきたから、もういいって連絡があったんだよ」
 「「わかりました……」」


 「あの連中、あいかわらずだねえ……」

 帰り道で、ジーナが笑いながら言った。

 「でも、悪運は強いよね」
 「そうだね。あれで、よく死なないよね」
 「あの魔法使いの子、エミリアはがんばってるけどね」
 「なにしろ、あの子、女帝の後継者の一番弟子だもんね」
 「なによそれ」
 「だってそうでしょう、あんた、いろいろ教えてあげてるじゃん」
 「まあ、そうだけど」
 「わたしにも、一番弟子いるけどね。あの獣人の子」

 ジーナが得意げに言った。

 「あの子はすごいよ。きっと、後世に名を残すね……」
 「ジーナ」

 わたしは、足を止めた。
 ジーナも、足を止めた。

 「いるわね」
 「おおぜいね」
 「でも……」
 「どうってこと、ないわね」

 わたしたちは、顔をみあわせて、にこりとした。
 わたしたちは、その時、森をぬける道をあるいていた。
 そして、わたしも、ジーナも、森に潜み、わたしたちを包囲しようとしている複数の気配に、とっくに気がついていた。
 ジーナは、気づいたときから、イリニスティスに手をかけている。
 わたしも、ルシア先生からいただいたセイレイガシの杖を握り直している。
 目の前の茂みが、ガサリといって、するりと男たちが現れた。
 卑しげな笑いをうかべ、手には光るダガーを、見せつけるように握っている。

 「ほおぉーう、コレはコレはすてきなお嬢さんがた、だ。なあ、今日の俺たちはついているな?」
 「おう。この前の獲物もそれは良かったが、な」
 「まあ、とりあえず楽しませてもらおうか」
 「金に換えるのはその後だ」

 わたしたちの足がすくんだと勘違いしたのか、男たちはこれ見よがしに、剣呑な会話をかわす。これで、わたしたちを怖がらせ、抵抗力を奪うつもりなのだろう。

 (なんだろう? この既視感は)

 わたしは、すごむ男たちを前に、冷静にそんなことを考えていた。
 この会話は、ユウに助けられて九死に一生をえた、あのときの会話とまるっきり同じなのでは。
 こんな連中の脅し文句は、しょせんみな同じなのだろうか。
 しかし、一言一句が同じような気もする。
 いくらなんでもそれはおかしいだろう。
 よく見ると、この男たちの顔も、なんだか見覚えがあるような気がするのだ。
 わたしが考え事をして黙っているのを、怯えて声もでないと受けとったのだろう、男の一人が無造作に近づいてきた。
 その手を伸ばし、わたしをとらえようとする。

 「こっちに来な。大人しくしていれば、殺しはしない。まあ、おれが飽きるまではな」

 伸ばしたその腕に

 「はっ、ふざけんな!」

 ジーナが、鼻で笑って、イリニスティスを一閃する。
 ぼとり、と男の腕が落ちた。
 骨と肉の見える切断面から、びゅっと血が噴き出す。

 「ぎゃあああああ!」

 あっさりと落ちた腕を、信じられない顔で男がみて、そしてようやく襲ってきた痛みに、絶叫した。

 「このアマ! 『牙』に逆らうのか! 生かして返すな!」

 男たちが、殺意をむき出しに殺到してくる。

 「バカだね。あの時のあたしとは違うんだ。手加減はしないよ。行くぞ、イリニスティス!/おう、下衆どもを血祭りだ! ウハハハ!」

 ジーナの目が黄金に輝き、瞳孔が全開になる。イリニスティスが高らかに笑う。

 「だあああああっ!」

 魔剣イリニスティスを振りかざし、殺到する男たちをなぎ倒すジーナ!
 男たちは、あるものは胸を切られ、あるものは首を刎ねられ、あるものは腕をとばされ、次々に息絶える。いちど殺されかけたジーナは、一切容赦しない。一撃のもとに、相手を屠っていく。

 「おい、剣士は手強いぞ、魔法使いを人質にとれ!」

 リーダーらしい男が怒鳴った。
 ジーナを取り巻いていた男たちが、慌てて、わたしに向かってくる。けっこうな人数だ。
 しかし、

 「笑わせるな! 盗賊風情が、この『紅の蜘蛛と蛇の魔道士』に、手を触れられると思うなよ!」

 わたしは、動ぜずに魔法を詠唱する。

 「水と炎、風と土、四柱の精霊がかたくその腕を結び、すべてが奈落の底におちる、究極の雷嵐サンダーストーム!」

 こんなやつら、もっと弱い魔法でも十分かとも思ったが、あの時のことを思い出したら、いろいろと腹が立ってきたので、少し強力なやつでいかせてもらいました!

  バリバリバリバリ!
  ズガン! バリン! ズガン!

 数えきれぬ紫色の稲妻が、空間を縦横に切り裂き、わたしたちに悪意をむけるすべての敵に、防ぎようもなく激しく突き刺さる!
 盗賊は悲鳴を上げる間もなく、電撃にうたれて、はじきとばされる。
 あっというまに、半径三百メイグ以内の敵は、ことごとく黒焦げとなった。
 つまり、盗賊団は全滅したということだ。

 「ライラ……あんた、やりすぎ」

 ジーナが、イリニスティスを背中にもどしながら、あきれたように言った。

 「それに、あんた、自分で『紅の蜘蛛と蛇の魔道士』とか名乗っちゃってるよ……」

 わたし、そんなこといいましたっけ?
 そうだ、それより、この連中の正体を確認しなくては。
 わたしは、ジーナに斬られて絶命している男に近づいて、その顔を見た。
 これは……

 「ジーナ、ちょっと、見て」
 「どうしたの、ライラ」
 「こいつの顔、見覚えない?」
 「えっ、あたし、盗賊に知り合いなんかいないよ」

 そういいながらも、ジーナは、その顔をのぞきこむ。

 「あっ、こいつ……」

 ジーナは気がついたようだ。

 「前に、あたしを斬ったヤツじゃん。ざまあ見ろ!」

 そういって、男を蹴飛ばす。

 「いや、ジーナ、おかしいよ」
 「なにがよ」
 「だって、あんたを斬った盗賊、ユウさんにやっつけられたはずじゃない」
 「あっ、そうだよ、よく考えたら、そうだ。じゃあ……」

 ジーナは、少し考えて言った。

 「こいつ、兄弟かな? 双子の?」
 「そんなはずないって」
 「じゃあ、どういうことよ、まさか、あいつが蘇ったってこと?」
 「わからない……」

 わたしとジーナは顔をみあわせた。
 そのとき、と世界が震えたようだった。
 とつぜんの眩暈のような感覚がわたしを襲う。

 「うわっ?!」

 思わず目を閉じて、そしてその目を開くと——

 「「えっ?」」

 わたしたちに殲滅させられた盗賊たちの姿は、どこにもなく、ただ、わたしとジーナだけが、だれもいない森の中に立っていたのだった。
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