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1 プロローグ
しおりを挟む私には、人とは違った能力がある。
どんな能力かと言うと、人の感情を色で読み取る力。
その色というのはどうやって見ているのかというと、電波のように色が押し寄せてくるイメージ。
その能力のおかげで、連続スリ犯を捕まえたり、今から事件を犯行しようとしている危険な人物を通報することもあった。
人の命を偶然にも救ったこともあり、新聞にも載ったことがある。
小さい頃の私は、その色が誰にでも見えているという真実を伝えると、周囲から怖がられる。
だんだんと孤立してしまい苛められるようになった。
中学2年の時、私は不登校になり、自宅でいる時間が増え始めた頃。
母の持病が急に悪化し、あっけなくなくなってしまった。
そして私は、一度も会ったことがない父方の祖母の家で暮らすようになった。
私には父と過ごした記憶はない。2歳の時になくなったからだ。原因はよく分かっていない。
父について知っていることは、顔と名前と、私と同じように力を使う事ができたぐらい。
生前の母は父について多くを語らなかった。でも、すごく優しい人だったらしい。
私が赤ん坊の頃に撮った家族写真を見ると、2人は幸せそうで、どうして父が原因不明でなくなったのか気になったが、病気で衰弱していく母に聞く勇気は私にはなかった。
◇
祖母は白内障で視力をほとんど無くしている。
目が不自由だが、快活な性格でご近所の友人も多い自慢できるおばあさんだ。
祖母と暮らし初めて1年半が過ぎようとしているが、父のことについては、母と同じで祖母も語らなかった。
語らないには、何か理由があるはずだ。その理由を言えない何かがそこにきっとある。
その何かに対して自分自身が気づかない限り、質問してはいけない気がして、結局分からず仕舞いだった。
私が人と違う能力を持つことになって、幽霊、UFO、そして超能力者にある噂が真実か疑問を持つようになる。
最初に、幽霊について。色が見えるからといって幽霊は見たことはない。TVの映像は創作物であると心霊映像研究家はそう提言しているのだからそうではないかと思う。実際に見たことがないので信じることはできない。
次に、UFOは人間が作った乗り物だというのは正しいかと言われるとそうは思わない。
航空機やミサイルなどをさまざま言うが、宇宙人の乗り物としては認められていない。
UFOの存在はごく最近になって認められたが。電波を発しているからUFOだという天文学者の言い分もいかがなものかと思う。
私は、こうした謎に直面したとき、こうした不思議なものに、トリックがあるかどうか無性に突き詰めたくなってしまった。
特に超能力者については、父の手がかりになるかもしれないので、近くの街に来たと噂になれば、本物かどうか探る。
今まで出会ってきた自称能力者は、ほら吹き揃いで、打ち負かしてきたこともあり、そういった界隈では、私は、「能力者潰しのイーグルアイ」と怖がられている。
なぜイーグルアイと呼ばれているかというと私の名字が鷲見で、鷲という文字に関係があるのだ。
どういうことかというと、狙った獲物は見逃さない鷲のように、エセ能力者のウソを暴いてきたからだ。
彼らに恨まれることもあったが、なぜか脱税など隠している余罪で捕まってしまうので、私に復讐をする間もなく逮捕されてしまう。天罰が下ったのだと最初の頃は思っていたが、対決が終結した翌日、早い場合は、その日のうちに必ず捕まってしまう。
最近は、それが気味が悪くなってきたので、しばらくは超能力者を名乗る物には自ら会いに行くことはしなくなった。
偽物の能力者を暴いてきた私は、学校では高校生探偵と言われ、一目置かれている。
別に目立ちたくてしている訳じゃないのに、こんなことになるとは想像してなかった。
あれだけ偽物と対決してきたんだから、そろそろ本物の能力者が会いに来てくれると信じているが、一向に現れてくれない。
退屈な日常に飽き飽きしていた私の周りで、奇妙な事件が起きる。
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