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第2章 学園
学園編 3話
しおりを挟む「俺は今日、シュンと城の書庫へ行く約束をしていたのですが、イベリス宮からの使いが来て、シュンが来られなくなったのを聞いたのです。シュンは約束を絶対に守りますし、以前にも何回か似たようなことがありましたが、第2王妃の方が位が上だったので訪ねられませんでした。ですが、もう関係ありませんしね、直接様子を見に行くことにしたんです。そこでメイドに宮へは入れないと聞き、訳を教えてくれなかったので強行突破しました。そこでシュンに手を上げている第2王妃が居たのでシュンの傷を癒してからこちらに来ました」
説明が長くなってしまった…
自分に叱責しながら父上の方を向くと、魔力制御が完璧な父上の魔力が乱れていた
…めっちゃ怒ってるな。
まぁ、こっちとしては大歓迎だけど。
魔力が暴走したら大惨事だからなだめるか。
「父上、落ち着いてください」
「…俺は落ち着いてるぞ」
「嘘言わないで下さい。魔力が乱れてますよ」
「、、、」
俺がそう突っ込むと父上が口を閉じた。
そして魔力を戻そうとゆっくりと深呼吸を繰り返す。
だんだんと魔力がきれいなもとの形へと戻っていった。
「ハレン、イベリス宮へ行くぞ」
「はい」
そう言って父上が部屋を出ていこうとする。
「待ってください!」
今まで俺の腕に捕まっていたシュンが口を開く。
「どうした?」
父上がいつも以上に穏やかな口調で問いかける。
「…母様を殺さないで下さい」
!?
「…どうして?」
俺がそう問いかける。
「…母様は、いつもカルミア侯爵に怯えていました。、父上の第一子を生めなかったからって言って」
お披露目パーティーで第2王妃の顔が青ざめていた理由がわかった。
でも、それで虐待をしていい理由にはならない。
「…わかった。殺しはしない。ただ、それが自分の子供に手を上げる理由にはならないからな」
シュンに優しく笑いかけ、父上が部屋を出ていく。
…俺も行きたかったなぁ。
でも、まずは…
「シュン、ごめん。ずっと気づいてあげられなくて。ごめん」
謝ると同時に涙が出てきた。
「うわっ…」
不意に出てきた涙に驚いて目をこする。
「ハル、僕は大丈夫だから。ありがとう。助けてくれて」
シュンに頭を撫でられる。
「うん、ほんとごめん…」
「ハル、もう謝らないで、ハルのせいじゃないじゃん。僕もう怒るよ?」
また謝ったら怒られた。
「…わかった」
シュンは普段あんまり怒ることがなく、本当に怒ったときはとてつもなく怖いのだ。
笑っているのに目が笑っていなくて、まわりが吹雪の状態になる。
前世では幻覚で見えたけど、今世は目に見える。ついでに触れる。
俺もそうなるらしいけど。
「シュン、もう大丈夫?」
俺の頭を撫でるシュンの手が震えていないことに気づいて声をかける。
「うん、ありがと」
…まだ顔色悪いのに。
俺のムスッとした顔に気がついたのかシュンが口を開く。
「…ハルが居るから大丈夫。ただ、他の人とかが無理なだけだよ。多分父上とかは大丈夫だけど、他の人は、、恐い」
…殴ってこよっかな、アイツら
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