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第1章 幼少期

閑話 1

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ヒュンッ

そんな音と共に風が通りすぎる。

少しして腕がいたくなってきた。

腕を見ると服が裂け、赤く血が滲んできていた。

その間、今世の母親の怒声もとい金切り声が聞こえてくる。

「何故第一王子を上回ることができないのよ!お陰で私までお父様から叱られる羽目になるわ!少しでもあれより上回りなさいよ!何で私なの!?全部私が叱られる!もっとデキのいい子なら良かったのに!」

知らない。僕にはわからない。

そう思っていても口に出すことは許されない。

もし口に出したらもっと大きい魔法を使われる。

大人しくしていないと。…前もそうだったな。

違うのは使われているものと隣に片割れがいないことだけ。

ハルが居ないだけでこんなにも心細くなるのか…

…ハルの今世の母親は優しそうだったな。

このままハルは知らないままでいい。

こんな辛い思いはもうしてほしくない。

前は僕よりひどいことをされてた。

ハルの母親が優しい人で良かった…



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