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魔王城に危機が訪れようとしています
……城に着きました
しおりを挟む「ここが魔王の城かっ」
エミリたちが自動販売機の中に入れるコーヒー牛乳を作ろうと、コーヒー豆を探しはじめたころ、アイーシャたちは城に到達していた。
「なんと、砂漠にそびえる立派な城であることだなっ」
「いや、ここは……」
間違えて、自国に帰ってきてしまったとアイーシャが説明しかけたとき、マーレクが城から出て来てしまった。
「これはこれはアイーシャ様。
どうされたのです。
見たこともない兵士たちを引き連れて」
マーレクは、そこで、はっ、という顔をし、言う。
「まさか嫁入り先と結託し、我が国を攻めてきたのではっ?」
そのとき、アイーシャの後ろにいた男が高らかに名乗りはじめた。
「私はユーシリヤのサガン王子である」
なんの騒ぎだ、と遅れてセレスティアたちも出てくる。
「ユーリシア?
何処に嫁いできたのだ、この方向音痴め」
とセレスティアがアイーシャを罵った。
「違います、おねえさま」
と慌ててアイーシャが弁明しようとする。
「私が嫁いだ国はユーリシアに攻め滅ぼされたのです」
いや、まだ嫁いでもなかったんだが……とアイーシャが思ったとき、
「なるほど。
それで国ごとお前も略奪されたわけか」
とセレスティアが勝手に納得をする。
……略奪されてません、と思ったとき、サガンがマーレクに言った。
「お前が魔王か」
マーレクが、はい? という顔をする。
「この中では一番お前が魔王っぽい」
サガンは重臣たちを見回したあとで、マーレクを見てそう言った。
いや、そいつは神官ですが……。
「あの、すみません。
そもそも、私、道を間違えて、自分の国に帰ってしまったのですが」
「なんと、そうであったのかっ。
で、エミリ姫は何処だ?
我が最愛のエミリ姫はっ」
あなた、エミリが、えーっ? ってマヌケな顔したの見ただけですよね?
何故、いきなり最愛の姫に。
「だから、魔王の城にいますよ」
すみませんって、と言うアイーシャにセレスティアが言う。
「お前の嫁いだ国は、何故、こいつに滅ぼされたのだろうな……」
こいつなんかに、という口調だった。
「ところで、おねえさまは何故、ここにいらっしゃるの?」
「私が嫁ごうとした国も攻め滅ぼされてしまったのだ」
「まあ、そうなのですか。
奇遇ですわね」
マーレクがそんな会話をする二人を見て言う。
「……あなたがたは呪われているのでは?」
今後、あなたがたが嫁ぐと言ったら、相手の国が全力で阻止してくると思いますよ、と呟いていた。
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