上 下
60 / 107

帰りたい!!

しおりを挟む
お祭りも終わって、またいつもの日常に戻ります。
そう、チェリエに布団を剥ぎ取られて起きる日常が!!

あ~、あの襲撃の日にブィーアによって投げられた物って、私の宝石箱だったみたいで、今は騎士団に持っていかれてます。
念の為ね……変な魔法とか付与されてないか調べるみたいです。
盗聴とか?呪いとか?
分からないけど、ちゃんと返してくれるならいっかぁみたいな?

入ってる物の目録作れとか、め~ん~ど~い~!
まあ、実際に作ったのはセリナさん達メイドですけどね。





いつもの様に魔法師団員を扱くつもりで、訓練所に向かおうとしたらコーサに引き止められました。
訓練所ではなく小会議室へ……?

何でしょうね?
気分はいきなり職員室に呼び出された生徒ですよ?

会議室とか……入るの初めてです。
ドキドキするなぁ、誰が居るんでしょう……。


団長の執務室の隣が小会議室です。
コンコン……とドアをノックすれば、返ってきた声は団長の物だったのでちょっと安心……出来ないですね。
何言われるか、されるか逆に不安?です。

「……失礼します。」

コーサを連れて中に入れば大きな円卓が有って、1番奥に王太子夫妻、左側に団長と副団長、席2つ空けて魔法師団の分隊長が2人。右側にスッポリとマントを着てる人にアレフ様、ヴィーダさんで多分こっちも騎士団の分隊長が3人。

……嫌だなぁ。嫌な予感しかしない。

マントを着てる人の後ろに直立して立ってる騎士さんに見覚えが有るんですけど~?
ハシュア様の騎士さんでしょ~?
マントを着てるのハシュア様じゃないの~?

場違いです!帰る!

回れ右……する前にコーサに腕を首に回され引き摺られる様に副団長の横の席に座らされました。
私の隣にコーサが座って……か、帰りたい!!お家に帰して~!!

「やっと揃ったな。これで全員だぜ、アッシュ殿下。」

やっとって、私が遅刻したみたいじゃない!
ちゃんと出勤時間に来たのに~会議有るなら言っといてよね!

因みにアッシュ殿下は王太子様の名前です。

「(小声)教えといたら逃げただろう?」

と言ったのはコーサです。
当たり前です。全力で逃げますよ!

私の気持ちとは裏腹に会議は進みます。

「今来たソイツがミント。俺が連れて来た。実力は俺の保証付きだから安心してくれ。」

一応、紹介されたので頭下げときます。

「初めましてミントさん。色々と報告は受けてますよ。バルガスに弱味握られてるとか、クククッ……御愁傷様です。」

アッシュ殿下に笑われました。
その報告はアレフ様ですね!
「御愁傷様」……久し振りに聞きましたよ~。
後、舞踏会で会ってますよ~言わないですけど。

王太子妃様がマントを着てる人(ハシュア様でしょ?)を見ます。
マントの人が立ち上がりマントのフードを外します。

「初めまして、ハシュア・トゥラルゼ・ユミトゥヘルです。」

やっぱりハシュア様です。
女装して無いですけど、美少女が美少年になっただけですね。
天使の容姿は変わりません。

「一月後に行われるユミトゥヘル王国の戴冠式に、共に向かって頂けるとの事、心から感謝を言わせて下さい。」

…………ちょっと待て~~い!!

ガタッと音を立て、椅子から立ち上がり団長を睨みます。

「聞いてない!」

「言ってない。」

団長は即答で返してきました。

…………ムカツク!!

「魔法師団のトップは俺1人だから、俺は国を離れられん。だから俺の代わりが欲しかったんだよ。タイミング良く現れたのがお前だ。諦めろ。どうせ、断れんだろ?」

…………ムキ~!!

「……禿げろ!!」

「断る!!」












しおりを挟む
感想 426

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢は冤罪を嗜む

mios
恋愛
公爵令嬢のクラリスは、婚約者と男爵令嬢の噂を耳にする。彼らは不貞したばかりか、こちらを悪役に仕立て上げ、罪をでっち上げ、断罪しようとしていた。 そちらがその気なら、私だって冤罪をかけてあげるわ。

虐げられた令嬢は、姉の代わりに王子へ嫁ぐ――たとえお飾りの妃だとしても

千堂みくま
恋愛
「この卑しい娘め、おまえはただの身代わりだろうが!」 ケルホーン伯爵家に生まれたシーナは、ある理由から義理の家族に虐げられていた。シーナは姉のルターナと瓜二つの顔を持ち、背格好もよく似ている。姉は病弱なため、義父はシーナに「ルターナの代わりに、婚約者のレクオン王子と面会しろ」と強要してきた。二人はなんとか支えあって生きてきたが、とうとうある冬の日にルターナは帰らぬ人となってしまう。「このお金を持って、逃げて――」ルターナは最後の力で屋敷から妹を逃がし、シーナは名前を捨てて別人として暮らしはじめたが、レクオン王子が迎えにやってきて……。○第15回恋愛小説大賞に参加しています。もしよろしければ応援お願いいたします。

[完結]間違えた国王〜のお陰で幸せライフ送れます。

キャロル
恋愛
国の駒として隣国の王と婚姻する事にになったマリアンヌ王女、王族に生まれたからにはいつかはこんな日が来ると覚悟はしていたが、その相手は獣人……番至上主義の…あの獣人……待てよ、これは逆にラッキーかもしれない。 離宮でスローライフ送れるのでは?うまく行けば…離縁、 窮屈な身分から解放され自由な生活目指して突き進む、美貌と能力だけチートなトンデモ王女の物語

のほほん?とした婚約破棄物かも知れない話し

和威
恋愛
のほほんな令嬢とお馬鹿な王子とヒロイン?の婚約破棄物語。 破棄する話しが多いので書いてみただけ。暇潰しに読んで貰えれば良いかな?ぴったり5000文字にしてみた。ツッコミ所が、多々あるかも知れませんが読み切りの為、感想は受け付けてません(´-ω-`)ノシ

この誓いを違えぬと

豆狸
恋愛
「先ほどの誓いを取り消します。女神様に嘘はつけませんもの。私は愛せません。女神様に誓って、この命ある限りジェイク様を愛することはありません」 ──私は、絶対にこの誓いを違えることはありません。 ※子どもに関するセンシティブな内容があります。 ※7/18大公の過去を追加しました。長くて暗くて救いがありませんが、よろしければお読みください。 なろう様でも公開中です。

とある虐げられた侯爵令嬢の華麗なる後ろ楯~拾い人したら溺愛された件

紅位碧子 kurenaiaoko
恋愛
侯爵令嬢リリアーヌは、10歳で母が他界し、その後義母と義妹に虐げられ、 屋敷ではメイド仕事をして過ごす日々。 そんな中で、このままでは一生虐げられたままだと思い、一念発起。 母の遺言を受け、自分で自分を幸せにするために行動を起こすことに。 そんな中、偶然訳ありの男性を拾ってしまう。 しかし、その男性がリリアーヌの未来を作る救世主でーーーー。 メイド仕事の傍らで隠れて淑女教育を完璧に終了させ、語学、経営、経済を学び、 財産を築くために屋敷のメイド姿で見聞きした貴族社会のことを小説に書いて出版し、それが大ヒット御礼! 学んだことを生かし、商会を設立。 孤児院から人材を引き取り育成もスタート。 出版部門、観劇部門、版権部門、商品部門など次々と商いを展開。 そこに隣国の王子も参戦してきて?! 本作品は虐げられた環境の中でも懸命に前を向いて頑張る とある侯爵令嬢が幸せを掴むまでの溺愛×サクセスストーリーです♡ *誤字脱字多数あるかと思います。 *初心者につき表現稚拙ですので温かく見守ってくださいませ *ゆるふわ設定です

貴方の事を愛していました

ハルン
恋愛
幼い頃から側に居る少し年上の彼が大好きだった。 家の繋がりの為だとしても、婚約した時は部屋に戻ってから一人で泣いてしまう程に嬉しかった。 彼は、婚約者として私を大切にしてくれた。 毎週のお茶会も 誕生日以外のプレゼントも 成人してからのパーティーのエスコートも 私をとても大切にしてくれている。 ーーけれど。 大切だからといって、愛しているとは限らない。 いつからだろう。 彼の視線の先に、一人の綺麗な女性の姿がある事に気が付いたのは。 誠実な彼は、この家同士の婚約の意味をきちんと理解している。だから、その女性と二人きりになる事も噂になる様な事は絶対にしなかった。 このままいけば、数ヶ月後には私達は結婚する。 ーーけれど、本当にそれでいいの? だから私は決めたのだ。 「貴方の事を愛してました」 貴方を忘れる事を。

生まれ変わっても一緒にはならない

小鳥遊郁
恋愛
カイルとは幼なじみで夫婦になるのだと言われて育った。 十六歳の誕生日にカイルのアパートに訪ねると、カイルは別の女性といた。 カイルにとって私は婚約者ではなく、学費や生活費を援助してもらっている家の娘に過ぎなかった。カイルに無一文でアパートから追い出された私は、家に帰ることもできず寒いアパートの廊下に座り続けた結果、高熱で死んでしまった。 輪廻転生。 私は生まれ変わった。そして十歳の誕生日に、前の人生を思い出す。

処理中です...