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襲撃終わった( ´△`;)

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アレフ様の指示で、騎士達が動き回っています。

私は旦那様に御礼を言ってから、チェリエの元へ走って向かいます。

「チェリエ!」

「……ミリアァァ!」

座り込んでいるチェリエを抱き締めます。

「チェリエ、チェリエ、チェリエ!!」

「ああ、ミリアァ……わ、私、私……怖かっ、たあぁ!」

「チェリエ、無事で良かった!どこも痛いとことか無い?」

「無い……ぐすっ、あの男……た、楽しそうに話すのに、ぜん、ぜん、目が笑って無くて!それが、それが凄く怖くて……!」

「……もう大丈夫。もう居ないから、思い出さなくて良いから、」

「スンッ……ミリア、ありがとう。来てくれて、ありがとう。」

「当たり前でしょう!生まれた時からずっと一緒なんだから!これからも一緒なんだからね!」

「うん、うん!」

ギュッ~と抱き合っていると、

「ミリアも無事で良かったですわ!」

お姉様がガクとスケルを……いや、後ろに何人か連れてやって来ます。
その中にバンズとルックも居ます。
騎士から報告を受けていたアレフ様と旦那様もやって来ます。

流石に座ったままではいけないので、チェリエを支えながら立ちセバスさんに預けます。

「お姉様も無事で良かったです。」

と微笑めばハグされます。
会う度にハグですか、お姉様……?
良いけどね……気持ち良いし!!

アレフ様がお姉様の腰を引き寄せ、私から離すと

「ミリアちゃんが戦っていた男について聞きたいんだけど~?何か気付いた事あるかな?」

「「ミリアちゃん?」」

私と旦那様の声が重なりました。

「だって、未来の妹ちゃんだからね~。あっ!ジークも私の事を「御義兄様」と呼んでくれて良いんだよ!(ニヤニヤ)」

「…………遠慮無く拒否する!!」

物凄く嫌そうな顔をして、アレフ様から五歩程遠退く旦那様。

「……そんなに!?年下を兄と呼びたくない気持ちは分かるけど~。」

「……歳は関係無い。」

「……うはぁ、傷付くなぁ。あはは、まぁ良いさ!ミリアちゃんが気付いた事教えて?」

あの男について……あまり思い出したくないなぁ。

「……影を手の様に操って移動も出来る様です。妙に明るく話して……(そう言えば、ゲームとかリアル火竜狩り……て)」

「ミリアちゃ~ん?」

考えに没頭しそうになった所を引き戻されます。

「いえ、後は私の……私の目?が欲しいみたいな事を……。」

「「「目!?」」」

アレフ様と旦那様が驚き、お姉様がワナワナと震えております。

「あの、発言を御許し下さい。」

チェリエが一歩前に出て言います。
アレフ様が頷くのを確認し、

「ブィーアとか4番目と呼ばれていると言っておりました。」

「ちっ、ソコが出てきてたかぁ。他に似た様な……1本ネジ飛んでる様な~変な言動の者を見た人いるかい?」

周りを見回すアレフ様にワナワナ震えるお姉様が首を振ります。

「リーダーらしき者は普通でしたわよ?(次会ったら即殺ですわね!)」

他の人達も首を振り否定します。
気になるので聞きましょう!

「あの男をアレフ様は御存知なのですか?」

「直接知ってる訳では無いよ~?只ね、「ブィーア」と言う言葉は帝国の古い言葉で「4」を意味するんだよね~。」

4……て、他にも居るって事!?

「帝国の裏とか闇の組織みたいな者かな?ソコの上位10人が古語の数字で呼ばれてるらしいんだよね~。」

ああ言う人が後9人……て、帝国……怖!!

「そう言う組織だから、ね~?」

言いながらアレフ様が旦那様を見れば、

「生きて捕らえた者は自決。出来ない様にした者は腹を貫かれて殺された様だ。そのブィーアの仕業だろう。」

「何とも暗殺向きの能力だよね~。」

……やっぱり、私と同じ記憶持ちでしょうか?
転移だか転生で得たチート能力?
それっぽい人に一昨日会ったけど……まさかの同一人物?
双剣、ハンマー、火竜、狩り、ゲーム……前世でやってたヤツかな?
良く誰かと一緒に遊んでて……誰とだっけ?
やっぱり人物とか曖昧だなぁ、はは。
あ~うん、お兄ちゃんだ。

「…………で、てミリアちゃん聞いてる?」

「あっはい!」

「いや、聞いてないよね?ソレ。まあ、良いけど~。場所変えるよ?ちゃんと説明と紹介したいから。」

アレフ様の視線の先を辿れば、1人の女性がメイドと騎士を従えて居ました。
フワフワとウェーブの掛かった明るい金髪。
長く伏せられた金の睫毛に隠れる青い瞳。
て……ぶっちゃけ美少女ですよ!
まんま天使!翼生えてないのが不思議なくらい天使!



…………彼女が旦那様の……愛人さん?





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