我慢してきた令嬢は、はっちゃける事にしたようです。

和威

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フューネの祝日・舞踏会・お姉様素敵!!

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「……それより、お姉様?侯爵を継ぐ条件って何ですの?」

無理難題じゃ無いですよね~?

「ああ、ソレはね……」

お姉様の言葉を遮って、アレフ様がニヤリと答えます。

「今年中に結婚する事だよ~。」

何ソレ!?

「問題無いですわ!私を誰だと思って?求婚の1つや2つや10位有りましてよ。」

流石お姉様です!
「私を誰だと思って」なんて言えませんよ!

「そうそう、問題無いよね~。ここに好物件の良い男が居るからね~。」

「居ませんわ!!」

また、お姉様の一刀両断です。

「後継ぎじゃないし、歳は近いし、顔は好みでしょ?で、仕事が出来て、浮気しないし「脳筋」じゃないよ~。」

アレフ様が負けずに売り込み始めました。
「脳筋じゃない」の所で少しぐらつきましたね、お姉様。
後、確かに顔は好みだって言い切ってましたからね~。

「後は~そうだね、(ニヤリ)妹ちゃんの所に入り浸っても許すよ?1週間、お泊まりとか?(ニヤニヤ)」

「うぐっ」

ああああ、ぐらつきまくってます!!
シスコンにはキツイ!?

アレフ様が立ち上がって(トドメ刺す気ですね!)お姉様の両頬を挟んで上向かせます。
アレフ様が真剣な表情で

「ずっと好きだったんだ。一生、君だけを愛するよ。」

グハッ!?
何コレ、真面目王子様モードみたいな?
お姉様、顔が茹で蛸です!

「あぅ、(イケメン、ミリア、イケメン、ミリア、ミリア、ミリア、お泊まり、お泊まり……添い寝!?)なります!」

落ちた~!?
お姉様、落ちちゃったよ~!?
チョロイン?チョロなの!?

アレフ様はそのままお姉様に口付けしようと顔を近付け……お姉様に突き飛ばされました。

「うわっ!?」

「ミリア!!」

突き飛ばした時の、両腕を伸ばしたままの格好で

「早速、今からお泊まりに行きますわ!」

「「えっ!?」」

私ではなくアレフ様と旦那様が驚きの声を上げました。

「……それは、あれだ!まだ舞踏会は終わってないから、戻った方が良い!」

「そうだね!戻りたく無ければ、この部屋でいっぱい妹ちゃんと話してて良いんだよ!」

男2人が慌てて言い募ってます。
私は旦那様の目をじ~~~と見つめて、

「今日、いえ今夜、屋敷で何が有るんですか?一部の使用人以外に暇を出されましたよね?」

「あ、ああ、祭りだから……たまには、な?」

目が反らされます。
お姉様が突き飛ばされた為、床に座ってたアレフ様の襟首を両腕をクロスにして掴み上げ、

「私、先程求婚を受け入れてしまったので婚約者ですわよね?」

「ああ!幸せにするよ~!」

「ふふっ、なら婚約早々隠し事は良く有りませんわね?話して私と結婚、話さずにこのまま落ちるのどちらが良いですか?ああ、話さなかった場合、婚約は勿論無しで!!」

「「「えっ!?」」」

アレフ様は襟首を掴まれたまま、器用にその場に正座すると直角に右腕を上げ

「話します!!」

「なっ!アレフ!!」

「すまん、ジーク!私の未来は譲れないんだよ~!」




簡単に纏めると「別館が襲われる!!」でした。
詳しくは聞きません。
時間が勿体無いですからね。

襲ってくるのは(多分)ゲルティリヒ帝国らしいです。
そこの暗殺者。
10年前にお父様が蹴散らした国です。
軍国であまり良い噂は聞きません。

留めようとするアレフ様と旦那様に、私は泣いて駄々を捏ねて……だって、チェリエが本館に残っているんですから!

するとお姉様が部屋のドアを開け、

「そこの貴方!女性騎士の騎士服を至急二着持ってきなさい!そっちの方は細剣2本とロングソードを!貴方は使用人の待合室に行ってギルベルト伯爵家の使用人とダリル侯爵家の専属護衛の2人を呼んできなさい!!急いで!!」

「「「は、はい~~!!」」」

「ふん!」

お、お姉様……格好良すぎです!惚れてまうやん!!

持ってこられた騎士服に早速着替えます。
勿論アレフ様と旦那様は部屋の外です。

「生着替え~~~♪」

と、はしゃぐアレフ様を旦那様が慌てて連れ出して行きました。
だってね~お姉様が気にせずその場で脱ぎ始めたので……。

「アレフ様は兎も角、ジークフリード様は真面目でしょ?こうした方が早いんですわ。」

だそうです。

騎士服を着たお姉様、素敵過ぎる~♪
それに比べて私は……やっぱり、裾が余って……ベルトも穴が足りないし(無理矢理開けました。)泣けてくる。

細剣2本を腰の左右に取り付けて完成です。
お姉様はロングソードです。

部屋の外に出れば、セバスさんとガクとスケルが来てました。
ビル爺は既に馬車でスタンバってるそうです。

「何時までもしけた顔しないで下さいませ!私とミリアの意志は変わりませんわよ!少なくとも……」

お姉様と顔を見合せて、同時に言ってやります。

「「アレフ様よりは戦えます」わよ!!」

「グハッ!?」

アレフ様が項垂れます。

「……私だって、そこそこ戦えるのに……。」

そして、不安気な旦那様にセバスさんが近付き……。

「御安心下さい、旦那様。ここ数日、奥様に頼まれ剣術を御指南させて頂いておりました。」

「なっ!?えっ?」

セバスさんはニッコリ微笑み、

「旦那様より筋が宜しいですよ?」

「グハッ!?」

アレフ様の隣に旦那様が項垂れます。

「……副団長なのに……自信無くす……アレフより強いのに……!」

「グハッ!?」

旦那様の言葉がアレフ様にトドメを刺してます。

「そんなに心配ならさっさと駆け付ける事ですわね?全く、事が起きないと動けないなんて、愚図過ぎですわ!」

「「グハッ!!」」

「もう行きますわよ!さ、ミリア。」

お姉様が手を差し出して来たので、その手を取ります。

「はい!お姉様!!」

待っててね、チェリエ!







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