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第五章 再会編

黒い紋章

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「どうぞ。ルーファス様。」

リスティーナはハーブティーを淹れて、カップとソーサーをルーファスの前に置く。

「ああ。ありがとう…。」

ルーファスはハーブティーの入ったカップを手に取り、一口飲んだ。

「美味いな…。林檎の味がする。」

「今日のお茶は林檎とカモミールをブレンドしたハーブティーです。これを飲むと、何だか気持ちが楽になるというか、ホッとするんです。林檎とカモミールにはどちらとも心を落ち着かせる効果があるので…。」

「そうなのか。確かに…。優しい味がするな。」

ルーファスはハーブティーを飲むと、フッと目元を和らげる。
リスティーナもルーファスの隣で自分の分のカップを手に取り、フウフウと冷ましながら、ハーブティーを飲んだ。

「リスティーナ。あの時、湖で君と別れる前に話そうとしていたことを…、今、話しても構わないか?」

「はい。勿論です。」

そうだった。あの時、ルーファス様は何か重大な話を打ち明けようとしてくれていた。
色々あったせいですっかり忘れていた。

「こんな事を言われても、信じられないかもしれないが…、今まで俺が苦しんでいたのは呪いじゃなかったんだ。」

「え!?呪いではない?じゃあ、一体、何が原因で…?」

「あれは呪いではなく、大精霊が俺に与えた試練だったんだ。」

「大精霊…!?ど、どうして大精霊がルーファス様に…?」

今の時代、大精霊が人間の前に現れる事は滅多にない。
あるとすれば、それは人間と契約する時だ。けれど、大精霊が契約を交わすのは一人のみ。
そして、ほとんどの大精霊が既に契約を交わしている。
現在、大精霊の加護を受けた人間は六人存在している。
フィオナとラシードもその一人だ。
つい最近も土の勇者が誕生して、六人目の勇者として名を連ねている。
魔法が廃れつつあるこの時代で六人も大精霊の加護持ちが存在しているのは、かなり稀なことだ。
そういえば、後一つだけ勇者の座は空席のままだ。でも、その座は千年に一度現れるか現れないかといわれているあの…、

ルーファスはスルッと右手に嵌めた黒い手袋を外すと、手の甲を見せる。
すると、手の甲に黒い紋章が浮かび上がった。

「!これは…?」

「俺は闇の大精霊と契約を交わして、勇者となった。」

ルーファス様が闇の勇者に…!?
それを聞いて、リスティーナは漸くカチリ、とパズルのピースが嵌まった気がした。

「!…じゃ、じゃあ、やっぱり、あの魔法は闇魔法だったんですね。」

ずっと引っかかっていた。ルーファス様は、闇の属性持ちでしか扱えない魔法を使っていた。
本音を引き出す魔法といい、あの男に尋問した記憶干渉の魔法。
あれは、今では廃れている魔法だ。だって、あれは闇魔法の一種で、闇の属性持ちにしか使えない。
あの魔法はかつては、尋問や事情聴取に使われていた魔法であったと魔法史にも書かれていた。
でも、まさか、ルーファス様が闇の魔力に目覚めるだなんて想像もしていなかった。

「言うのが遅くなってすまない。まだ自分の中でしっかりと魔力をコントロールできる自信がなかったんだ。俺自身も少し混乱していることもあって…。だが、いつまでも隠し通せることはできないし、君には知って欲しいと思って…、ッ!」

リスティーナは嬉しくて、勢いよくルーファスに抱き着くと、

「凄いです!ルーファス様!」

そのままギュッとルーファスを抱き締める。

「良かった…!ルーファス様が今まで苦しんでいたことは無駄じゃなかった…。あれには、ちゃんと、意味があったんですね。本当に、良かった…!」

ずっとずっと苦しんでいたルーファス様。それでも、彼はずっと耐えてきたのだ。
あの日々は…、決して無駄ではなかった。その頑張りが報われた気がして、リスティーナは嬉しくて仕方がない。
凄い…!やっぱり、ルーファス様は凄い。
闇の勇者に選ばれたのは、ルーファス様が逃げずに努力したからこそだ。
ルーファス様は最後まで諦めなかった。ずっとずっと戦ってきたからこそ、今がある。
リスティーナはそんなルーファスを心から尊敬した。

「おめでとうございます…!ルーファス様。」

リスティーナはルーファスを見上げて、ふわりと花開くように笑った。
ルーファスはそんなリスティーナの笑顔に見惚れながらも、フッと目を細めると、

「…ああ。ありがとう。」

「今夜はお祝いですね!私、早速、ルカ達に報告してきます。」

そう言って、リスティーナはいそいそと立ち上がるが、そんなリスティーナの手首をルーファスが掴んだ。

「?ルーファス様…?」

「リスティーナ…。それは今すぐにしないと駄目か?」

「え?わっ…!?」

急にグイッと腕を引かれ、リスティーナはバランスを崩し、ルーファスに倒れ込みそうになる。
いつの間にか、ルーファスの手がリスティーナの後頭部に回り、

「んっ…!」

チュッと音を立てて、唇を塞がれる。そのまま深いキスへと変わっていく。

「ふっ…、あ、ぁッ……、ちょ、…ルー、ファス、様…。」

身も心も蕩けそうなキスにリスティーナは身体から力が抜ける。
そのままソファーに倒れ込んでしまい、ルーファスの腕の中におさまる。

「君が欲しい…。」

「っ!」

その言葉の意味が分からない程、リスティーナは子供ではない。

「で、でも、まだ外は明るいですよ?」

「別に時間は関係ないだろう。」

「へ?そ、そうなんですか?」

こ、こういうのをするのはてっきり、夜だけなんだとばかり…。
そ、それより、どうして急にこんな…。
あわあわと混乱しているリスティーナにルーファスはどこか不安そうな表情を浮かべると、

「嫌か?俺とそういうことをするのは。」

「ち、違います!い、嫌じゃなくて…、その…、急に言われてびっくりしただけで…。」

リスティーナの言葉にルーファスは安堵したように笑った。
その表情にリスティーナはキュン、とした。
ルーファスはリスティーナの髪に手を伸ばすと、指を絡める。そのまま毛先に唇を落とす。
髪にキスをされただけなのにリスティーナはドキドキしてしまった。

「君の笑顔を見たら…、急にしたくなった。」

そんな風に言われてしまったら、リスティーナに拒むことなんてできなかった。
リスティーナは同意を込めて、ルーファスの両頬に手を添えると、チュッとキスをした。
それを同意と受け取ったルーファスはリスティーナをそっと優しく押し倒した。




「え!?それは本当なの!?アリア!」

「シッ!スザンヌ。誰に聞かれるか分からないんだ。もう少し声を落とせ。」

「ご、ごめん…。」

アリアから聞いた話にスザンヌは驚いて、思わず声を上げてしまった。
慌てて、ひそひそと囁き声でアリアに確認する。

「もしかして、クリス様が王宮を離れて、仕事していたのって…。」

「ああ。ヘレネ様の命令でずっと匿っていたんだよ。冒険者の稼業を隠れ蓑にしながら、水面下でずっと動いていたんだ。本当はもう少し先にする予定だったらしいが…。色々と計画が狂って、こうなったらしい。」

「あたし、てっきり、クリス様が長期赴任したのは、ニーナ様の執着と束縛があまりにも激しいから距離を置かれたのだとばかり…。」

「勿論、それもある。けど、そんな事、あのクリス様に面と向かって言えないだろう。だから、それを建前にして、クリス様を他国に行かせるように仕向けたんだよ。とりあえず、物理的に距離を取れば、あの激重感情も緩和するだろうって…。」

「緩和するどころか、悪化している気がするのはあたしの気のせい?」

「…気のせいじゃない。あれはもう無理だと思うぞ。ああいうタイプの男は惚れたら、最後、骨の髄までしゃぶりつくすからな。」

「アリアが言うと、説得力があるわね。」

スザンヌはアリアの婚約者のヒューバートを思い出して、心底、同情めいた眼差しを向けた。

「おい。やめろ。その目。言っておくけど、自分はまだ諦めてないからな。確かにヒューバートは今の時点では自分に夢中だが、その対象を他に向ければあるいは…、」

「いや。無理でしょ。」

スザンヌはアリアの言葉をばっさりと切り捨てた。
ないない。あのヒューバート様がアリア以外の女を好きになる?
そもそも、あの人、アリアと出会うまでは超絶女嫌いで有名だったし、あまりの潔癖さに男色家なのでは?と噂されていた位だ。
更には、あのエルザとリスティーナ様を前にしても、毛程の興味も持たなかった男だ。
むしろ、アリアと仲が良いリスティーナ様に嫉妬してた位だし。
ちなみにクリスとはニーナの夫である。つまりは、エルザの父親だ。

「それより、これからのことだけど…、今の話、ティナ様には話さなくていいの?」

「とりあえず、今は、伏せておいた方がいいってニーナ様が言ってた。どこかで情報が洩れたりすれば、ティナ様が危ない立場になるからな。でも、いずれは引き合わせるつもりだ。ティナ様もこのことを知ったら、きっと喜んでくれるだろうし。」

「そりゃ、そうよ。だって、ティナ様はあんなにも…。」

「しっ!誰か来る。」

アリアがスザンヌに黙る様に手で制した。
スザンヌも慌てて、口を閉ざした。
その時、扉が叩かれる音がした。入室を許可すると、ルカが入ってきた。

「スザンヌ。ロジャー様とリリアナが帰ってきましたよ。」

ロジャーは所用で、リリアナは買い出しに出かけていた為、屋敷を留守にしていた。
その為、今までの騒動を二人は知らない。

「そう。二人共、驚いていたでしょ?」

「ええ。そりゃもう…。でも、無事だと知って、安心してました。」

「あ、そうだ。そういえば、あんなことがあった後だから、アリアを紹介していなかったわよね。アリア。この子がルカ。ルーファス殿下の従者よ。」

「ああ。確か、水の魔力持ちの…。」

スザンヌやリスティーナからルカの話は聞いていたアリアは名前だけは知っていた。
話には聞いていたが、本当に女みたいだと口に出しそうになったが、リスティーナの手紙で本人は女の子らしい見た目を気にしているからそれは口に出さないであげて欲しいという文面を思い出し、慌てて、喉元まで出かかった言葉を呑み込んだ。
アリアは無難にルカに自己紹介し、ロジャー達とも挨拶を交わした。




ソファーから寝室に移動したルーファスは腕の中にいるリスティーナの寝顔を飽きることなく見つめていた。可愛いな…。その時、ノックをする音がした。

「殿下。少しお時間よろしいでしょうか?」

「爺か。どうした?」

「リスティーナ様はどちらに?」

「リスティーナなら、寝ている。何か用か?」

「いえ。リスティーナ様の耳には入れたくない内容ですので…。」

「何かあったのか?」

「実は…、メイネシア国について調べて分かったことがあるのですが…、リスティーナ様の亡くなられた母君のヘレネ様についてお耳に入れておきたいことがありまして…。」

「リスティーナの?」

ルーファスはリスティーナが深く寝入っているのを確認し、寝室の扉をしっかりと閉めた上で防音魔法を施した。
そして、ロジャーに話を促した。その内容にルーファスは眉を顰めた。

「リスティーナの母親が…?それは事実なのか?」

「はい。実際に王宮では一部の人間からメイネシアの毒華と呼ばれる程、恐れられていたそうです。ですので、その噂も限りなく真実に近いかと…。」

「まるで別人だな。リスティーナから、そんな話は聞いたことがない。それに、彼女から聞く母親は…、毒華と呼ばれる女とは似ても似つかない女性だ。」

リスティーナが語る母親は穏やかで優しく、大人しい女性だったと聞く。
話を聞く限り、ヘレネはリスティーナを心から愛していて、慈しんでいる様子だった。
そんな女性が…、毒華と呼ばれていた?とても信じられない。
いや…。でも、もしかしたら…、ルーファスは一つだけ心当たりがあった。
リスティーナが温室に入っただけで取り乱したことといい、毒花を育てていることといい、何か関係があるかもしれない。

「こちらがその調査報告書になります。」

「ああ。ありがとう。それと、今の話はくれぐれもリスティーナの耳には入れないようにしてくれ。」

「承知いたしました。」

ルーファスの言葉にロジャーは深々と頭を下げた。
母親を慕っているリスティーナがこのことを知ったら、きっと深く悲しむ。
真相が明らかになるまでリスティーナには伏せておいた方がいい。
そう結論付けて、ルーファスは資料に目を通した。
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みんなの感想(6件)

たむ
2022.10.18 たむ

ううう( т т )おかえりルーファス、、

林檎
2022.11.08 林檎

ありがとうございます!
やっと、ここまできました。
色々と話を練り込んだら、こんなにも長くなってしまいました…。
引き続き、読んで下さると嬉しいです♪

解除
たむ
2022.08.17 たむ

ひそかに更新を1番楽しみにしている作品です( ᵕᴗᵕ )次のお話が待ち遠しいです!

林檎
2022.08.30 林檎

感想ありがとうございます!
引き続き、本作を楽しんで頂けると嬉しいです!

解除
サッタン
2021.10.12 サッタン
ネタバレ含む
林檎
2021.10.15 林檎

感想ありがとうございます!
とっても嬉しいです♪
励みになります。

解除

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