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第四章 覚醒編

ルーファスの過去

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さ、酸欠で死ぬかと思った…。
リスティーナはキスの余韻でぐったりとしながら、ルーファスと一緒に遅めの昼食を摂っていた。
こんなにゆっくりとした食事を過ごせるのは、久しぶり…。
リスティーナはまだ病み上がりなので卵粥を、ルーファスは牛肉のグリル焼きを食べていた。

「リスティーナ。それだけで足りるのか?もし、食欲がありそうなら、他にも用意させるが…、」

「大丈夫ですよ。これだけで十分です。それに、ちゃんとデザートもありますし。」

リスティーナはデザートにと用意されていた林檎のコンポートを指差した。

「それなら、いいが…。足りなければすぐに言うんだぞ。君はただでさえ食が細いんだ。少しでも食べた方がいい。」

「ありがとうございます。ルーファス様。」

ルーファスの気遣いが嬉しくて、リスティーナは微笑んだ。
それにしても…、リスティーナはルーファスの皿に視線を向けた。
ルーファス様…。前よりも食事の量が増えている。
良かった。ルーファス様は出会った時から食が細いから心配していたけど、やっぱり、それは呪いのせいだったんだ。人並み以上に食べるルーファスの姿を見て、リスティーナはホッとした。

「で、殿下…。あの、まだ食べられるんですか?」

給仕をしていたルカが空になった籠を見て、そう訊ねる。
籠の中には元々、パンが盛りだくさん積まれていたのだ。
それをほぼ一人で平らげたルーファスは口直しにワインを飲みながら、何でもないように、「ああ。」と答える。
ちなみにルーファスの目の前には積み上げられた皿の山もある。

「今まで小鳥の餌みたいな量しか食べていなかった殿下がこんなにも食欲旺盛になるだなんて…。」

「お前だって、よく食べるだろう。」

「いや。まあ…。そりゃそうですけど…。今まで碌に食事をしなかった殿下がまさか、こんなに食べるだなんて思ってもみなかったといいますか…。」

そういえば、ルカは小柄で華奢な身体の割に意外とよく食べるんだった。
痩せの大食いってタイプなのかもしれない。エルザと同じだ。
魔力が強い人間は食欲旺盛だというし、それと関係しているのかもしれない。
魔力を使うと、その分、体力を消耗する。
その為、魔力を維持するためには栄養を補給することが必要不可欠。
魔力保持者にとって食事は死活問題だ。空腹状態のままだと、十分に魔法を使う事ができないからだ。

「良かったですね。ルーファス様。私、嬉しいです。ルーファス様がたくさん食べている姿を見ていると、ホッとします。」

「こうして、食事ができるようになったのも君のお蔭だ。そういえば、俺が療養中も君がよく料理を作ってくれたな。あのスープや手作りのパンもとても美味かった。」

「本当ですか?嬉しいです。良ければ、また作りますね。」

「いいのか?無理をする必要はないんだぞ。」

「大丈夫ですよ。私は料理を作るのが好きなんです。それを食べて美味しいと言ってくれたり、喜んでくれると思うと、とても幸せな気持ちになるんです。ですから、全然、苦じゃありませんよ。次はルーファス様の好きな物を作りますね。」

「ああ。ありがとう。リスティーナ。だが、君はまだ病み上がりなんだ。今は身体をゆっくりと休めて、また元気になってから作ってくれ。」

「はい。ありがとうございます。ルーファス様。」



和やかな食事の時間を過ごし、リスティーナは食後のお茶をルーファスと楽しんだ。
その時、換気の為に開けていた窓から風が入り、カーテンがフワッと揺れた。部屋に入ってきた風でルーファスの髪が靡いた。
わあ…。リスティーナは思わずルーファスに見惚れた。
こうして、近くで見ると、やっぱり、ルーファス様ってすごくかっこいい…。
リスティーナは胸がドキドキした。
それに…、リスティーナはジッとルーファスを見つめた。
視線に気づいたルーファスがリスティーナに目を合わせた。

「どうした?俺の顔に何かついているのか?」

カップをソーサーに戻すその仕草すら美しくて、様になる。また、ボーと見惚れてしまいそうになった。
ルーファスに声を掛けられたことでリスティーナはハッと我に返った。

「ご、ごめんなさい!ジロジロと見てしまって…、ただ、その…、る、ルーファス様が…、あまりにもかっこよくて、見惚れてしまって…。」

ルーファスは目を瞠り、意味を理解すると、少し頬を赤くすると、照れたように口元を手で覆った。

「そ、そうか…。」

二人の間に沈黙が流れる。でも、それは決して気まずい空気ではなく、むしろ、心地よく温かいものだった。

「それに…、何だか…、ルーファス様の顔にどこか見覚えがあったような気がして…。」

これは本当だ。ルーファスが目覚めた時から感じていた違和感…。でも、どこで見たのかが思い出せない。

「それは、多分…、祖父の肖像画を見たからじゃないのか?前に見せただろう。俺の祖父の肖像画を。」

「あっ!」

思い出した。リスティーナはやっと違和感の正体に気付いた。そうだ。どうして、気付かなかったんだろう。
先代皇帝ケルヴィンとルーファス様はそっくりの容姿をしているというのに。
見覚えがあったのはこのことだったんだ。

「ルーファス様はお祖父様似だったのですね。」

そういえば、ハロルド皇帝にもヨランダ王妃にもルーファス様は似ていない。
でも、生まれた子供が必ずしも親に似るとは限らないし、ルーファス様のように祖父母に似たり、親戚の叔父と叔母に似るという例もある。
正直言って、美しさなら、ハロルドやヨランダよりもケルヴィン皇帝の方が遥かに上だ。
ルーファス様がこれ程の美形なのは祖父に似たからなのだろう。
だが、ルーファスは表情がどことなく暗く、自嘲的だった。

「ああ。…この容姿のせいで昔から、祖父と比べられてきた。」

ポツリと話された声にリスティーナはハッとした。ロジャーから聞かされた話を思い出したからだ。
ルーファス様はケルヴィン皇帝の再来だと言われ、周りから期待と重圧をかけられてきた。
私はてっきり、ルーファス様がケルヴィン皇帝の再来だと言われていたのは、ケルヴィン皇帝のように豊かな才能を持っていたからだと思っていた。でも、それだけじゃなかったんだ。
ロジャー様も言っていたじゃない。先代皇帝の面影が強いルーファス様をかつての主人と重ねていたと。
それは容姿の事も含まれていたんだ。
ケルヴィン皇帝はあらゆる分野で秀でた才能を持った天才肌の人間だったと聞く。そんな人と比べられ続けて、ルーファス様はどんな幼少期を過ごしてきたのだろう。

「私…、ロジャー様から聞きました。ルーファス様はずっとお祖父様と比べられ続けてきたと…。」

「爺が…?そうか…。」

ルーファスは数秒、黙り込んだままだったがやがて、ゆっくりと口を開くと、

「リスティーナ…。少し、俺の話に付き合ってくれるか?」

「はい。勿論です。」

リスティーナが頷くと、ルーファスは話しだした。

「君の言う通り…、俺は物心ついた頃からずっと祖父と比べられてきた。正直言って…、息苦しかった。
祖父が完璧な人だった分、余計に苦しかった。勉強は嫌いじゃなかったし、学ぶことも苦ではなかったが…。ただ、何をするにしても死んだ祖父と比べられ続けて…、息が詰まりそうになった。子供の頃は、祖父を恨んだ時期もあった。」

そんな事が…。だから、あの時…、あんなに苦しそうな顔を…。
リスティーナはやっとルーファスのあの時の表情を理解した。
ケルヴィン皇帝の肖像画を見せてくれた時にルーファス様の横顔が忘れられなかった。
それに、聞き取れるか聞き取れないか位の小さな声でぽつりと呟いていた。
完璧すぎて、嫌になる、と。

そういうことだったんだ。
ルーファス様はケルヴィン皇帝に似ているというだけで過度な期待と重圧をかけられ、そんな中でずっと生きてきたんだ。それでも、逃げなかったルーファス様はとても強い人だと思った。

「前に話したことを覚えているか?父上と母上は祖父を嫌っていたということを。」

「はい。覚えています。」

ケルヴィン皇帝の肖像画を見せてもらった時にルーファス様が話してくれた。
ハロルドは実の父親に劣等感を抱き、ヨランダはオッドアイを嫌悪していたため、ケルヴィン皇帝を嫌っていたのだと。

「あの…、もしかして…、皇帝陛下と王妃様は…、」

まさか…、陛下と王妃様は…、呪いがかかる前からルーファス様を…?
ケルヴィン皇帝に瓜二つの容姿を持って生まれたルーファスにあの二人がどんな風に接していたかなんて大体の想像はつく。でも、まさか、そんな事…、

「俺は物心ついた頃から父上と母上に疎まれていた。父上は俺を避けていたし、母上は俺を見れば、化け物と罵倒した。まあ、それは今でも変わってないが。」

「そんな…!ルーファス様は実の子なのに、どうして、そんな酷い仕打ちを…、」

「俺が祖父似のオッドアイだからだろう。」

ルーファスは平然とそう答えた。子供の頃から、両親に酷い仕打ちを受け、傷ついている筈なのにそんな様子を見せないルーファスにリスティーナは胸が痛んだ。

「そんな、そんな理由で…?子供を守るべき親が逆に子供を傷つけるなんて…!」

子供を守るのは親の務めであり、責務だ。親は子を愛し、全身全霊で守り抜く。
母の背中を見て、育ったリスティーナはそう思う。だから、私ももし、母親になったら母の様になりたいと思った。それなのに…、ルーファス様の親は守るどころか傷つけた。親として、人としても間違っている。

「そうだな…。普通、親は子供を守るものだ。…だが、俺の親はそうではなかった。まあ、王族や貴族ではよくある話だ。」

ルーファスは淡々と何でもないことのように言った。
一番辛いのは、ルーファス様なのに…。

「子供の頃はどうして、父上と母上が俺を嫌うのか分からなかった。まだ子供だった俺はどうにか二人に振り向いて欲しくて、勉強や剣術、魔法の腕を磨いたりもした。そうすれば、二人が俺を認めてくれるんではないかとありもしない幻想を抱いたりもしてな。」

「ルーファス様…。」

子供が親を慕うのは当たり前のことだ。誰だって両親に愛されたいと願う。でも、その純粋な心をあの二人は踏みにじった。ひどい…!ひどすぎる…!どうして、そんな残酷な事を平気でできるのだろう。

「…俺は兄上やイグアスが羨ましかった。両親どちらにも愛されて、期待をされている。だから、俺も何かに秀でた才能があれば認められるのではないかと思ったんだ。だが…、テストで満点を取っても、語学を習得しても、剣術で兄上に勝っても、魔法を発動させて見せても…、何も変わらなかった。むしろ…、父上からは酷い折檻を受けたりもした。」

「折檻!?ど、どうしてですか!?どうして、勉強の成果を上げたのに、そんな罰を受けなければならないんですか!?」

リスティーナは平民の血を引いた王女だったから、王妃やレノアに言いがかりをつけられ、ストレス発散の道具として、鞭で打たれたり、折檻を受けた覚えはある。でも、どうして、ルーファス様が…?

「父上は俺が魔法を披露したり、出された問題を全問正解したのを見ると、いつも怒って手を上げていたんだ。生意気だとそう罵ってな。」

「なっ…!」

「恐らく、父上は俺を通して、祖父を見ていたんだろう。祖父のように自分を超える存在になるのではないか。いつか、自分から王位を簒奪するのではないかと疑心暗鬼に駆られていたんだ。父上は自分が一番でないと気が済まない性格だからな。だから、自分より下の存在には優しい。兄上やイグアスに甘いのはそれが理由だ。…だが、幼い俺は父上のその感情に気付かなかった。気付いていたら、とっくに見切りをつけて、無駄な期待をすることもなかったんだがな。」

「ルーファス様…。」

ルーファス様が努力をして、健気にも頑張ったというのに…。
どうして、実の子にそんな仕打ちができるのだろう。実の子供に嫉妬をして、その才能を認めてあげないだなんて…。
知らなかった。
ルーファス様は呪いに罹る前から実の親に疎まれていたんだ。
リスティーナはキュッとルーファスの手を握り締めた。そんなリスティーナにルーファスは優しく微笑むと、

「そんな顔をするな。もう過去の事だ。」

「ルーファス様。無理にそんな事を言わなくても…、」

「本当にもう気にしてないんだ。確かに昔は父上と母上に愛されたいと願ったこともあったが…、今はもうどうでもいい。俺にとってあの二人は俺を産んでくれた存在というだけで、もう父上にも母上にも何も感じないんだ。俺も薄情なものだな。実の親に対して、こんな感情を抱くなんて。」

そう言って、自嘲するルーファスにリスティーナは首を横に振った。

「そんな事ありません。ルーファス様は誰よりも優しい人です。だけど、どれだけ優しい人でも聖人君子と呼ばれた人でも愛情というのは無限ではありません。花だって、水をやらないといつかは枯れてしまいます。それと同じです。陛下と王妃様は…、ルーファス様に愛される機会を自ら潰してしまっただけです。だから、気にすることはありません。ルーファス様がご両親に対して情を失ってしまったのはルーファス様のせいじゃありません。」

「リスティーナ…。」

ルーファスはフッと笑って、目を細めた。

「ありがとう…。君はいつも俺の心を軽くしてくれるな。」

そっ、とルーファスはリスティーナの頬に触れた。

「俺はもう父上や母上に愛されなくてもいい。俺には君がいるからな。」

ルーファスはリスティーナを穏やかな眼差しで見つめる。その目に未練や迷いの色はない。

「それに、俺には爺も、ルカもロイドもリリアナもいる。俺を慕ってくれる者がこんなにもいるんだ。それだけで十分だ。」

「ルーファス様…。」

嬉しい…。ルーファス様の中で私がそこまで大きな存在になっているだなんて…。
こんな幸せな事はない。私にとってルーファス様はとても大切で特別な存在だ。
ルーファス様にとって、私も同じように特別な存在であったらいいな。
リスティーナはそう願った。
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