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第四章 覚醒編

老婆の正体

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路地裏の一角にて…、一人のみすぼらしい老婆が佇んでいた。
老婆はそっと自分の掌に視線を落とした。
その手には、白いハンカチが包帯のように巻かれていた。老婆は目を細めた。

「本当によく似ているね。…ペネロペに。」

老婆は思いを馳せるように空を見上げた。
老婆の脳裏に黒髪の美しい少女の姿が思い浮かんだ。
あの子もそうだった。こんな姿をした自分を見ても、嫌悪することなく、優しく声を掛け、手を差し伸べてくれた。

『大丈夫ですか?おばあさん。どこか具合でも悪いのですか?』

『まあ…。それはお困りでしょう。よければ、うちに泊まって行って下さい。狭い家で申し訳ないですけど…、』

そう言って、皺だらけの老婆の手を取り、少女は自分の家に招いてくれた。
冬を越す為にとためていた薪を使って、火を起こし、部屋を温めてくれた。
僅かしか残っていない食料で料理を作り、自分は食べずに老婆と妹と弟の分の食事を用意してくれた。
自分はもう先に食事をすました、と嘘を吐いて。

『わたしは弟と妹に夕食を持っていくのでおばあさんはゆっくり召し上がってください。』

少女は病弱で身体の弱い妹と片手の不自由な弟の世話をしていた。
朝早くから起きて、畑仕事をし、働けない弟と妹の看病をして、家事をこなす毎日…。
貧しい暮らしをして、決して楽な生活ではない。それでも、少女はいつも朗らかに幸せそうに笑っていた。

『生活は楽ではないですけど…、でも、私は幸せですよ。だって、私にはルヴィアとルークが…、大切な家族がいますから。』

そう言って、笑う少女は誰よりも美しく、綺麗だった。
少女は妹と弟を誰よりも深く愛し、大切にしていた。それこそ、我が身を犠牲にしようとする程に…。

『…ルヴィア。ルーク。分かって頂戴。これが一番いい方法なのよ。私が妾として嫁げばあなた達にもっといい暮らしをさせてあげられるし、美味しい物だってたくさん食べられるのよ。治療費も全て領主様が出して下さるっていうし…。』

少女は領主の息子に見初められ、妾として嫁ぐことが決まっていた。それを猛反対する妹と弟を説き伏せる少女。彼女は本心を隠して、気丈に振る舞っていた。

『願いですか?…そうですね。すぐには決められないので難しいです。私は欲張りなので願い事がたくさんあるんですよ。例えば?えーと、ルビアが早く元気になって欲しいとか、ルークの手がよくなるようにとか、後、二人に美味しい物を食べさせてあげたいです。それから…、』

少女は自分自身の願いは言わず、妹と弟の為に何かをしたいといった願いしか口にしなかった。
誰よりも真っ直ぐで清らかな魂を持った少女。それがペネロペだった。
やはり、この子に全てを託して間違いはなかった。あの時、そう確信した。
この子が私を信じてくれたように私もこの子の想いに答えよう。
だからこそ、ペネロペにペンダントを託したのだ。
老婆は首元に下げていたペンダントを外した。それは、リスティーナが持っているペンダントと同じ太陽の形をしたペンダントだった。ペンダントの石が太陽の光に反射して、キラッと光る。
夫が私にくれた大切な宝物…。ペンダントを掌に乗せ、老婆は幸せそうに微笑んだ。

その時、老婆の背後から体格のいい男達が現れた。手には鈍く光るナイフを持っている。
老婆がそっと振り返ると、ニヤニヤと品の悪い笑みを浮かべた男達が周りを取り囲んでいる。

「おい。そこの薄汚れたばあさんよ。見たところ、金は持ってなさそうだが、そのペンダント随分と値が張りそうだなあ?通行料代わりに置いて行けよ。」

断わられるとは思っていないのだろう。自分達が有利な立場であると分かった上での態度だ。
いつの時代もこういう人間はいるのだなと、老婆は内心呆れた。

「…止めておきなさい。今なら、まだ間に合います。今すぐ武器を仕舞ってこの場を去りなさい。」

「ああ?おい、聞いたか?このばあさん、俺達に帰れとほざいてるぞ。」

「まさか、自分の置かれた状況が分かんねえのかあ?」

「頭がボケているんじゃねえの?」

ゲラゲラと笑う男達に老婆は溜息を吐いた。

「忠告はしましたよ。聞かなかったのはあなた方です。」

「ああ?何言ってやが…、」

その時、目の前に白い閃光が走った。その光を見た男達はあまりの眩しさに思わず目を覆った。

「うっ…!」

「な、何だ!?今の光は…!?」

「ま、眩し…!」

老婆の傍に誰かが寄り添うように立った。
見上げれば黄金の髪を靡かせた美丈夫がこちらに微笑みかけて立っている。

「ティア。大丈夫か?」

「ラファエロ。どうして、ここに?」

「マレスから君が下界に降りたと聞いて、慌てて迎えに来たんだ。人間の男共が美しい君を見たら、どんな目に遭わされるか分かったものじゃない。何も酷い事はされていないだろうな?」

「…ラファエロ。あなた、今の私の姿を見ても、同じ事が言えるの?」

老婆が呆れた口調でそう問いかけるが、ラファエロと呼ばれた黄金の美丈夫は笑顔で頷き、

「ああ。勿論だ。君は老いてもなお美しい…。だから俺は心配なんだ。案の定、早速、欲深くも浅ましい男共が君に手を出そうとするし…。」

そう言って、ラファエロは老婆に向けていた穏やかな笑顔と一変し、老婆に絡んでいた男達をギロッと睨みつけた。が、男達は皆、目を押さえ、蹲っていた。

「ううっ…!め、目が見えない…!」

「ちくしょう!目の前が真っ暗だ…!何も見えねえ!」

「だ、誰か助けてくれえ!」

視界を奪われた男達は混乱し、手探りで歩くことしかできない。そんな彼らをラファエロは今にも人を殺しそうな目つきで睨みつけ、

「人間の分際で俺の妻に手を出そうとするとは…、」

「ラファエロ。この人達はまだ何もしていないわ。それにあなたは勘違いをしているわ。彼らは金目の物を奪おうとしただけで私をどうこうする気はないの。まあ、こんな老いぼれなんかを相手にする男なんていないでしょうし…。」

「何だと!こいつら、君から強奪しようとしたのか!これだから、人間は嫌いなんだ!ティアの慈悲深さで生かされているというのに何と恩知らずな…!」

ラファエロを止めようとする為に老婆は事実を話したが、それは逆効果となった。
こうなることが分かっていたから、ラファエロには黙って一人で来たのに…。
老婆はハア、と溜息を吐いた。その時、ラファエロの手が光に包まれる。
その光がどんな威力を持つかよく理解している老婆は思わず声を張り上げた。

「止めなさい!ラファエロ!」

老婆の身体が金色の光に包まれる。すると、老婆の姿は一瞬で若く、美しい女性に変わった。
背中まで流れる髪は美しい白金色。桃色の瞳は澄んだ瞳をしていて、まるで吸い込まれそうな色をしている。この世の者とは思えない美しさを持つ女性がその場に立っていた。
もし、男達の目が正常であったなら、驚愕し、見惚れていたことだろう。
残念ながら、男達の目は先程、ラファエロの力によって閉ざされてしまい、その目で見る事は叶わない。
本来の姿に戻った妻の言葉にラファエロは動きを止め、手を下ろした。

「ティア…。」

「彼らはもう十分、罰は受けたわ。命まで奪う必要はない。」

「…分かった。君がそう望むのなら…。」

そう言って、ラファエロは渋々といった様子で手を出すことを止めた。

「ラファエロ。彼らの目を元に戻してあげて。」

「一時的に視力を失っただけで時間が経てば治るさ。」

「そう…。良かった。」

「それより、もう目的は果たしたのだろう。なら、早く帰ろう。こんな場所にこれ以上、君がいる必要はない。」

「分かったわ。帰りましょう。天界に…。」

ラファエロが手を差し出す。ティアは夫の手にそっと自分の手を重ねた。すると、二人の身体は白い光に包まれる。そして、二人の姿はその場から消えていなくなっていた。



ラファエロに抱えられ、地面に降り立った。

「着いたぞ。ティア。色々あって疲れただろう。ゆっくり休むといい。」

「…ラファエロ。その前に私に何か言う事があるのではないの?」

「何か?」

「私の所に来る前にあなたが何をしていたか…、そう聞けばいいのかしら?」

妻の言葉にラファエロは気まずそうに目を逸らした。

「殺してはいない。ただ、少し痛い目に遭わせただけだ。」

「全治一年もかかる怪我は少しとはいわないわ。」

「あの男は君を突き飛ばした挙句、君に怪我をさせたんだぞ。」

「ただの掠り傷だったわ。それに、この姿に戻れば、傷なんて一瞬で治るのだから。」

シュル、と手に巻いたハンカチを解くと、その手をラファエロに見せた。その手は傷一つなく、白く、きめ細かな肌をしていた。

「例えそうだったとしても、君に怪我をさせた事実は変わらないだろう。女神である君に傷をつけた罪は重い。」

太陽神である夫、ラファエロはいつもは冷静沈着で感情的になる性格ではない。
けれど、何故か自分が絡むと過剰な位にやり過ぎてしまう時がある。
自分を突き飛ばし、掠り傷を負わせただけの男に全治一年の怪我を負わせる位だ。
罰が重すぎるような気はするがそれも自分の為にしてくれていることだと思うと、それ以上責めることができなかった。

「ガウ!」

その時、一頭のホワイトタイガーが駆け寄ってきた。
甘えたように擦り寄るホワイトタイガーにティアは微笑んだ。

「まあ。わざわざ出迎えに来てくれたのね。優しい子…。」

頭を撫でると、ホワイトタイガーはグルル、と喉を鳴らした。
そっ、とホワイトタイガーの額に触れ、その目を通して、何が起きたのかを視た。

「ちゃんとお使いもできて、いい子ね。」

「やはり、待ち伏せていたのか?」

「ええ。でも、リスティーナはちゃんと私の忠告を聞いてくれたわ。お蔭であの子達は無事よ。」

「そうか。良かったな。これで君の目的は一つ達成できたという訳だ。」

「でも、問題はこれからよ。あの子が私のメッセージに気付いてくれるといいのだけれど…。」

「ティア…。君がペネロペの子孫であるあの子を気に掛ける気持ちは分かる。でも、あの子は君への信仰心を失いつつある。それなのに、どうして、そこまでするんだ?」

「必要な事だからよ。私はもうあの子に絶望を味合わせたくないの。あの子の願いを私は叶えることができなかった。」

「あれは君のせいじゃないだろ。」

「あの子はそれを知らないわ。それに、私はヘレネと約束したの。リスティーナを守ると…。」

「ヘレネ…。リスティーナの母親か。」

『お願いします…!どうか、あの子を…、リスティーナを守ってください!アリスティア様!』

病に侵され、ボロボロの身体でそう懇願するヘレネの姿が目に焼き付いて離れない。
ヘレネ…。私はあなたに…。
一度、目を閉じて、アリスティアは目を開けた。桃色の瞳に決意の色を宿して…。

「ラファエロ。私は今度こそ、あの子の願いを叶えてあげたい。その為に私はリスティーナに会いに行ったのだから…。」

「だけど、それには君への信仰心を取り戻さないといけない。今のあの子にそれができるとは…、」

「私はあの子に賭けたの。あの子はペネロペによく似ているもの…。だから、きっと、大丈夫…。」

私とペネロペの間に交わされた最古の契約…。
あの契約は巫女が自らの意思で選択することが条件となっている。
強制されたものでもなく、義務付けられたものでもなく、自分の意思で女神を信じる道を選ぶ。
それは簡単なようでとても難しい。巫女の人生は決して順風満帆なものではないからだ。
その血筋と宿命故に壮絶な道が待ち受けている。ペネロペや他の歴代巫女達がそうだったように…。
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巫女だって心がある人間なのだから…。
それでも…、リスティーナには私を選んで欲しい。

「ティア…。」

「天界の掟により、私はこれ以上、干渉することはできない。今の私にできる事はただ一つ…。リスティーナを見守ることだけ…。」

「俺も付き合うよ。ティア。」

「ラファエロ…。ええ。ありがとう…。」

心強い夫の言葉にアリスティアは微笑み、天界から下界を見下ろす。
リスティーナ…。どうか、もう一度だけ私を信じて…。
アリスティアは祈るような気持ちで天界からリスティーナを見守った。
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