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第三章 立志編
一年前の真相
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ジェレミアは気にするなとでも言いたげに首を横に振り、
「こんな事を言っても、言い訳にしかならないのですが…。本当は一年前のあの日に私はリスティーナ様に謝罪をしに行ったんです。さすがに兄上をあなたに会わせる訳にはいかなかったので代わりに私がと思いまして…、」
「皇女殿下が私に?ですが…、」
あの後、リスティーナは母とエルザ達以外には会っていない。
ハリト皇子に襲われかけたショックで暫く男性に会うのが怖くて、離宮にずっと引き籠っていたのだから。
その間、客人は一人も来なかった筈…。
リスティーナが首を傾げると、ジェレミアが気まずそうに視線を逸らし、
「その…、あなたの侍女に追い返されてしまって、謝罪をすることが叶わなかったのです。お詫びの品も突き返されてしまい…、」
「ええ!?」
そ、そんな事が…!?全然知らなかった。誰がそんな事…、あ。リスティーナはすぐにその侍女が誰だか分かった。
「もしかして、エルザが…?も、申し訳ありません!皇女殿下にご不快な思いをさせてしまったのなら謝ります!あの…、でも、エルザは…!」
「いいのです。あの侍女はエルザというのですね。とても主人想いのいい侍女ですね。あなたのことを必死に守ろうとしているのが分かります。それに、私はあなたを襲った男の妹です。あの侍女が私とあなたを会わせまいとするその気持ちはよく分かります。」
「す、すみません…。私、そんな事、ちっとも知らなくて…、」
まさか、そんな事があったなんて…!エルザったら一言私に言ってくれてもいいのに…。
いや。でも、あの時の私はとても人に会えるような状態じゃなかったし、エルザは私の為を想ってしてくれたことなんだよね…。
そう考えると、リスティーナはエルザに申し訳なく思った。私がしっかりしていれば、エルザにそんな苦労を掛ける事もなかったのに…。
情けない自分に落ち込んでしまう。
「今更な話ですが、もし良ければ、あの時の詫びの品を受け取って頂けないでしょうか?」
そう言って、ジェレミアは何もない空間に掌を向けると、突然、長方形の黒いベルベットのケースがポンッ!とあらわれた。
魔法だ。リスティーナは驚いて、目を丸くした。
瞬間移動の魔法。物体や人を移動させることができる魔法だ。
凄い…。エルザ以外で瞬間移動の魔法を使える人は初めて見た。
メイネシアの王宮魔術師でもこの魔法を習得した人はいなかったのに…。
「リスティーナ様?」
「ッ!あ、ごめんなさい!いきなり、箱があらわれたので驚いてしまって…、凄いですね!皇女殿下は瞬間移動の魔法が使えるのですか?」
「ええ。まあ…。」
確か瞬間移動の魔法は高度な魔法で魔力の高い人間しか使えないと聞いたことがある。
エルザも瞬間移動の魔法を習得するのにかなり訓練をして漸く使えるようになった位だ。
凄い…!皇女殿下は剣術だけでなく、魔法もできるだなんて…!
なのに、ジェレミアの反応は薄かった。
これだけ高度な魔法を使えるなら、普通ならもっと自慢してもいい位なのに…。
皇女殿下は謙虚な方なのね。
リスティーナがそう思っていると、ジェレミアはリスティーナの前でケースを開けた。
そこには黄金のチェーンが繋がったエメラルドの美しい首飾りが収められていた。
こ、こんな高そうな宝石初めて見た…。
リスティーナは思わずジッと首飾りを見つめた。これ、一体、幾らするんだろう…。
レノア王女や貴族令嬢達が見たら、凄く喜びそう。
「もしかして、気に入りませんでしたか?やっぱり、ダイヤモンドの方が良かったか…。」
「い、いいえ!気に入らないだなんてそんな事は…!ただ、あの…、あまりにも美しい宝石だったのでびっくりして…、」
まさか、こんな高価な物を贈られるとは思わず、リスティーナは焦った。
「あ、あの…、気持ちは嬉しいのですが、本当にお気になさらないでください。私は皇女殿下がわざわざ謝って下さっただけで十分ですから。それだけでもう…、」
「しかし…、それでは私の気が済みません。何かしてほしい事はありませんか?もし、何か望みがあれば言って下さい。できる限りの事はさせて頂きますので。」
望み…。リスティーナは一瞬、迷った。もし、できるなら…、皇女殿下とお友達になりたい。
この短時間でリスティーナはジェレミアに好感を抱いた。
自国にあまり友達がいなかったリスティーナは同性の友達に憧れを持っていた。
でも…、この人は帝国の皇族。私なんかじゃ釣り合わないよね。
きっと、こういう人には同じ高貴な血筋のお姫様や高位貴族のご令嬢がふさわしい。
リスティーナは内心の気持ちを押し隠して、微笑んだ。
「ありがとうございます。ですが、本当に大丈夫です。皇女殿下のそのお気持ちだけで十分です。」
「…そうですか…。」
ジェレミアは躊躇しながらも、リスティーナの言葉に頷いた。
そのまま黒いベルベットのケースはジェレミアの手の中で消えた。
す、凄い…。あんなに連続で魔法を使ってるのに皇女殿下は平気そうだ。
並の魔術師は魔法を少し使っただけで魔力切れを起こしたり、疲弊してしまうというのに…。
しかも、この人は詠唱を唱えずに息をするかのように自然に魔法を使っている。
それだけ、魔力が高いということだろう。
かっこいい…!まるでエルザみたい…。
リスティーナは羨望と尊敬の眼差しでジェレミアを見つめた。
「皇女殿下は魔法も得意なんですね。」
「…まあ、皇族ですからね。これ位、できて当然です。」
ジェレミアの言葉にリスティーナはキョトン、とした。
皇族だからできて当然?
「そうでしょうか?私はそんな事ないと思いますけど…。」
「え…?」
ジェレミアはリスティーナの言葉に顔を上げた。
「確かに魔法を使うためには生まれ持った魔力量が必要不可欠です。
でも、どれだけ才能や能力があったとしても、努力をしないと魔法は使えるようにはなりません。
皇族だって、人間なんですから。何もしないで完璧にできる人間なんていませんよ。」
あのエルザだって魔法を使えるようになるために人並み以上の努力をしていた。
魔法の知識を身に着ける為にたくさんの魔法書や書物を読み漁り、寝る間を惜しんで勉強していた。
エルザが勉強していたノートはボロボロでたくさんの文字や魔法陣が書き込まれていた。
魔法を習得するには魔力や才能だけじゃない。努力も必要不可欠だ。
ずっと努力を怠らなかったエルザを見ていたからこそ、リスティーナはそう思う。
エルザは生まれ持っての天才ではないが、努力型の天才だ。
きっと、この人もたくさん努力をしたんだろうな。
リスティーナはジェレミアに微笑んだ。
「皇女殿下は努力家なんですね。」
「…!」
ジェレミアは目を見開いた。そして、やや俯き、ギュッと膝の上に置いた拳を握りしめた。
「そんな事…、初めて、言われました…。」
「皇女殿下?あの…、どうしましたか?もしかして、気分でも悪いんじゃ…、」
リスティーナは声が震えているジェレミアに心配そうに声を掛けた。
ジェレミアは顔を上げると、ニコッと微笑んだ。
今まで一番綺麗な笑顔でリスティーナは思わず見惚れてしまう。
「何でもないんです。…お茶、美味しいですね。もう一杯頂いても?」
「は、はい!勿論です!」
リスティーナは嬉しそうに空になったカップにお茶を注いだ。
その時、扉を叩く音が聞こえた。
「はい。どうぞ。」
リスティーナの声に入室したのはロジャーだった。
「リスティーナ様。先程、殿下がお目覚めになりました。」
「ルーファス様が!?」
リスティーナはバッと長椅子から立ち上がった。
すぐに部屋から出て行こうとしたが、ジェレミア皇女殿下がいることを思い出し、一度立ち止まった。
そんなリスティーナにジェレミアは微笑んだ。
「私の事はいいですから。ルーファス殿下の元へ行ってあげて下さい。私も兄上の様子を見に行かなければならないので、そろそろ失礼しますね。」
そう言って、ジェレミアはお茶を飲んで立ち上がった。
「あ、ありがとうございます。皇女殿下。あの、じゃあ、お見送りを…、」
「大丈夫ですよ。見送りは結構ですから、殿下の元へ行ってください。」
「は、はい!」
リスティーナは笑顔でお礼を言って、急いで部屋を出て行き、ルーファスの元へ向かう。
が、一度引き返して、ジェレミアに話しかけた。
「あ、あの…!皇女殿下!短い間でしたけど、皇女殿下とお茶ができて凄く楽しかったです。素敵な一時をありがとうございました。」
そう言って、リスティーナはぺこり、と頭を下げると、そのままタタッと駆け足でルーファスの部屋へと向かった。
「こんな事を言っても、言い訳にしかならないのですが…。本当は一年前のあの日に私はリスティーナ様に謝罪をしに行ったんです。さすがに兄上をあなたに会わせる訳にはいかなかったので代わりに私がと思いまして…、」
「皇女殿下が私に?ですが…、」
あの後、リスティーナは母とエルザ達以外には会っていない。
ハリト皇子に襲われかけたショックで暫く男性に会うのが怖くて、離宮にずっと引き籠っていたのだから。
その間、客人は一人も来なかった筈…。
リスティーナが首を傾げると、ジェレミアが気まずそうに視線を逸らし、
「その…、あなたの侍女に追い返されてしまって、謝罪をすることが叶わなかったのです。お詫びの品も突き返されてしまい…、」
「ええ!?」
そ、そんな事が…!?全然知らなかった。誰がそんな事…、あ。リスティーナはすぐにその侍女が誰だか分かった。
「もしかして、エルザが…?も、申し訳ありません!皇女殿下にご不快な思いをさせてしまったのなら謝ります!あの…、でも、エルザは…!」
「いいのです。あの侍女はエルザというのですね。とても主人想いのいい侍女ですね。あなたのことを必死に守ろうとしているのが分かります。それに、私はあなたを襲った男の妹です。あの侍女が私とあなたを会わせまいとするその気持ちはよく分かります。」
「す、すみません…。私、そんな事、ちっとも知らなくて…、」
まさか、そんな事があったなんて…!エルザったら一言私に言ってくれてもいいのに…。
いや。でも、あの時の私はとても人に会えるような状態じゃなかったし、エルザは私の為を想ってしてくれたことなんだよね…。
そう考えると、リスティーナはエルザに申し訳なく思った。私がしっかりしていれば、エルザにそんな苦労を掛ける事もなかったのに…。
情けない自分に落ち込んでしまう。
「今更な話ですが、もし良ければ、あの時の詫びの品を受け取って頂けないでしょうか?」
そう言って、ジェレミアは何もない空間に掌を向けると、突然、長方形の黒いベルベットのケースがポンッ!とあらわれた。
魔法だ。リスティーナは驚いて、目を丸くした。
瞬間移動の魔法。物体や人を移動させることができる魔法だ。
凄い…。エルザ以外で瞬間移動の魔法を使える人は初めて見た。
メイネシアの王宮魔術師でもこの魔法を習得した人はいなかったのに…。
「リスティーナ様?」
「ッ!あ、ごめんなさい!いきなり、箱があらわれたので驚いてしまって…、凄いですね!皇女殿下は瞬間移動の魔法が使えるのですか?」
「ええ。まあ…。」
確か瞬間移動の魔法は高度な魔法で魔力の高い人間しか使えないと聞いたことがある。
エルザも瞬間移動の魔法を習得するのにかなり訓練をして漸く使えるようになった位だ。
凄い…!皇女殿下は剣術だけでなく、魔法もできるだなんて…!
なのに、ジェレミアの反応は薄かった。
これだけ高度な魔法を使えるなら、普通ならもっと自慢してもいい位なのに…。
皇女殿下は謙虚な方なのね。
リスティーナがそう思っていると、ジェレミアはリスティーナの前でケースを開けた。
そこには黄金のチェーンが繋がったエメラルドの美しい首飾りが収められていた。
こ、こんな高そうな宝石初めて見た…。
リスティーナは思わずジッと首飾りを見つめた。これ、一体、幾らするんだろう…。
レノア王女や貴族令嬢達が見たら、凄く喜びそう。
「もしかして、気に入りませんでしたか?やっぱり、ダイヤモンドの方が良かったか…。」
「い、いいえ!気に入らないだなんてそんな事は…!ただ、あの…、あまりにも美しい宝石だったのでびっくりして…、」
まさか、こんな高価な物を贈られるとは思わず、リスティーナは焦った。
「あ、あの…、気持ちは嬉しいのですが、本当にお気になさらないでください。私は皇女殿下がわざわざ謝って下さっただけで十分ですから。それだけでもう…、」
「しかし…、それでは私の気が済みません。何かしてほしい事はありませんか?もし、何か望みがあれば言って下さい。できる限りの事はさせて頂きますので。」
望み…。リスティーナは一瞬、迷った。もし、できるなら…、皇女殿下とお友達になりたい。
この短時間でリスティーナはジェレミアに好感を抱いた。
自国にあまり友達がいなかったリスティーナは同性の友達に憧れを持っていた。
でも…、この人は帝国の皇族。私なんかじゃ釣り合わないよね。
きっと、こういう人には同じ高貴な血筋のお姫様や高位貴族のご令嬢がふさわしい。
リスティーナは内心の気持ちを押し隠して、微笑んだ。
「ありがとうございます。ですが、本当に大丈夫です。皇女殿下のそのお気持ちだけで十分です。」
「…そうですか…。」
ジェレミアは躊躇しながらも、リスティーナの言葉に頷いた。
そのまま黒いベルベットのケースはジェレミアの手の中で消えた。
す、凄い…。あんなに連続で魔法を使ってるのに皇女殿下は平気そうだ。
並の魔術師は魔法を少し使っただけで魔力切れを起こしたり、疲弊してしまうというのに…。
しかも、この人は詠唱を唱えずに息をするかのように自然に魔法を使っている。
それだけ、魔力が高いということだろう。
かっこいい…!まるでエルザみたい…。
リスティーナは羨望と尊敬の眼差しでジェレミアを見つめた。
「皇女殿下は魔法も得意なんですね。」
「…まあ、皇族ですからね。これ位、できて当然です。」
ジェレミアの言葉にリスティーナはキョトン、とした。
皇族だからできて当然?
「そうでしょうか?私はそんな事ないと思いますけど…。」
「え…?」
ジェレミアはリスティーナの言葉に顔を上げた。
「確かに魔法を使うためには生まれ持った魔力量が必要不可欠です。
でも、どれだけ才能や能力があったとしても、努力をしないと魔法は使えるようにはなりません。
皇族だって、人間なんですから。何もしないで完璧にできる人間なんていませんよ。」
あのエルザだって魔法を使えるようになるために人並み以上の努力をしていた。
魔法の知識を身に着ける為にたくさんの魔法書や書物を読み漁り、寝る間を惜しんで勉強していた。
エルザが勉強していたノートはボロボロでたくさんの文字や魔法陣が書き込まれていた。
魔法を習得するには魔力や才能だけじゃない。努力も必要不可欠だ。
ずっと努力を怠らなかったエルザを見ていたからこそ、リスティーナはそう思う。
エルザは生まれ持っての天才ではないが、努力型の天才だ。
きっと、この人もたくさん努力をしたんだろうな。
リスティーナはジェレミアに微笑んだ。
「皇女殿下は努力家なんですね。」
「…!」
ジェレミアは目を見開いた。そして、やや俯き、ギュッと膝の上に置いた拳を握りしめた。
「そんな事…、初めて、言われました…。」
「皇女殿下?あの…、どうしましたか?もしかして、気分でも悪いんじゃ…、」
リスティーナは声が震えているジェレミアに心配そうに声を掛けた。
ジェレミアは顔を上げると、ニコッと微笑んだ。
今まで一番綺麗な笑顔でリスティーナは思わず見惚れてしまう。
「何でもないんです。…お茶、美味しいですね。もう一杯頂いても?」
「は、はい!勿論です!」
リスティーナは嬉しそうに空になったカップにお茶を注いだ。
その時、扉を叩く音が聞こえた。
「はい。どうぞ。」
リスティーナの声に入室したのはロジャーだった。
「リスティーナ様。先程、殿下がお目覚めになりました。」
「ルーファス様が!?」
リスティーナはバッと長椅子から立ち上がった。
すぐに部屋から出て行こうとしたが、ジェレミア皇女殿下がいることを思い出し、一度立ち止まった。
そんなリスティーナにジェレミアは微笑んだ。
「私の事はいいですから。ルーファス殿下の元へ行ってあげて下さい。私も兄上の様子を見に行かなければならないので、そろそろ失礼しますね。」
そう言って、ジェレミアはお茶を飲んで立ち上がった。
「あ、ありがとうございます。皇女殿下。あの、じゃあ、お見送りを…、」
「大丈夫ですよ。見送りは結構ですから、殿下の元へ行ってください。」
「は、はい!」
リスティーナは笑顔でお礼を言って、急いで部屋を出て行き、ルーファスの元へ向かう。
が、一度引き返して、ジェレミアに話しかけた。
「あ、あの…!皇女殿下!短い間でしたけど、皇女殿下とお茶ができて凄く楽しかったです。素敵な一時をありがとうございました。」
そう言って、リスティーナはぺこり、と頭を下げると、そのままタタッと駆け足でルーファスの部屋へと向かった。
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