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第三章 立志編

ハイビスカスのお茶

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「殿下!リスティーナ様も…!ああ…!良かった!」



別館に着くと、既にルーファスがいないことに気付いて、心配していたのだろう。

すぐにリリアナが涙目になって出迎えてくれた。

が、ルーファスの容態の悪さに気が付くと、サッと顔を青褪めた。



「た、大変です!ロジャー様!殿下が!」



すぐにリリアナはロジャーを呼んだ。

ルーファスはすぐに部屋に運ばれ、ベッドに寝かせられた。

ロジャーは医者を手配したりと慌ただしく動いている。

ルカとロイドの姿が見えないなと思ったら、どうやら、ルーファスがいなくなった後、ルカやロイドは王宮まで捜しに行ったとのことなので丁度、入れ違いになってしまったようだった。

リスティーナはルーファスの看病をするために部屋に入った。

成り行きでジェレミアも部屋に入ってきた。



リスティーナはルーファスが呼吸しやすくなるように仮面を剥がした。

素顔が露になって、ジェレミアはギョッと目を剥いた。

顔に刻まれた黒い紋様は不気味で薄気味悪く見える。初めて、目にした人間は驚くかもしれない。

リスティーナからすれば見慣れたものだったので気にした様子もなく、心配そうにルーファスを見つめる。

必死にルーファスに呼びかけ、枕元で看病をする。汗をハンカチで拭っていく。

凄い汗…。このままだと脱水症になってしまう。唇も乾いているし、喉が渇いているのかも…。

リスティーナは吸い飲みを使ってルーファスに水を飲ませようとする。

だけど、もう飲む力がないのかルーファスの口から水が零れてしまう。



は、恥ずかしいけど…、仕方ない。これは、あくまでも看病だから…!

リスティーナは羞恥心を抱きながらも、心の中で自分に言い聞かせ、クピッと自分の口の中に水を含ませた。そのまま口移しで彼に水を飲ませる。

ゴクッと嚥下する音が聞こえる。リスティーナはホッとした。何度か口移しでルーファスに水を飲ませていく。



ルーファスが私の手を握っているだけで安心すると言っていたのを思い出し、リスティーナはギュッと彼の手を握り締める。どうか…!ルーファス様が良くなりますように…!

リスティーナは心の中でそう祈った。



「……。」



ジェレミアはそんなリスティーナをじっと見つめたまま、その場から動けなかった。

医者が到着した頃には、ルーファスの顔色も良くなり、呼吸も安定していた。

一度、診察の為にリスティーナとジェレミアは部屋を退出した。



「あの…、すみません。皇女殿下。ここまで付き合わせてしまって…。殿下をここまで送っていただき、ありがとうございました。」



リスティーナはジェレミアにペコリ、と頭を下げ、



「もう後は大丈夫ですから、広間に戻っていただいても…、」



「…いえ。あの…、実は個人的に私からあなたに話があるのです。良ければ…、お時間を頂けないでしょうか?」



「私に、ですか?」



リスティーナはきょとん、としながら目を瞬いた。

話って何だろう?断る理由もないのでリスティーナは快く頷いた。



「分かりました。では…、場所を変えましょうか。」



廊下で立ち話する訳にもいかず、リスティーナはすぐに客間に案内した。



「こちらへどうぞ。」



ジェレミアを客間に通し、長椅子に座るように勧めた。



「今、お茶を淹れますので少々、お待ちください。」



「あ、いえ。どうぞ、お構いなく。…ところで、侍女や侍従の姿がありませんが…?」



「ここは使用人の数が少なくて…、いつもは王宮から派遣された使用人が通いで来て下さるんですけど、基本的に五人の使用人しかいないのです。」



「は?たったの五人ですか?殿下は直系の王族なのに?」



ジェレミアは信じられない、といった表情で聞き返した。リスティーナは苦笑しながら、頷いた。



「王宮の使用人達も噂を恐れて、ここで働くのを嫌がってしまって…、」



リスティーナの言葉にジェレミアは事情を察したようで黙り込んだ。

リスティーナはお湯と茶葉の準備をする。その姿を見たジェレミアが驚いたように話しかけてきた。



「リスティーナ様がお茶を淹れられるのですか?」



「はい。リリアナ達は今、ルーファス殿下の対応に追われているので…。」



「だからといって、リスティーナ様が使用人のようにお茶を淹れるなんて…、」



「いいのです。私が好きでやっていることなので。王宮の使用人達のように上手くはないんですけど…、お茶を淹れる位なら私でもできますから、どうぞ座ってお待ちください。」



リスティーナが微笑みながら、そう言うと、ジェレミアは戸惑いながらも頷き、長椅子に座り直した。

リスティーナは何種類もある茶葉の箱を前にして、何のお茶にしようか迷った。

ジェレミア様にはどんなお茶がいいかな?

チラッとジェレミアを窺うと、彼女はフウ、と溜息を吐いて、目頭を押さえていた。

それは一瞬の事ですぐに平然とした表情に戻っていた。

リスティーナは顎に手を置いて、数秒考え込む。よし、決めた。リスティーナは二つの茶葉を選んだ。



「皇女殿下。お待たせしました。」



そう言って、リスティーナは自分が淹れたお茶をジェレミアに差し出した。

カップに注がれた鮮やかな深紅色のお茶にジェレミアはジッと視線を注いだ。



「これは…?」



「ハイビスカスのハーブティーです。目の疲れと疲労回復を和らげる効果があります。」



「え…?」



ジェレミアはリスティーナの言葉に反応して、顔を上げた。



「先程、一瞬だけ皇女殿下は疲れたように目を擦っていらしたように見えたので…。もしかして、目の疲れに悩まされているのではないかなと思いまして…。」



「……。」



ジェレミアはリスティーナの答えに目を瞠った。



「あ…、もしかして、違いましたか?で、でも、これは美肌や美白にも効果があるので…!」



リスティーナは急に不安になり、焦ったようにそう説明した。



「あ、いえ…。リスティーナ様の言う通り、最近、私は目の疲れに悩まされていたんです。まさか、初めてお会いしたあなたがそれに気づくとは思わなくて…、だから、少し驚いてしまっただけです。」



その言葉にリスティーナはホッとした。良かった。間違っていなかったみたい。

ジェレミアはカップを手に取り、口をつけた。



「甘くていい香りですね。味も甘みと酸味があって、丁度いい。すごく飲みやすいです。」



「お口に合ったのなら、良かったです。」



口元を緩めるジェレミアの表情は先程よりも柔らかく感じる。きっと、本心からそう言ってくれているのだろう。

良かった…。気に入ってもらえたみたい。リスティーナは内心、ホッとした。



「以前、ハイビスカスのお茶を飲んだことがありますがあの時のお茶はこれよりも酸味が強くて、飲めたものではなかったのですが…。同じお茶でもこんなに違うんですね。」



「あ…、多分、それはローズヒップのお茶とブレンドしたからだと思います。

きっと、皇女殿下が以前飲まれたお茶はハイビスカス単体のお茶だったのではないでしょうか?

ハイビスカスのお茶は見た目は綺麗なんですけど、酸味が強いので人によって好き嫌いが分かれるんです。私もハイビスカスのお茶だけだと少し苦手で…。

でも、ハイビスカスはローズヒップと相性がいいのでこうやってブレンドすると、酸味が抑えられて丁度いい味になるんです。あ…、もし、良かったら、好みで砂糖と蜂蜜を入れてみて下さい。甘さが増して、これはこれで美味しいんです。」



「へえ…。リスティーナ様はお茶に詳しいんですね。」



ジェレミアは感心したように呟いた。



「昔から、お茶を淹れるのが好きなんです。あまり褒められたことではないのですが…。」



リスティーナは小さい頃から、庭でハーブを育て、そのハーブを摘んでお茶を淹れるのが好きだった。

母やスザンヌ達にお茶を淹れてあげると、美味しいと言ってくれたのが嬉しかった。



「そんな事ないです。素敵な趣味だと私は思いますよ。」



「あ、ありがとうございます。」



ジェレミアの言葉にリスティーナは少し照れながらも、お礼を言った。

メイネシアにいた頃はリスティーナがハーブを育てて、お茶を淹れるという趣味をレノア王女とその侍女達には散々、馬鹿にされたものだ。



でも…、この人は私の趣味を認めて下さった。同じ王女でも全然違うのね。

リスティーナはジェレミアを見て、心の底からそう思った。

この人と比べたら、レノア王女が霞んで見えてしまう。

それも当然かもしれない。だって、ジェレミア皇女殿下は帝国の皇族。レノア王女はメイネシアの小国の王女。同じ王女でも格が違う。



そういえば、私に話って何なのだろう?

リスティーナはジェレミアの話が何であるか気になり、チラッとジェレミアを見つめる。

ジェレミアはカップを置くと、リスティーナに視線を戻した。



「リスティーナ様。突然、話があると言われ、驚かれたことでしょう。…話というのはその…、一年前の夜会の話です。兄上がその…、あなたを手籠めにしようとした時の事を…、覚えていますか?」



「!」



リスティーナはヒュッと息を吞んだ。

ジェレミア皇女殿下は…、知っているの?私が…、ハリト皇子に襲われかけたこと…。



「今更な話ですが…、あの時は兄がリスティーナ様を傷つけてしまい、申し訳ありませんでした!」



「い、いえ!皇女殿下は何も悪くありません。あの…、それより、どうして、それを…?」



深々と頭を下げるジェレミアにリスティーナは頭を上げるように言い、どうしてそれを知っているのか訊ねた。ハリト皇子に襲われたことは誰にも知られていない筈だ。

確かにリスティーナは一年前の夜会でハリト皇子に襲われかけた。

でも、その時の事件は表沙汰にはならなかった。

エルザが魔法でハリト皇子の記憶を操作したからだ。

それなのに、どうして、それを彼女が知っているのか…。

ま、まさか…。何かの拍子で魔法が解けたとか…?



「も、もしかして…、ハリト皇子が何か…、」



「いえ。兄は何も覚えていません。ただ、あの夜…、兄上の様子がおかしかったので…。

それに、兄には微かに魔法が使われた形跡があった。何かあったのだとすぐに分かりました。それで調べたんです。何より…、兄に使われたあの魔力と同じ色を持っている人間が一人だけいた。それがあなたの侍女でした。」



「!」



リスティーナは顔色を青褪めた。

嘘…!皇女殿下はあれがエルザの仕業だと気づいていたの!?

顔色を変えるリスティーナにジェレミアは慌てて言った。



「誤解しないでください。私は決して、あの件の事を責めているつもりはないんです。このことは誰にも言っていません。恐らく、兄に本当のことを言えば、あなたに危害を加えるかもしれない。だから、私はあえて、兄には真実を伏せておきました。幸い、このことは誰も知りません。だから、安心してください。この先も誰にも、私は言うつもりはありませんから。」



「皇女殿下…。ありがとうございます…!」



リスティーナは内心、ホッとした。良かった…!やっぱり、この方は話が分かる人だ。

それにしても、律儀な方…。一年前の事を覚えていて、こうしてわざわざ謝ってくれるなんて…。



「礼を言われるようなことはしていません。むしろ、リスティーナ様にはご迷惑ばかりをお掛けしました。本来なら、公式の場で兄があなたに謝罪する機会を設けるべきなのでしょうが…。

この件が表沙汰になればあなたの評判に傷がついてしまいますし、未遂とはいえ、傷物になったあなたは兄上の側室として召し上げられてしまう可能性がある。自分を無理矢理襲おうとした男の妻になるだなんて、苦痛以外の何物でもないでしょう。何より…、あのテルトル山よりもプライドの高い兄が謝るなんて殊勝な行為をする訳がないですし。」



ジェレミアは溜息を吐きながら、そう言った。その目の奥には微かに嫌悪の色があった。

もしかしたら、皇女殿下はハリト皇子を兄としては慕っていないかもしれない。

…正直、あのハリト皇子を慕っていたらそれはそれで問題だと思うけど。

ちなみに、テルトル山とは大陸一、高い山の名だ。それ程、ハリト皇子のプライドが高いという事だ。



「皇女殿下、私の為にそこまでお気遣い頂き、ありがとうございます。」



リスティーナは微笑んでジェレミアに礼を言った。

この方が黙秘してくれたおかげで私は最悪の結果を免れた。ハリト皇子に襲われたことが知られれば、私はルーファス様でなく、ハリト皇子に嫁がされていた事だろう。想像するだけでゾッとする。

リスティーナは心の底からジェレミアに感謝した。
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