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第二章 相思相愛編
アーリヤの目的と王妃の独白
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「え…?リスティーナ様が?それは本当なの?カーラ。」
アーリヤは剣の手入れをしていた手を止め、カーラに聞き返した。
「はい。間違いありません。ダニエラ様がリスティーナ様の部屋に入った時にルーファス殿下も一緒にいたそうです。」
「そう…。昨日のあれは見間違いじゃなかったのね。ということは、あの二人…。」
アーリヤは顎に手を当てて呟いた。昨日の夜、ルーファスが雨に濡れた状態で庭に立っているのは気付いていた。そして、そんな彼に駆け寄る金髪の女の姿も目撃した。すぐにその女がリスティーナだと分かった。そのまま二人が一緒に中に入る所まで確認したがまさか、朝まで一緒だったなんて…。
「意外だわ。あの男、ローザに未練たらたらで他の女に見向きもしなかったっていうのに。よっぽどあのお姫様が気に入ったみたいね。」
「ローザ…!」
カーラは憎々し気にその名を呟いた。わなわなと怒りに震える。
「どうしたのよ?カーラ。そんなに目を吊り上げて。折角の美人が台無しよ?」
「アーリヤ様は何故そこまで平然としているのですか!?元はと言えば、あの女のせいであの王子の側室にされたというのに!」
カーラの言葉にアーリヤは笑みを消した。
「わたしはあの女を許せません!アーリヤ様が邪魔だからとこんな異国の地に嫁がせるだなんて…!
しかも、よりにもよって、自分の婚約者だった男に!どれだけアーリヤ様を貶めれば気が済むのでしょうか!あの淫乱女!」
「カーラ。どれだけ、ローザが男にだらしない女で腸が煮えくり返る程にムカつく女でもあいつは巫女の一族の末裔。お兄様にはあの女の力が必要なのよ。」
「だからといってあの女に言われるがままに実の妹をあの化け物王子に嫁がせるなんて!王太子様も酷すぎます!」
「カーラ。お兄様はあの女に言われたから、私をこの国に送り込んだわけじゃない。お兄様の野望の為に私の力が必要だったからよ。大体、あのお兄様が女に騙されたり、いいように使われるなんてある訳ないじゃない。逆の場合はまだしも。」
自由奔放で唯我独尊。そんな言葉がぴったりと当て嵌まる実兄の姿を思い浮かべながら、アーリヤは呆れたように言った。
「前にも言ったでしょう?お兄様は我がパレフィエ王国の未来を私に託した。お兄様の願いは私の願いでもある。その手伝いができるなんて最高じゃない。」
「で、ですが…!王女であるアーリヤ様がここまでする必要は…、」
「必要なのよ。」
アーリヤはきっぱりと言い切った。
「ローゼンハイムを出し抜いて、パレフィエ王国が世界の覇権を握る。その為に私はこの国に嫁いだ。
これは、王女である私にしかできないことよ。」
「そ、それは…、そうかもしれませんが…、」
「王位継承権争いでこの国は荒れている。第一王子も第二王子もお兄様と比べれば大したことない小物だわ。あの二人はお兄様の敵じゃない。このままあの兄弟を衝突させてしまえば勝手に自滅するわ。
その隙を突けば、この国はあっというまに崩壊するでしょうね。そうなれば、ローゼンハイムは終わりよ。」
アーリヤは磨いた剣を弄びながら、言った。
「アンリ王子は王位に興味がないみたいだし、研究以外はどうでもいいと思っているし…。
できればルーファスも潰しておきたいけど、呪いの力のせいで迂闊に手を出せないし…、」
「え、ですが、ルーファス王子は放っておいても大丈夫なのでは?
あの王子は呪いのせいで後一年は生きられないと医師に宣告された身。わざわざ危険を冒さなくてもいいではありませんか。アーリヤ様もそう仰って…。」
「そう思ってたんだけどね…。お兄様がルーファスには気を付けろって忠告してきたのよ。あのお兄様が他人を警戒するなんてよっぽどのことだと思わない?」
「王太子殿下が?王太子様もやはり、呪いを恐れているのでしょうか?あの方の性格上、呪いなど魔法で弾き返してやると強気な態度を貫きそうですが…。」
「そうね。お兄様はそもそも、呪いとかそういった不確かなものは信じない性格だからね。
でも、お兄様は別に呪いを恐れているんじゃないと思うわ。相手がルーファス王子だから警戒しているんだと思うの。」
「?どういう意味でしょうか?」
「今は見る影もないけど、ルーファス王子って呪いにかかる前は次期王太子としてかなり期待されていたらしいの。他の王子達と比べても圧倒する位、優秀だったそうよ。周囲の大人達は彼を天才だと持て囃していたみたいだし。あんなことがなければ、多分ルーファスが次期皇帝として名を挙げていたかもしれないわね。」
「そ、そうなのですか?初めて聞きましたわ。」
「今ではルーファスを支持する貴族は誰もいないものね。スペアにすらならないし。
でも、当時のルーファスを知っているお兄様からすれば彼は警戒するべき対象みたい。あいつは鋭いから気を付けろと言っていた位だし。」
「とても信じられませんが…、王太子殿下がそう仰るのでしたら用心するべきですね。」
アーリヤの言葉にカーラは納得したように頷いた。
「それにしても、リスティーナ様には同情するわ。この分だと、噂はすぐに広まるでしょうね。
気の毒だけど、あの子は王妃や王子に目を付けられるでしょうね。フフッ…、可哀想に…。」
アーリヤはクスクスと笑った。その口調はちっとも可哀想だとは思っていなさそうでむしろ、この状況を楽しんでいるかのように見える。
「さて…、あのお姫様はどう切り抜けるのかしらね?」
アーリヤはこれから起こることをある程度予想できていたが自分には関係ないのでこのまま高みの見物をすることに決めたのだった。
アーリヤの予想は早くも的中することとなる。
「ルーファスがあの例の側室と一夜を明かしたじゃと?」
王妃、ヨランダはその報告にパチン、と扇を閉じた。
「…ルーファスめ。そういう事か。」
王妃は意味深に呟いた。どうりであの時、ルーファスがあそこまで過剰に反応したわけだ。
余程、その側室を気に入っているとみえる。王妃はニヤッと口角を上げ、笑った。
「面白い…。その女、使えそうじゃな。」
閉じた扇を手の中でトントンと叩きながら王妃は愉し気に呟いた。
アーリヤは剣の手入れをしていた手を止め、カーラに聞き返した。
「はい。間違いありません。ダニエラ様がリスティーナ様の部屋に入った時にルーファス殿下も一緒にいたそうです。」
「そう…。昨日のあれは見間違いじゃなかったのね。ということは、あの二人…。」
アーリヤは顎に手を当てて呟いた。昨日の夜、ルーファスが雨に濡れた状態で庭に立っているのは気付いていた。そして、そんな彼に駆け寄る金髪の女の姿も目撃した。すぐにその女がリスティーナだと分かった。そのまま二人が一緒に中に入る所まで確認したがまさか、朝まで一緒だったなんて…。
「意外だわ。あの男、ローザに未練たらたらで他の女に見向きもしなかったっていうのに。よっぽどあのお姫様が気に入ったみたいね。」
「ローザ…!」
カーラは憎々し気にその名を呟いた。わなわなと怒りに震える。
「どうしたのよ?カーラ。そんなに目を吊り上げて。折角の美人が台無しよ?」
「アーリヤ様は何故そこまで平然としているのですか!?元はと言えば、あの女のせいであの王子の側室にされたというのに!」
カーラの言葉にアーリヤは笑みを消した。
「わたしはあの女を許せません!アーリヤ様が邪魔だからとこんな異国の地に嫁がせるだなんて…!
しかも、よりにもよって、自分の婚約者だった男に!どれだけアーリヤ様を貶めれば気が済むのでしょうか!あの淫乱女!」
「カーラ。どれだけ、ローザが男にだらしない女で腸が煮えくり返る程にムカつく女でもあいつは巫女の一族の末裔。お兄様にはあの女の力が必要なのよ。」
「だからといってあの女に言われるがままに実の妹をあの化け物王子に嫁がせるなんて!王太子様も酷すぎます!」
「カーラ。お兄様はあの女に言われたから、私をこの国に送り込んだわけじゃない。お兄様の野望の為に私の力が必要だったからよ。大体、あのお兄様が女に騙されたり、いいように使われるなんてある訳ないじゃない。逆の場合はまだしも。」
自由奔放で唯我独尊。そんな言葉がぴったりと当て嵌まる実兄の姿を思い浮かべながら、アーリヤは呆れたように言った。
「前にも言ったでしょう?お兄様は我がパレフィエ王国の未来を私に託した。お兄様の願いは私の願いでもある。その手伝いができるなんて最高じゃない。」
「で、ですが…!王女であるアーリヤ様がここまでする必要は…、」
「必要なのよ。」
アーリヤはきっぱりと言い切った。
「ローゼンハイムを出し抜いて、パレフィエ王国が世界の覇権を握る。その為に私はこの国に嫁いだ。
これは、王女である私にしかできないことよ。」
「そ、それは…、そうかもしれませんが…、」
「王位継承権争いでこの国は荒れている。第一王子も第二王子もお兄様と比べれば大したことない小物だわ。あの二人はお兄様の敵じゃない。このままあの兄弟を衝突させてしまえば勝手に自滅するわ。
その隙を突けば、この国はあっというまに崩壊するでしょうね。そうなれば、ローゼンハイムは終わりよ。」
アーリヤは磨いた剣を弄びながら、言った。
「アンリ王子は王位に興味がないみたいだし、研究以外はどうでもいいと思っているし…。
できればルーファスも潰しておきたいけど、呪いの力のせいで迂闊に手を出せないし…、」
「え、ですが、ルーファス王子は放っておいても大丈夫なのでは?
あの王子は呪いのせいで後一年は生きられないと医師に宣告された身。わざわざ危険を冒さなくてもいいではありませんか。アーリヤ様もそう仰って…。」
「そう思ってたんだけどね…。お兄様がルーファスには気を付けろって忠告してきたのよ。あのお兄様が他人を警戒するなんてよっぽどのことだと思わない?」
「王太子殿下が?王太子様もやはり、呪いを恐れているのでしょうか?あの方の性格上、呪いなど魔法で弾き返してやると強気な態度を貫きそうですが…。」
「そうね。お兄様はそもそも、呪いとかそういった不確かなものは信じない性格だからね。
でも、お兄様は別に呪いを恐れているんじゃないと思うわ。相手がルーファス王子だから警戒しているんだと思うの。」
「?どういう意味でしょうか?」
「今は見る影もないけど、ルーファス王子って呪いにかかる前は次期王太子としてかなり期待されていたらしいの。他の王子達と比べても圧倒する位、優秀だったそうよ。周囲の大人達は彼を天才だと持て囃していたみたいだし。あんなことがなければ、多分ルーファスが次期皇帝として名を挙げていたかもしれないわね。」
「そ、そうなのですか?初めて聞きましたわ。」
「今ではルーファスを支持する貴族は誰もいないものね。スペアにすらならないし。
でも、当時のルーファスを知っているお兄様からすれば彼は警戒するべき対象みたい。あいつは鋭いから気を付けろと言っていた位だし。」
「とても信じられませんが…、王太子殿下がそう仰るのでしたら用心するべきですね。」
アーリヤの言葉にカーラは納得したように頷いた。
「それにしても、リスティーナ様には同情するわ。この分だと、噂はすぐに広まるでしょうね。
気の毒だけど、あの子は王妃や王子に目を付けられるでしょうね。フフッ…、可哀想に…。」
アーリヤはクスクスと笑った。その口調はちっとも可哀想だとは思っていなさそうでむしろ、この状況を楽しんでいるかのように見える。
「さて…、あのお姫様はどう切り抜けるのかしらね?」
アーリヤはこれから起こることをある程度予想できていたが自分には関係ないのでこのまま高みの見物をすることに決めたのだった。
アーリヤの予想は早くも的中することとなる。
「ルーファスがあの例の側室と一夜を明かしたじゃと?」
王妃、ヨランダはその報告にパチン、と扇を閉じた。
「…ルーファスめ。そういう事か。」
王妃は意味深に呟いた。どうりであの時、ルーファスがあそこまで過剰に反応したわけだ。
余程、その側室を気に入っているとみえる。王妃はニヤッと口角を上げ、笑った。
「面白い…。その女、使えそうじゃな。」
閉じた扇を手の中でトントンと叩きながら王妃は愉し気に呟いた。
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