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#87話 イベントに向けて
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最近、笹森の機嫌が良い。
合宿での部長と瀬戸先輩の様子から、二人の間を心配していたが、二学期になってそれが杞憂で終わったからだ。
あれから二人の間に何があったか知らないが、以前通り…いや…多分以前にも増して先輩の部長に対する溺愛が半端ない…
…ったく!そんなに好きならもっとしっかりして欲しいもんだ!
心配する身にもなってもらいたいよ!
「ぶちょーっ、文化祭のレイアウトこれでいいですかぁ?」
「あっ、いいんじゃない。さすが笹森さんだね」
「えへへ…それでね…」
「何だか最近、笹森やたら三ツ木に絡むな」
二人の様子を見て瀬戸先輩が言った。
「嫉妬ですか?」
皮肉を込めて僕は言った。
「な…何言ってんだ…稲垣」
「やだな…冗談ですよ。いくらなんでも女の子にまで妬くようになったらお終いですよ先輩」
稲垣が残念なモノでも見るような眼で俺に言った。
「笹森は恋愛に一途な部長を特に慕ってますから、部長が元気になって嬉しいんでしょう」
真古都はコミュ障もあって、人付き合いが上手な方ではない。クラスの奴らにクズが多いのも問題だ。
対等な付き合いが出来る部活は真古都には良いリハビリかもな…
「そう云えば先輩知ってますか?今年の文化祭、例年の告白タイムの他に、もう一つイベントがあるの」
「イベント?」
確か実行委員のなかでイベントを企画するチームがあったな…
「それは別の係がやってるんで俺たちにも判らないな」
俺は稲垣にそう答えた。
「そうですか…笹森が仕入れてきた話だからまあ、怪しいんですけど、何でも他の三年から訊いたらしいんですよ」
文化祭後の後夜祭は楽しみにしてるヤツは多い。
そう云えば去年の告白タイムで霧嶋のヤツが真古都にプロポーズしたんだっけ…
今年も何かやらかさないといいが…
俺は何となく厭な予感がした。
暫くしてホームルームの時間に、イベントチームのヤツが来てとんでもない事を言った。
「今年は告白タイムの後で、カップルでキスを披露してもらおうと思います!この紙にキスをさせたいカップルの名前を書いて下さい!勿論自分とキスをしたい相手の名前を書いてもオッケーです!
5票以上入ったカップルに、当日壇上でキス公開です!参加お願いしま~す!」
全くとんでもない事を考えたもんだ…
俺のところにも前から紙が回ってきたので、1枚取って残りを後ろの席へ回す。
俺は自分の名前と、真古都の名前を書いた。
俺と真古都が書いたとしても2票だ。
当日壇上に上がる心配は無い。
俺はそのまま半分に折った紙を委員のヤツが持ってる箱へ入れた。
「彼女の名前かいたのか?」
柏崎が訊いてきた。
「なんだよ…」
俺は恥ずかしくて、何となく誤魔化した。
「いや、お前と彼女はいいんだけどさ、最近霧嶋を推してるヤツが出て来てるじゃん。霧嶋と彼女の名前を書くヤツもいるかもな…」
俺はそれを訊いて頭に隕石が落ちたような衝撃を受ける。
まさか…そんな事は…
いや…でも…
俺は一変で不安になった…
くそっ!
誰だっ!こんな企画を立てたヤツは!
合宿での部長と瀬戸先輩の様子から、二人の間を心配していたが、二学期になってそれが杞憂で終わったからだ。
あれから二人の間に何があったか知らないが、以前通り…いや…多分以前にも増して先輩の部長に対する溺愛が半端ない…
…ったく!そんなに好きならもっとしっかりして欲しいもんだ!
心配する身にもなってもらいたいよ!
「ぶちょーっ、文化祭のレイアウトこれでいいですかぁ?」
「あっ、いいんじゃない。さすが笹森さんだね」
「えへへ…それでね…」
「何だか最近、笹森やたら三ツ木に絡むな」
二人の様子を見て瀬戸先輩が言った。
「嫉妬ですか?」
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「な…何言ってんだ…稲垣」
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「笹森は恋愛に一途な部長を特に慕ってますから、部長が元気になって嬉しいんでしょう」
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対等な付き合いが出来る部活は真古都には良いリハビリかもな…
「そう云えば先輩知ってますか?今年の文化祭、例年の告白タイムの他に、もう一つイベントがあるの」
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確か実行委員のなかでイベントを企画するチームがあったな…
「それは別の係がやってるんで俺たちにも判らないな」
俺は稲垣にそう答えた。
「そうですか…笹森が仕入れてきた話だからまあ、怪しいんですけど、何でも他の三年から訊いたらしいんですよ」
文化祭後の後夜祭は楽しみにしてるヤツは多い。
そう云えば去年の告白タイムで霧嶋のヤツが真古都にプロポーズしたんだっけ…
今年も何かやらかさないといいが…
俺は何となく厭な予感がした。
暫くしてホームルームの時間に、イベントチームのヤツが来てとんでもない事を言った。
「今年は告白タイムの後で、カップルでキスを披露してもらおうと思います!この紙にキスをさせたいカップルの名前を書いて下さい!勿論自分とキスをしたい相手の名前を書いてもオッケーです!
5票以上入ったカップルに、当日壇上でキス公開です!参加お願いしま~す!」
全くとんでもない事を考えたもんだ…
俺のところにも前から紙が回ってきたので、1枚取って残りを後ろの席へ回す。
俺は自分の名前と、真古都の名前を書いた。
俺と真古都が書いたとしても2票だ。
当日壇上に上がる心配は無い。
俺はそのまま半分に折った紙を委員のヤツが持ってる箱へ入れた。
「彼女の名前かいたのか?」
柏崎が訊いてきた。
「なんだよ…」
俺は恥ずかしくて、何となく誤魔化した。
「いや、お前と彼女はいいんだけどさ、最近霧嶋を推してるヤツが出て来てるじゃん。霧嶋と彼女の名前を書くヤツもいるかもな…」
俺はそれを訊いて頭に隕石が落ちたような衝撃を受ける。
まさか…そんな事は…
いや…でも…
俺は一変で不安になった…
くそっ!
誰だっ!こんな企画を立てたヤツは!
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