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第一章
第七話 地獄の寮生活
しおりを挟む入学してから1週間が経って寮のペアが決まってから約数日が経過した。
寮の生活は前世も同じだったが、洗濯や掃除、料理などは全て学校が雇っている使用人で行われている。前世の俺は全て使用人がしていることについてなにひとつ変だとは思わなかったが、どうやら市民の寮の生活は生徒自身が全て行うらしい。
この話を知って思ったのだが、正直貴族や王族だからと言ってこの寮生活は普通ではない。独立し、他国へ行くことのない貴族と王族でもちゃんとした家事や生活の教育を一人一人受けるべきだ。
「……アザレア」
他人と一緒に暮らすコミュニュケーションも、暮らしたことで学べる礼儀作法や自己管理能力。それらは必要なことだ。
しかし、別にあまり仲良くない人と一緒にするのは如何なものか。仲が良すぎる人を一緒にするというのはそれはそれで良くないという意見も分かる。
「…毎度無視するのはなんなんだ?」
だが考えてみて欲しい、もしも仲が良くない人と寮生活をして喧嘩になった場合。これは大きな問題となる。ましてや貴族と王族が喧嘩などしたら学校にとって大きな痛手のはずだ。
とりあえず、この学校の寮生活を大幅に変えるべきなんだ。
だから学園長にまで事細かに説明したのに…!
なんにも取り合ってはくれなかった!
「おい、アザレア」
「何ですか…」
「何故いつも黙っている」
「え、ーと…緊張、ですかね…もし嫌ならば王族の権限でいつでも他の人と変えてもらって構いませんからね!」
「絶対しない」
「なんで…」
印象が薄いだけの貴族になんでこうして構ってくるんだ!まるで意味がわからない!!
「夜ですよ、寝て下さい」
「イヤだ」
「なんで…??」
前世もそうだったが、なに考えているのか本当に分からない。分からな過ぎる。
「アザレア、寝れん」
「知りません」
「お前と寮に入ってから十分に寝れない」
「……あ!拒否してるんじゃないですか?体が、よしこうなったら王子様を十分に寝かせるためにも私以外と寮生活するよう学園長に言わなければ!」
「言うな、お前のせいじゃない」
「………
…お前のせいって言ってくれよ…」ボソッ
「なんか言ったか?」
「いーえ、なんでも。俺は寝ます」
布団を肩より上まで上げて、潜るようにして目を瞑った。一つの机の向こうにあるベッドでキンモクが寝ているかどうかなんて関係ない。なんとしても、この状況から逃れなければいけない気がする。
このままだと、なにか良くないような…。
ー翌日ー
「……」
「おおお?!いつにも増してやつれてんな!アザレア!」
「…おはよう、マツリ」
「おう!おはよう!」
なんというか、朝の学食が一番休憩できる。キンモクとミズマは容姿からか女子生徒に囲まれて食事を取っているだろうし、それにマツリと話せる。
「あ、そういやよぉ、明日転校生来るんだって」
「そうか、初耳だ」
「確か…名前が……びゅ、ビュティー?ジング・ソメノ…だっけ?」
「そ、ソメノ…?」
ソメノって…前世でキンモクと同じくらい地位が高い貴族じゃないか。あまり接点はないが、前世ではこの学校に転校してこなかったはず、何故転校を?
「他に知ってることはないか?ソメノについて」
「知ってることぉ?
…うーん、アザレアのいじめられてる噂流した張本人とか?」
「なるほど、は????」
な、なんて????
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