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3学期
スキー体験合宿3日目その2
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「本当にごめんなさい。」
塚本と望月はテーブルで深々と頭を下げた。
「気にすんな…ってかもう忘れたいから言うな。」
マジ忘れたいんだよ!あんな悪夢!
生徒に手錠かけられた上にベッドに押し倒されたなんて…ああ!くそ!忘れたい!!
トラウマになっちまってる!
「で、今度は先生に普通のお話しを」
塚本が恐る恐る話し出した。
「普通の話し?何だ?」
「先生は今現在、恋愛はしてますか?」
「!!」
「この前の雑談は過去の経験ばかりでしたので…。」
そりゃ、お前らが経験値にこだわってたからだろ!
「えっ…と。好きな人はいる。
片想いだ。」
「片想いですか?わー。
大人でも片想いするんですね。」
「片想いに大人も子供もないだろ。」
「告白しないんですか?
振られるの怖いですか?
やっぱり。」
「告白したいけど…まだ出来てない。
何度も振られてるようなモンだし。」
「なるほど…なるほど…
振られても諦められないほど好きなんですね。キュンキュンします!」
興奮しながら塚本はノートにメモリ始めた。
「書くな書くな!ンな事!
何メモってんだよ!」
「武本先生って創作意欲湧くんですよー。
ネタに困らないって感じで。」
「創作意欲って…。」
「でも…私の勘ですが、お相手の方って歳上か歳下ですか?
しかもかなり離れてる気が…。」
げっ!鋭い!洞察力か?
「ま、まぁな。
ちょっと歳下かな。
何でわかった?」
ちょっと…じゃないかな。
「男性の方が実は年齢を気にするんですよねー。
女性はさほど年齢にはこだわってません。
むしろ、相性が1番かと。
年齢でもし、躊躇してるとしたら無意味ですよ。」
「!」
えっ…そうなの?意外だな…。
「どうです?
告白の勇気、少し出そうですか?」
「あ…ああ。」
本当だ…少しホッとしてる自分がいた。
年齢とか教師とか生徒とか…僕の方がこだわり続けてここまで来てしまったんだ。
そうして…嘘をつき続けてしまったんだ。
唐揚げを口の中でモグモグと噛みながら考え込んでいた。
「あら!田宮さん!一緒にどう?」
塚本が料理を運ぶ田宮と牧田に声をかけた。
…!!急な出来事に唐揚げを一気に飲み込んでしまった。
「ゲホっ」
「武ちゃん、大丈夫?
ちゃんと噛んで食べなきゃダメじゃん!」
牧田に突っ込まれた。
だってよ…タイミングが…!
「女生徒に囲まれるなんて、ちょっとしたハーレム気分ですね。先生。」
田宮がクスクス笑った。
「ハーレムかよ。
この品揃えで…!」
ごまかすように毒を吐いた。
丸いテーブルに僕を囲むように、右側に田宮、牧田左側に塚本、望月が座った。
「先輩達とどんな話しをしてたんですか?」
「へっ?」
バカ!そこ聞くなよ!
田宮の質問にドキッとした。
「武本先生には意中の女性がいるって話し!
片想いなんですって。」
塚本ー!黙れ!その口閉じろ!
「武ちゃん、意外とピュアなんよね!」
牧田まで乗っかりやがった。
「何度も振られてるのに、諦められないくらい好きなんですって!」
塚本は更にヒートアップして来やがった。
「振られてるんですか?
女性運ないんですね先生。ふふ。」
「仕方ないだろ!」
田宮の言葉に思わず返してしまった。
振られてるんですかじゃねーよ!
お前が恋愛鈍感過ぎるんだよ!
「お前等はどうなんだよ!
他人の事ばっかり聞きやがって!」
僕は塚本に無理矢理話しを切り返した。
「あ、彼氏いますよ。
大学生の彼氏が。付き合って1年。
それなりの関係です。」
あっさりと塚本が吐いた。
「私もこの夏に出来ました。
他校の生徒と。
私はまだキス止まり。」
望月も続いた。
おいおい!一応、男の前で暴露しすぎだろ!
「銀子ちゃんもー!石井君とラブラブだよ!」
牧田もはしゃいだ。
この流れでいくと田宮…。
「私は恋愛してないかな。
そもそも、恋愛がよくわかってなくて。」
彼女はいつもと変わらない。
「あら、金井先生は田宮さんとラブラブって聞いてるけど違うの?」
塚本がすかさず突っ込みを入れた。
「そのラブラブがわかりません。」
「うーん。
ほら、例えばキスとかは?
金井先生とキスとかしたの?」
ガタタッ!
僕は椅子からコケた。
聞くなよ!そんな事聞きたくね~!
「しました。
キス…金井先生と。」
「!!」
やっぱり…そりゃそうだよな…。
「じゃあファーストキスは金井先生?」
ガタタッダン!
更に僕は椅子からひっくり返った。
「いえ…ファーストキスは…。」
「わー!やめろ!!この話しはやめだ!
いいか、こういう話しは教師のいないところでやれ!」
必死で田宮の口を封じた。
危ねえ!
田宮も簡単にしゃべり過ぎるんだよ!
僕は汗が身体中から吹き出すのを感じた。
「あー。楽しかった。
武本先生には色々教えて貰ったから、私からも極秘情報を教えてあげます。」
塚本が一息ついて意味ありげな発言をして来た。
「極秘情報?」
「あくまで、ゴシップ好きの私の話と理解して下さいね。
本当かどうかは定かではないので…。」
「何だそれ?」
塚本は僕の耳元でそっと話し出した。
「JKビジネスって知ってます?」
「へっ…それって。」
確か女子高生を利用した悪どい商売じゃ…。
「JKビジネスならまだいい方なんですけどね。
JKビジネスの勧誘のフリして1、2年にウリをやらせてる人がいるらしいです。」
「…ウリ…って。」
売春行為って事か!!
僕は驚きと共に、瞬時に田宮 美月の顔が浮かんだ…。
必要以上に他学年の情報を知りたがるのはまさか…。
塚本と望月はテーブルで深々と頭を下げた。
「気にすんな…ってかもう忘れたいから言うな。」
マジ忘れたいんだよ!あんな悪夢!
生徒に手錠かけられた上にベッドに押し倒されたなんて…ああ!くそ!忘れたい!!
トラウマになっちまってる!
「で、今度は先生に普通のお話しを」
塚本が恐る恐る話し出した。
「普通の話し?何だ?」
「先生は今現在、恋愛はしてますか?」
「!!」
「この前の雑談は過去の経験ばかりでしたので…。」
そりゃ、お前らが経験値にこだわってたからだろ!
「えっ…と。好きな人はいる。
片想いだ。」
「片想いですか?わー。
大人でも片想いするんですね。」
「片想いに大人も子供もないだろ。」
「告白しないんですか?
振られるの怖いですか?
やっぱり。」
「告白したいけど…まだ出来てない。
何度も振られてるようなモンだし。」
「なるほど…なるほど…
振られても諦められないほど好きなんですね。キュンキュンします!」
興奮しながら塚本はノートにメモリ始めた。
「書くな書くな!ンな事!
何メモってんだよ!」
「武本先生って創作意欲湧くんですよー。
ネタに困らないって感じで。」
「創作意欲って…。」
「でも…私の勘ですが、お相手の方って歳上か歳下ですか?
しかもかなり離れてる気が…。」
げっ!鋭い!洞察力か?
「ま、まぁな。
ちょっと歳下かな。
何でわかった?」
ちょっと…じゃないかな。
「男性の方が実は年齢を気にするんですよねー。
女性はさほど年齢にはこだわってません。
むしろ、相性が1番かと。
年齢でもし、躊躇してるとしたら無意味ですよ。」
「!」
えっ…そうなの?意外だな…。
「どうです?
告白の勇気、少し出そうですか?」
「あ…ああ。」
本当だ…少しホッとしてる自分がいた。
年齢とか教師とか生徒とか…僕の方がこだわり続けてここまで来てしまったんだ。
そうして…嘘をつき続けてしまったんだ。
唐揚げを口の中でモグモグと噛みながら考え込んでいた。
「あら!田宮さん!一緒にどう?」
塚本が料理を運ぶ田宮と牧田に声をかけた。
…!!急な出来事に唐揚げを一気に飲み込んでしまった。
「ゲホっ」
「武ちゃん、大丈夫?
ちゃんと噛んで食べなきゃダメじゃん!」
牧田に突っ込まれた。
だってよ…タイミングが…!
「女生徒に囲まれるなんて、ちょっとしたハーレム気分ですね。先生。」
田宮がクスクス笑った。
「ハーレムかよ。
この品揃えで…!」
ごまかすように毒を吐いた。
丸いテーブルに僕を囲むように、右側に田宮、牧田左側に塚本、望月が座った。
「先輩達とどんな話しをしてたんですか?」
「へっ?」
バカ!そこ聞くなよ!
田宮の質問にドキッとした。
「武本先生には意中の女性がいるって話し!
片想いなんですって。」
塚本ー!黙れ!その口閉じろ!
「武ちゃん、意外とピュアなんよね!」
牧田まで乗っかりやがった。
「何度も振られてるのに、諦められないくらい好きなんですって!」
塚本は更にヒートアップして来やがった。
「振られてるんですか?
女性運ないんですね先生。ふふ。」
「仕方ないだろ!」
田宮の言葉に思わず返してしまった。
振られてるんですかじゃねーよ!
お前が恋愛鈍感過ぎるんだよ!
「お前等はどうなんだよ!
他人の事ばっかり聞きやがって!」
僕は塚本に無理矢理話しを切り返した。
「あ、彼氏いますよ。
大学生の彼氏が。付き合って1年。
それなりの関係です。」
あっさりと塚本が吐いた。
「私もこの夏に出来ました。
他校の生徒と。
私はまだキス止まり。」
望月も続いた。
おいおい!一応、男の前で暴露しすぎだろ!
「銀子ちゃんもー!石井君とラブラブだよ!」
牧田もはしゃいだ。
この流れでいくと田宮…。
「私は恋愛してないかな。
そもそも、恋愛がよくわかってなくて。」
彼女はいつもと変わらない。
「あら、金井先生は田宮さんとラブラブって聞いてるけど違うの?」
塚本がすかさず突っ込みを入れた。
「そのラブラブがわかりません。」
「うーん。
ほら、例えばキスとかは?
金井先生とキスとかしたの?」
ガタタッ!
僕は椅子からコケた。
聞くなよ!そんな事聞きたくね~!
「しました。
キス…金井先生と。」
「!!」
やっぱり…そりゃそうだよな…。
「じゃあファーストキスは金井先生?」
ガタタッダン!
更に僕は椅子からひっくり返った。
「いえ…ファーストキスは…。」
「わー!やめろ!!この話しはやめだ!
いいか、こういう話しは教師のいないところでやれ!」
必死で田宮の口を封じた。
危ねえ!
田宮も簡単にしゃべり過ぎるんだよ!
僕は汗が身体中から吹き出すのを感じた。
「あー。楽しかった。
武本先生には色々教えて貰ったから、私からも極秘情報を教えてあげます。」
塚本が一息ついて意味ありげな発言をして来た。
「極秘情報?」
「あくまで、ゴシップ好きの私の話と理解して下さいね。
本当かどうかは定かではないので…。」
「何だそれ?」
塚本は僕の耳元でそっと話し出した。
「JKビジネスって知ってます?」
「へっ…それって。」
確か女子高生を利用した悪どい商売じゃ…。
「JKビジネスならまだいい方なんですけどね。
JKビジネスの勧誘のフリして1、2年にウリをやらせてる人がいるらしいです。」
「…ウリ…って。」
売春行為って事か!!
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