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図書室の怪人と夜のデート
第19話
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青春とは一般的には恋愛したり、スポーツで汗を流したり、若者だけのグループでワイワイしたり、そんなのだろう。
けど…僕にそれは当てはまるのかな…ここに来て急にやる事がいっぱいで毎日がやっとの事で過ぎていく。
でも、それを言ったら華京院もどうなんだろう。
それなりに青春は謳歌したのかな…。
あ、そもそも僕は詳しい年齢を教えて貰えてない。
奈落の18歳ってのも曖昧な感じで怪しかったし…まさか照れてただけかな。
まあ、双子の神楽さんが普通二輪バイクに乗ってたって事は16歳以上…やっぱり18歳かな?
それとも…彼らにとっては今現在が青春真っ只中なのかもしれない。
ふむ…青春って一概には言えないんだな。
人それぞれって事かな。
僕に青春を謳歌できる日はやって来るのかな…。
多分、まだ過ぎてはいないはずなんだけど。
今年…確かに僕の人生は変わり始めてる。
青春のスタートライン…もしかして、僕はやっとそこに辿り着いたばかりなのかもしれない。
昼休みに恋バナをしたせいか、僕の頭の中で青春とはなんぞや…という問いかけが頭の中をグルグルと駆け巡っていた。
午後の体育の時間も、そんな事で頭がいっぱいで全然集中出来なくて、飛んで来たバスケットボールを顔面で受け止めてしまった。
体育館の端っこでタオルを顔にかけながら、死人さながらで横になった。
ズキズキする鼻の頭をさすりながら、放課後へ向けての一休みのつもりで、体力を温存した。
以前ならこんな事があれば、痛みと悔しさで歯ぎしりするしかなかったのに…今じゃ、それを逆手に取って自分の利にする事が出来て来た。
考え方ひとつ…奈落のプラス思考の影響かな。
他人を恨んだり憎んだりする時間なんて無駄で、勿体ない。
エネルギーはそんな事の為に使うものじゃないはずだ。
「おい。動くな!
そのままの姿勢で聞け。
話してると思われたくない。」
僕の頭上で攻撃的で刺すような、声が聞こえて来た。
…宮地…!
しまった。
ジャージの今、僕はICレコーダーを装備してない!
「言っておく。
俺はお前が嫌いだ。
弱いままで生きられると思って、努力もしないで逃げてばかりの奴を俺は…認めない!」
心の奥から響く、敵意…。
僕は言葉を返す事すら考えられなかった。
この広い体育館に僕と奴しか居なくて…灯りもスポットライト1つに照らされてるような…孤独と憎しみの空気が、僕を包んだ。
ダンダダン!
僕の頭上で足踏みを大きくして、威嚇して宮地はその場を立ち去った。
それほど…早川さんに近づいたのが嫌だったのか…?
いや…違う…。
そんな単純な理由ではない…感覚的に僕はそう悟った。
グチャグチャしてドロドロして…苦しいくらいのあの敵意…。
僕をそれ程に嫌い、憎むのは何故だ?
何かしたのだろうか。
宮地とはこの高校に入学して初めて会ってる。
しかも、イジメが始まったと記憶してるのは入学してすぐだった…。
僕が彼に何かをする暇すらなかったはずなのに…。
ザワザワする胸の奥…森の迷路にいきなり迷い込んで右往左往してる自分を想像してしまった。
落ち着け…それを解明して解決する為に、僕は情報を集めてるはずだ。
こんな事でビビってたまるか!
迷うな…自分を信じろ!
宮地が本気で僕を嫌っている事に、少なからずショックを受けて動揺したが、何度も深く深呼吸して自分を取り戻した。
…僕は…負けない…!
けど…僕にそれは当てはまるのかな…ここに来て急にやる事がいっぱいで毎日がやっとの事で過ぎていく。
でも、それを言ったら華京院もどうなんだろう。
それなりに青春は謳歌したのかな…。
あ、そもそも僕は詳しい年齢を教えて貰えてない。
奈落の18歳ってのも曖昧な感じで怪しかったし…まさか照れてただけかな。
まあ、双子の神楽さんが普通二輪バイクに乗ってたって事は16歳以上…やっぱり18歳かな?
それとも…彼らにとっては今現在が青春真っ只中なのかもしれない。
ふむ…青春って一概には言えないんだな。
人それぞれって事かな。
僕に青春を謳歌できる日はやって来るのかな…。
多分、まだ過ぎてはいないはずなんだけど。
今年…確かに僕の人生は変わり始めてる。
青春のスタートライン…もしかして、僕はやっとそこに辿り着いたばかりなのかもしれない。
昼休みに恋バナをしたせいか、僕の頭の中で青春とはなんぞや…という問いかけが頭の中をグルグルと駆け巡っていた。
午後の体育の時間も、そんな事で頭がいっぱいで全然集中出来なくて、飛んで来たバスケットボールを顔面で受け止めてしまった。
体育館の端っこでタオルを顔にかけながら、死人さながらで横になった。
ズキズキする鼻の頭をさすりながら、放課後へ向けての一休みのつもりで、体力を温存した。
以前ならこんな事があれば、痛みと悔しさで歯ぎしりするしかなかったのに…今じゃ、それを逆手に取って自分の利にする事が出来て来た。
考え方ひとつ…奈落のプラス思考の影響かな。
他人を恨んだり憎んだりする時間なんて無駄で、勿体ない。
エネルギーはそんな事の為に使うものじゃないはずだ。
「おい。動くな!
そのままの姿勢で聞け。
話してると思われたくない。」
僕の頭上で攻撃的で刺すような、声が聞こえて来た。
…宮地…!
しまった。
ジャージの今、僕はICレコーダーを装備してない!
「言っておく。
俺はお前が嫌いだ。
弱いままで生きられると思って、努力もしないで逃げてばかりの奴を俺は…認めない!」
心の奥から響く、敵意…。
僕は言葉を返す事すら考えられなかった。
この広い体育館に僕と奴しか居なくて…灯りもスポットライト1つに照らされてるような…孤独と憎しみの空気が、僕を包んだ。
ダンダダン!
僕の頭上で足踏みを大きくして、威嚇して宮地はその場を立ち去った。
それほど…早川さんに近づいたのが嫌だったのか…?
いや…違う…。
そんな単純な理由ではない…感覚的に僕はそう悟った。
グチャグチャしてドロドロして…苦しいくらいのあの敵意…。
僕をそれ程に嫌い、憎むのは何故だ?
何かしたのだろうか。
宮地とはこの高校に入学して初めて会ってる。
しかも、イジメが始まったと記憶してるのは入学してすぐだった…。
僕が彼に何かをする暇すらなかったはずなのに…。
ザワザワする胸の奥…森の迷路にいきなり迷い込んで右往左往してる自分を想像してしまった。
落ち着け…それを解明して解決する為に、僕は情報を集めてるはずだ。
こんな事でビビってたまるか!
迷うな…自分を信じろ!
宮地が本気で僕を嫌っている事に、少なからずショックを受けて動揺したが、何度も深く深呼吸して自分を取り戻した。
…僕は…負けない…!
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