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スパイ活動と保健室同盟(仮)
第12話
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あとはやはり、情報収集だ。
目指す方向が見えたという事は、パズルの土台が現れたって事だ。
残りの情報という名のピースをより集めて、パズルを…イジメ解決のパズルを完成させるんだ!
…さっきの廊下での出来事…早川さんの耳に入ってるかも…。
それを想定しなきゃいけないな。
引かれてしまうと、接触するのがかなり難しいな。
それこそ、何かキッカケがあればいいんだけど…。
図書室か…数えるくらいしか行った事ないけど…。
あそこの担当の先生もわからないし…。
あ!先輩や加納先生に聞けばいいのか。
今朝は誰も来なかったけど、昼休みは必ず誰かがやって来る。
前情報を手に入れよう。
よし、保健室同盟(仮)の活動内容の件と合わせて聞いてみよう。
図書委員のサイクルについても知ってるかもしれない。
情報収集のやり方が少しずつわかるようになってきた。
多方面からの情報を集める事が、目的の情報を手に入れる為の最短距離なんだ。
授業中、スクリーンの文字を写しながらも頭の中は、そんな事でいっぱいになっていた。
危うく、また日直である事を忘れそうになったりしながら、昼休みまでなんとか無事に過ごしだ。
昼休みのチャイムが鳴ると同時に、僕は急いで保健室を目指した。
「あ!有村君!」
廊下を急いで歩く僕は呼び声のした階段に視線を移した。
「神谷先輩!こんにちわ。」
「こんにちわ。保健室だろう?
一緒に行こう。」
階段から早足で、神谷先輩は降りて来た。
「今朝は参ったよ。
土屋さんに付き合わされて。」
「えっ?土屋先輩に?」
「ほら。音楽室の美少年!
せめて写真でも撮りたいからって、引っ張られたんだけど…結局、待てど暮らせど現れなくてね。」
「ああ。
そんなに土屋先輩は気になってたんですか?
お気の毒様と言うか何というか…。」
「お気の毒は君の方だろ。
噂、2階まで上がって来たよ。
頭からジュースかけられたって。
最悪な奴らだなそいつ。」
「あははは。ですね。
でも、大丈夫です。
ジュースも残り少しだったみたいで、髪しか濡れませんでした。
すぐに水洗いしましたし。」
「…強いな、有村君は。」
まさか、自分から仕掛けに行ったなんて、口が裂けても言えないや。
でも、やっぱり噂は広まるのが早いな…。
教師が騒ぐまで行ってないのが、救いといえば救いなんだけど…。
これはやっぱり、十中八九…早川さんの耳には入っているだろうな。
これは、どうにかしないと…。
保健室に2人で入ると、すでに土屋先輩が居て何故か仁王立ちで待ち構えていた。
「待ってたのよ!保健室同盟(仮)の諸君!」
げっ…何だか土屋先輩は変なスイッチでも入ったかの様に薄ら笑いを浮かべていた。
神谷先輩と僕は雰囲気に飲まれて、引き気味に移動して、各々椅子に座った。
「いやぁ…土屋さん、どうしたんだい?
今日は朝から、テンション高いね。」
「もう!アレから色々考えてたのよ。
保健室同盟(仮)の事。
せっかくの同盟を組んだ仲間なんだから何か活動したいなって。」
「ああ!ソレ。
僕も気になってました。
名前だけってのも…なんか変だなって。
活動目的があれば楽しいんじゃないかって。」
僕は身を乗り出して食い気味に言ったが、神谷先輩はかなり困惑した表情で真剣に口を開いた。
「…けど…重苦しいのは嫌だなぁ。
せっかく、イジメやら弾かれてるからここに癒しの場を設けてる訳だし。
ヘタに目立つ事をするのも…。」
確かにそうだ。
その点は僕らの境遇上キチンと踏まえた上での活動内容にしないといけないはず…僕は神谷先輩の意見に頷いた。
目指す方向が見えたという事は、パズルの土台が現れたって事だ。
残りの情報という名のピースをより集めて、パズルを…イジメ解決のパズルを完成させるんだ!
…さっきの廊下での出来事…早川さんの耳に入ってるかも…。
それを想定しなきゃいけないな。
引かれてしまうと、接触するのがかなり難しいな。
それこそ、何かキッカケがあればいいんだけど…。
図書室か…数えるくらいしか行った事ないけど…。
あそこの担当の先生もわからないし…。
あ!先輩や加納先生に聞けばいいのか。
今朝は誰も来なかったけど、昼休みは必ず誰かがやって来る。
前情報を手に入れよう。
よし、保健室同盟(仮)の活動内容の件と合わせて聞いてみよう。
図書委員のサイクルについても知ってるかもしれない。
情報収集のやり方が少しずつわかるようになってきた。
多方面からの情報を集める事が、目的の情報を手に入れる為の最短距離なんだ。
授業中、スクリーンの文字を写しながらも頭の中は、そんな事でいっぱいになっていた。
危うく、また日直である事を忘れそうになったりしながら、昼休みまでなんとか無事に過ごしだ。
昼休みのチャイムが鳴ると同時に、僕は急いで保健室を目指した。
「あ!有村君!」
廊下を急いで歩く僕は呼び声のした階段に視線を移した。
「神谷先輩!こんにちわ。」
「こんにちわ。保健室だろう?
一緒に行こう。」
階段から早足で、神谷先輩は降りて来た。
「今朝は参ったよ。
土屋さんに付き合わされて。」
「えっ?土屋先輩に?」
「ほら。音楽室の美少年!
せめて写真でも撮りたいからって、引っ張られたんだけど…結局、待てど暮らせど現れなくてね。」
「ああ。
そんなに土屋先輩は気になってたんですか?
お気の毒様と言うか何というか…。」
「お気の毒は君の方だろ。
噂、2階まで上がって来たよ。
頭からジュースかけられたって。
最悪な奴らだなそいつ。」
「あははは。ですね。
でも、大丈夫です。
ジュースも残り少しだったみたいで、髪しか濡れませんでした。
すぐに水洗いしましたし。」
「…強いな、有村君は。」
まさか、自分から仕掛けに行ったなんて、口が裂けても言えないや。
でも、やっぱり噂は広まるのが早いな…。
教師が騒ぐまで行ってないのが、救いといえば救いなんだけど…。
これはやっぱり、十中八九…早川さんの耳には入っているだろうな。
これは、どうにかしないと…。
保健室に2人で入ると、すでに土屋先輩が居て何故か仁王立ちで待ち構えていた。
「待ってたのよ!保健室同盟(仮)の諸君!」
げっ…何だか土屋先輩は変なスイッチでも入ったかの様に薄ら笑いを浮かべていた。
神谷先輩と僕は雰囲気に飲まれて、引き気味に移動して、各々椅子に座った。
「いやぁ…土屋さん、どうしたんだい?
今日は朝から、テンション高いね。」
「もう!アレから色々考えてたのよ。
保健室同盟(仮)の事。
せっかくの同盟を組んだ仲間なんだから何か活動したいなって。」
「ああ!ソレ。
僕も気になってました。
名前だけってのも…なんか変だなって。
活動目的があれば楽しいんじゃないかって。」
僕は身を乗り出して食い気味に言ったが、神谷先輩はかなり困惑した表情で真剣に口を開いた。
「…けど…重苦しいのは嫌だなぁ。
せっかく、イジメやら弾かれてるからここに癒しの場を設けてる訳だし。
ヘタに目立つ事をするのも…。」
確かにそうだ。
その点は僕らの境遇上キチンと踏まえた上での活動内容にしないといけないはず…僕は神谷先輩の意見に頷いた。
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