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保健室同盟(仮)と前期図書委員
第50話
しおりを挟む「早川さんが、そのストッパー役と考えれば、新人図書委員への情報操作が可能だ。
証拠品の修復も彼女を専門担当にする事で、他の新人委員に不審を抱かせない。」
「証拠隠滅を含めれば一石二鳥になる訳ですね。」
「と、とにかく、じゃあ…早川さんについては、現図書委員1年、本の修復(証拠隠滅?)、怪人の共犯?…でいいかしら?」
土屋先輩は付箋にまとまるようにして、情報を書いた。
神谷先輩と僕は同時に頷いた。
「続いて、宮地君について。
ここは、有村君主導でお願いするよ。」
「あ、はい。
宮地については、早川さんとの幼馴染み関係から、協力してると思われます。」
「彼は図書委員ではないよね。
幼馴染みとはいえ、仲間に入れるにはリスクがあるよね。」
「…そこは、僕が原因かと…。」
僕は土屋先輩にもわかるように、宮地と僕の関係、そして、早川さんが2人同時に助けたいと、こういう行動に出ている経緯を説明した。
「うわ~!なんていい子なの!早川さん!
優しいし、けど、真の強さは持ってる!
くぅ~!妹にしたいわ!」
「土屋さん、こらこら、変な方向に行ってるから!
軌道修正して!
すぐに妄想に走るのやめて!ったく!この人は!」
「はは…。
けど、早川さんがいい人なのは、間違いありません。
そして、宮地を更生させる為にリスク覚悟で仲間に入れた。
宮地は怪人に直接関わってるというより、早川さんに頼まれて従ってるのかと…。」
「詳しい事情は知らずに、幼馴染みを手伝っている…と?」
「大まかには話してるかも知れませんが…。
詳しく話すには、図書委員の内情まで説明しないといけなくなるんじゃないでしょうか。
前期の図書委員の話しとか…。」
「ん…確かに。」
「じゃあ、宮地君は早川さんと幼馴染み関係。
あとは…早川さんを通しての共犯?
って感じかしら。」
「あ、旧校舎とゲージも忘れずに。
きっと意味があるはずだ。」
「怪人の所に雨天、シートってのも付け加えておいて下さい。
多分、それらも何かしらのつながりがあるはずですし。」
「OK、オーケー!
っと、早川さんと宮地君をつなぐ線の付近に、旧校舎とその鍵、そしてゲージを貼るわね。
で、三谷先輩、早川さんと怪人の三角中心に、雨天シート使用。
これで、いいかしら?」
うん!見た目、かなり整理して見られる。
「ん、かなり見やすくなったよ。
次は、重谷先輩と神部先輩だね。
と、重谷先輩はまだ謎や情報少ないから最後に。
神部先輩は交通事故との関係性もあり得るので、事故の情報をまとめて行こう。」
僕はICレコーダーから書き留めた、高橋先輩から得た情報を読み始めた。
「図書委員には自ら入っていたようです。
そして、重谷先輩を誘ったのは神部先輩。
事故は去年の12月。
雪が散らつく寒さでした。
作業の引き継ぎや何やらで、帰宅が遅れた神部先輩が帰り道でひき逃げ事故に遭った。
事故以降は入院で、一度も図書室どころか学校には登校していません。
進学も、出来なかった。」
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