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エピローグ

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 あの事件から10年が過ぎた。

 キーン!

「はぁ、はぁ、アリア先生、強すぎますよ!」
「私には勝てないよ。でも、前よりも強くなったね!」
「ありがとうございます!」
「次は私の相手をしてください!」
「いいよ!」

 アリアは、学校の剣術の先生として活躍している。
 誰が何を言おうと、剣術のスペシャリストであるので、生徒からも人気が高い。
 そして、4人は戦いの場にいた。

 グワァァー!!!

「ダリア、シェリー、動きを止めてください!」
「任せたまえ!(キラーン)」
「おっけぃー」

 ビリビリビリ!

「ナイスだぜ!」
「あとは、私たちでいきますよ!」
「おう!」

 シャキーン!

 グウゥゥゥ

「お疲れ様です。討伐完了です!」

 4人は、騎士団の団員として戦場に足を運んでいる。
 コンビネーションが完璧で、いつも最速で討伐してくるそうだ。
 そうして、魔王のオズはと言うと……

「先生、この技ってどうすればできますか?」
「空気に波を送るようにしてみろ」
「はい!」

 ブワァァ!

「できた! ありがとうございます!」
「僕も教えてください!」
「私も!」
「俺も!」
「1人ずつな」
「「「ありがとうございます!」」」

 オズは、人間に対して魔法を教えていた。
 もちろん、姿は魔王のままである。
 そう、今の世界では、人間と魔族が同じ場所を共有している。
 あの事件以来、人間はオズのことを信頼し、魔族との共存が認められた。
 魔族側はと言うと、魔王からの話しなどによって多くの魔族が人間界に降りてきた。

「オズ、そろそろ行くよー」
「もうそんな時間なのか。わかった」

 今日は、Sクラスのみんなと久しぶりに会うのだ。
 オズとアリアは、同じ学校にいるため。よく会っている。
 しかし、騎士団の4人とはしばらくの間、会っていない。


 ◆


「魔族が来てから、生活が一変したよな!」
「本当にみんな、楽しそうにしているよ」

 酒場で6人がお酒飲んでいる。
 オズとアリアは、転生してから初めてのお酒だ。
 魔族が来てから、人間ができないような空での活動や、肉体労働、街の治安維持など、様々な場面で魔族が活躍している。
 初めはお互いが殺されないか不安があり、謎の緊張状態が続いていたが、次第に仲良くなっていった。

「お酒には悪い思いでしかないな」
「私もだよー」


 1時間後……


「オズゥ! どうしてあなたの方が子供たちに人気なのよ!」
「子供はみんな、剣術よりも魔法が好きなんだよぉ!」
「ちょっと、2人ともそこら辺に……」
「「うるさい!!!」」
「ご、ごめんなさい……」
「あ、漏れてるぅ」

 2人はついつい飲みすぎてしまったようで、完全に酔っている。
 ダリアが仲裁に入ったが、最強の2人に圧倒されてしまい、お漏らししてしまった。

「剣術の方が魔法よりも強いわよぉ!」
「魔法に決まってるだろぉ!」
「じゃあ、今勝負しましょうぉ!」
「いいだろぅ!」

 シュン!

「2人にお酒は厳禁だったね(キラーン)」

 ドガァァン!!!

 バアァァン!!!

 ドガァァン!!!

 バアァァン!!!

 2人の激しい戦いが始まった。
 酔っていても街の人の安全は第一に考えられるようで、街から離れた場所で戦っている。
 それにも関わらず、戦いの衝撃が街まで伝わってくる。
 そうして、一歩も譲らない、激しい攻防が1時間も続いた。

「はぁ、はぁ、流石はオズね。でも、次で倒すわよ」
「はぁ、はぁ、気分が悪い。アリアの奴、私にも効く状態異常の魔法を使っているのか⁉ まずい、ここは1度みんなの元に行って、助けてもらおう」
「行くわよ!」
「まずい、来るぞ!」

 2人とも限界が来ているが、オズの方がお酒の弊害が出ている。
 しかし、オズはそれがお酒ではなく、アリアの魔法だと勘違いしている。
 一方のアリアは、次の攻撃で完全に仕留める気でいる。
 んんん? この状況、どこかで……

瞬間移動テレポート!」
「無魔法【輪廻の転生リンカーネイション】……ってあれ、これってまさか――」

 シュン!

「あれ? オズがどこかに行ったわ?」

 気が付いた時には、オズの身体はその場から消失していた。
 こうしておずは再び、最後の力を振り絞って転生魔法を行使してしまった。


 ◆


「おぎゃあ! おぎゃあ!」

 小さな村に、男の子が生まれた。

「またやってしまった……」

『泥酔魔王の過失転生』この物語は、まだ始まったばかりだ。
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