底辺ハンターのリベンジダンジョン！～モンスターに全てを奪われたので、雑魚の俺が最強の役職『覚醒者』を駆使して復讐しようと思います～

第五十九話 奇跡の復活

「これでお前もあの世に送ってやる！」
「くっ、進しんくんは、目を覚まさなかったのか。これまでか……」

　愛人あいとくんは、魔王の目の前で倒れている。
　魔王は、既にとどめを刺す準備をしていた。

「……うっ、っ……っ、私のせいで……」

　私は、進しんの目を覚まさせるどころか、間違って強力な雷魔法で攻撃してしまった。
　罪悪感でいっぱいになり、ただ泣くことしかできなかった。

　―ドゴゴゴゴゴ

　魔王の手から、魔力の籠った球が作られていく。

「これで終わりだ！」
「超魔術　【魔弾ザーク！】」

　―ドゴゴゴゴゴ

　魔王が放った魔術は、愛人あいとくんに向かってゆっくりと近づいていく。
　愛人あいとくんは、身体がボロボロで避けることができない。
　私は、魔力を使い切ってしまい、何もすることができない。

「もう、無理だ……」

　私は、全てを諦めて、目をゆっくりと閉じた。
　そして、そのまま横になろうとした時……

「優羽ゆう、ありがとう。助かった」
「え……？　この声は……」

　その時、私に声を掛けながら、横を誰かが通った。
　その声は、昔から聞いていたあの声だった。

「これでお前もあいつと同じ所へ行けるぞ！」
「あいつって、誰のことだ？」
「なっ⁉」

　―ドガァァァン！！！

　私の横を通り過ぎた人は、魔王を簡単に吹っ飛ばすと、魔術も消して見せた。
　そして、私の前で倒れていた人は、そこにはおらず、愛人あいとくんの所にいた。

「進しん！　目を覚ましたんだね！」
「おう、お陰様でな。迷惑かけたよ」
「うっ、っ、よかった……」
「泣くなって、まだ終わってないぞ」

　進しんは、いつものように笑って見せた。
　私は、安心してしまい、涙が勝手に流れてしまった。

「進しん、くん、よかった、あとは、任せるよ」
「すまなかったな、愛人あいと。後は任せてくれ。優羽ゆう、愛人あいとの傷を治してくれ」
「私、もう、魔力が尽きちゃって……」
「スキル　【魔力増強バースト】」

　―ゴゴゴゴゴ

「っ⁉　何なの、この感じ⁉」

　進しんがスキルを使うと、私の魔力が一気に増える感じがした。

「魔力量を増やしただけだ。これで治療できるだろ？」
「うん、ありがとう」
「そっちは任せたぞ」

　そう言うと、進しんは魔王が飛んでいった方に向かって行った。
　その姿は昔、私がいじめられていた時に助けてくれた優しくて勇敢な姿と同じだった。

「絶対に勝って！　私も頑張るから！」

　そう呟くと、私は愛人あいとくんの治療に取り掛かった。


　―――


　優羽ゆうに愛人あいとの治療を任せた後、俺は魔王の元へと歩いていく。

「おい、そんなんじゃあ死なないだろ？」
「もう一度、私に殺されに来たのか？」

　魔王は、傷一つない状態で起き上がってきた。
　流石に、あの程度では傷を付けられない。

「そんな訳ないだろ。倒しに来たんだよ、二度目のリベンジだ！」
「フンッ、面白いことを言う」
「笑ってろ。それより、早く始めるぞ。こっちは時間が無いんでな」
「望むとこ……っ⁉」

　―ドガァァァン！！！

「遅いぞ、本気でやれ」
「クッ、わ、私が目で追えなかっただと⁉」

　魔王は、俺の攻撃の速さに驚いているようだ。
　俺は、自分の身体の動きがものすごく変化したことを、改めて実感する。

「本気を出さないと危険だな。いいだろう、本気を見せてやろ！」
「はアァァァァァァ！！！！！！」

　―ドゴゴゴゴゴ

　地面に転がっている石や岩が、重力に逆らって浮いている。
　それ程までに、魔王の能力が向上しているのだろう。

「ヤァァァァァァ！！！」

　―バーン！！！

「待たせたな。それじゃあ始めようか」

　魔王は、先ほどまでとは全く違うオーラを放っており、格段に強くなっている。
　しかし、俺は臆することなく、魔王に立ち向かう。

「そうだな、ラストバトルだ！」

　そうして、最後のリベンジバトルが始まった。


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　＜廻神　進（えがみ　しん）＞

　・役職　超覚醒者
　・職業　未開放
　
　・スキル　全知全能パーフェクトスキル


　レベル　999/999　（次のレベルまでの必要経験値0）
　体力　　999/999
　打撃力　999/999
　防御力　999/999
　魔力　　999/999
　瞬発力　999/999

　制限時間　残り00:29;40

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