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第二十六話 謎のスキル【解呪】
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「よし、やるか!」
俺は、協会の練習場に来ている。
これから、神宮寺さんとの戦いに向けて修行を始めようとしている。
「まずは、スキルの確認からだな」
まず初めに、一三〇個もあるスキルの効果を一つ一つ確認していくことから始める。
気が遠くなりそうだが、勝つためには絶対に必要な作業だ。
俺は、目の前にある人形に向かってスキルを使っていく。
「一つ目、【炎爆!】」
―バァーン!
「この人形、意外と頑丈なんだな」
人形は少し傷ついただけで、特に目立った傷跡は無かった。
流石、協会だと思いながらも続ける。
「二つ目、【刹那!】
―ピュン!
「三つ目、【雷撃!】」
―ビリビリビリ!
「四つ目、【除毛!】」
―ツルンッ!
「うん、めっちゃきれいに剃れてるよ」
こんな調子で時々、休憩を挟みながら大量にあるスキルを使っていった。
中には、【筋肉】や【俊足】などの能力値向上スキルも存在した。
そして、遂に一三〇個目のスキルまでやってきた。
「最後は、【解呪】か。状態異常回復だからな。どうしようか……」
最後のスキル【解呪】は、ある特定の状態異常を治すという説明があった。
そのため、事前にどのような状態異常を治せるのかを知りたいのだが、俺は状態異常の魔法を使うことができない。
どうしようかと迷っていたら、俺を呼ぶ声が聞こえた。
「進! やっほー!」
「おう、優羽か」
「ここで練習してるって聞いて、差し入れ持ってきたよ」
その声は、優羽のものであり、手には差し入が入っているであろう籠を持っていた。
いつもの匂いがしている差し入れの内容は、聞かなくても分かってしまう。
「じゃん! 優羽ちゃん特性オムライスだよ!」
「あ、ありがとう。いっぱいあるし、一緒に食べようか」
優羽が持ってきたのは、もちろん大量のオムライスだ。愛妻弁当と言ってもいいだろう。
俺が一人で食べきれる量ではないので、いつも一緒に食べてもらうのだが、ほとんどが優羽の胃の中へと吸い込まれている。
すると、俺は【解呪】を試す方法を思いついた。
「優羽、状態異常魔法って使えるか?」
「うん、使えるよ」
「ちょうどよかった! それじゃあ、一個ずつあの人形に使ってくれるか?」
優羽が状態異常魔法を使えるということなので、【解呪】の効果を試すことができそうだ。
「いいけど、何するの?」
「スキルの効果を確認したいんだ」
「なるほど、いいよ! ほい!」
「無詠唱かよ……」
いつの間にか、優羽は無詠唱で魔法を使うことができていた。
これは、かなりの実力が付いてきた証拠だろう。
頑張っているのは、俺だけではないようだと改めて実感した。
そうして、人形には『麻痺』状態になっていた。
「よし、やってみるか。【解呪!】」
「……」
「何も起きないね」
スキルを使ってみたが、何の変化もなかった。
麻痺にこのスキルは使えないようだ。
「麻痺状態は治せないのか。よし、次だ!」
「おっけー! ほい!」
またまた無詠唱で魔法を使っている。次は、『呪縛』である。
そして、よく見ると魔術師の姿へと変身していない状態であった。
魔術師は、変身することによって力を最大限に引き出すことができ、変身前だと魔法を使うだけで身体に負荷がかなりかかってしまう。
しかし、優羽はそんなことを気付かせないほどの余裕があった。
もしかしたら、今の優羽はかなり強いのかもしれない。
「こいつ、強くなりすぎだろ。まあいいや、【解呪!】」
「……」
「これも何も起きないねー」
再びやってみるが、またまた何の変化もない。
このスキルが使えるのは呪縛では無いようだ。
「次だ!」
「ほい!」
「ダメだ! 次!」
「ほい!」
こんな調子で、次々にスキルを使っていく。
そして、優羽の使うことのできる魔法を全て試してみたが、一つもスキルの効果が発動したものは無かった。
「本当にこのスキル、効果あるのか?」
「全部やってみて、効果ないんだったら使えないんじゃない?」
「やっぱりそうだよなー」
俺は、このスキルの効果が無いものとして考えることにした。
そのため、俺の持っているスキルは、一二九個となる。
これからは、このスキルの最善の組み合わせを考えなければならない。
―ギュゥゥゥ
「ねえ進、お腹空いたでしょ? そろそろオムライス食べようよー」
「絶対に自分が食べたいだけだろ」
「違うもん!」
「わかったよ。食べよう(可愛すぎだろ)」
「やったー!」
優羽は、自分のお腹が鳴ると、持ってきた差し入れを食べようと提案してきた。
少しだけからかってみると、優羽は子どもの様に頬を膨らませて怒った。
その幼稚さの破壊力はとんでもなく、俺の心は完全に奪われてしまった。
「「いただきまーす!」」
―モグモグモグ
「やっぱりめっちゃ美味いな!」
「でしょー!」
いつも思うのだが、優羽の作るオムライスはお店で食べるくらいのクオリティーである。
まあ、オムライス以外は作らないのだから、自然とそうなるのかもしれないが。
「「ごちそうさまでしたー!」」
そうして、俺は美味しく一人前を完食した。
優羽は、俺の十倍を簡単に完食した。
「それじゃあ、私は行くね。頑張ってね!」
「うん。ありがとう」
「ばいばーい!」
優羽は、元気な笑顔で手を振りながら、練習場を去っていった。
俺は、優羽から元気をもらい、より気合が入る。
「それじゃあ、頑張るか!」
そうして、俺の七日間の修行が始まった。
俺は、協会の練習場に来ている。
これから、神宮寺さんとの戦いに向けて修行を始めようとしている。
「まずは、スキルの確認からだな」
まず初めに、一三〇個もあるスキルの効果を一つ一つ確認していくことから始める。
気が遠くなりそうだが、勝つためには絶対に必要な作業だ。
俺は、目の前にある人形に向かってスキルを使っていく。
「一つ目、【炎爆!】」
―バァーン!
「この人形、意外と頑丈なんだな」
人形は少し傷ついただけで、特に目立った傷跡は無かった。
流石、協会だと思いながらも続ける。
「二つ目、【刹那!】
―ピュン!
「三つ目、【雷撃!】」
―ビリビリビリ!
「四つ目、【除毛!】」
―ツルンッ!
「うん、めっちゃきれいに剃れてるよ」
こんな調子で時々、休憩を挟みながら大量にあるスキルを使っていった。
中には、【筋肉】や【俊足】などの能力値向上スキルも存在した。
そして、遂に一三〇個目のスキルまでやってきた。
「最後は、【解呪】か。状態異常回復だからな。どうしようか……」
最後のスキル【解呪】は、ある特定の状態異常を治すという説明があった。
そのため、事前にどのような状態異常を治せるのかを知りたいのだが、俺は状態異常の魔法を使うことができない。
どうしようかと迷っていたら、俺を呼ぶ声が聞こえた。
「進! やっほー!」
「おう、優羽か」
「ここで練習してるって聞いて、差し入れ持ってきたよ」
その声は、優羽のものであり、手には差し入が入っているであろう籠を持っていた。
いつもの匂いがしている差し入れの内容は、聞かなくても分かってしまう。
「じゃん! 優羽ちゃん特性オムライスだよ!」
「あ、ありがとう。いっぱいあるし、一緒に食べようか」
優羽が持ってきたのは、もちろん大量のオムライスだ。愛妻弁当と言ってもいいだろう。
俺が一人で食べきれる量ではないので、いつも一緒に食べてもらうのだが、ほとんどが優羽の胃の中へと吸い込まれている。
すると、俺は【解呪】を試す方法を思いついた。
「優羽、状態異常魔法って使えるか?」
「うん、使えるよ」
「ちょうどよかった! それじゃあ、一個ずつあの人形に使ってくれるか?」
優羽が状態異常魔法を使えるということなので、【解呪】の効果を試すことができそうだ。
「いいけど、何するの?」
「スキルの効果を確認したいんだ」
「なるほど、いいよ! ほい!」
「無詠唱かよ……」
いつの間にか、優羽は無詠唱で魔法を使うことができていた。
これは、かなりの実力が付いてきた証拠だろう。
頑張っているのは、俺だけではないようだと改めて実感した。
そうして、人形には『麻痺』状態になっていた。
「よし、やってみるか。【解呪!】」
「……」
「何も起きないね」
スキルを使ってみたが、何の変化もなかった。
麻痺にこのスキルは使えないようだ。
「麻痺状態は治せないのか。よし、次だ!」
「おっけー! ほい!」
またまた無詠唱で魔法を使っている。次は、『呪縛』である。
そして、よく見ると魔術師の姿へと変身していない状態であった。
魔術師は、変身することによって力を最大限に引き出すことができ、変身前だと魔法を使うだけで身体に負荷がかなりかかってしまう。
しかし、優羽はそんなことを気付かせないほどの余裕があった。
もしかしたら、今の優羽はかなり強いのかもしれない。
「こいつ、強くなりすぎだろ。まあいいや、【解呪!】」
「……」
「これも何も起きないねー」
再びやってみるが、またまた何の変化もない。
このスキルが使えるのは呪縛では無いようだ。
「次だ!」
「ほい!」
「ダメだ! 次!」
「ほい!」
こんな調子で、次々にスキルを使っていく。
そして、優羽の使うことのできる魔法を全て試してみたが、一つもスキルの効果が発動したものは無かった。
「本当にこのスキル、効果あるのか?」
「全部やってみて、効果ないんだったら使えないんじゃない?」
「やっぱりそうだよなー」
俺は、このスキルの効果が無いものとして考えることにした。
そのため、俺の持っているスキルは、一二九個となる。
これからは、このスキルの最善の組み合わせを考えなければならない。
―ギュゥゥゥ
「ねえ進、お腹空いたでしょ? そろそろオムライス食べようよー」
「絶対に自分が食べたいだけだろ」
「違うもん!」
「わかったよ。食べよう(可愛すぎだろ)」
「やったー!」
優羽は、自分のお腹が鳴ると、持ってきた差し入れを食べようと提案してきた。
少しだけからかってみると、優羽は子どもの様に頬を膨らませて怒った。
その幼稚さの破壊力はとんでもなく、俺の心は完全に奪われてしまった。
「「いただきまーす!」」
―モグモグモグ
「やっぱりめっちゃ美味いな!」
「でしょー!」
いつも思うのだが、優羽の作るオムライスはお店で食べるくらいのクオリティーである。
まあ、オムライス以外は作らないのだから、自然とそうなるのかもしれないが。
「「ごちそうさまでしたー!」」
そうして、俺は美味しく一人前を完食した。
優羽は、俺の十倍を簡単に完食した。
「それじゃあ、私は行くね。頑張ってね!」
「うん。ありがとう」
「ばいばーい!」
優羽は、元気な笑顔で手を振りながら、練習場を去っていった。
俺は、優羽から元気をもらい、より気合が入る。
「それじゃあ、頑張るか!」
そうして、俺の七日間の修行が始まった。
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