上 下
23 / 63

第二十二話 歴代最強の技【能力完全開放】

しおりを挟む
「「おりゃぁぁぁ!!!」」
「スキル【炎爆フレイムバースト!】」
「氷属性魔法【凍結フリーズ!】」

 ―バーン!

「おい、どうしてその魔法を使うんだよ!」
「そっちだって、わざわざそのスキルつかわなくてもいいでしょ!」

 俺が使ったスキルと、優羽ゆうの使った魔法の相性が悪かったので、獣狼牙ボルガートに当たる前にお互いにぶつかって消滅した。
 俺は、優羽ゆうと言い争いになった。

 ―グワァァ!!!

「まずい、避けろ!」
「ちゃんと作戦を立てようよ! じゃないと私たちが危険だよ!」
「それもそうだな。どんな作戦にしようか……」

 ―バーン!

 獣狼牙ボルガートは、勢いよくダンジョンの壁を攻撃した。
 攻撃した部分は、綺麗に削り取られていた。

「あ、これなら絶対に倒せる!」

 俺は、獣狼牙ボルガートを倒すための最善のアイデアを思い付いた。
 我ながら、天才的な発想だと思うな。ハッハッハー!

「何するの?」
「まあ、見ててよ。優羽ゆうは、悠斗ゆうとたちのことを魔法で守ってほしい」

 俺が今からしようとしていることは、恐らく過去最高の威力となるだろう。
 それに、これをできるのは俺だけだろう。ハッハッハー!

「わかったわ。絶対に倒してよね!」
「任せろ!」

 そう言うと、優羽ゆう悠斗ゆうとたちの元に向かった。

「それじゃあ、下準備でも始めようか!」
「スキル【炎爆フレイムバースト!】」

 ―ドガァァン!

「地面にスキルを使うなんて、何をする気なの?」

 俺は、地面にスキルを使って大きな穴を開けた。

「これで下準備は完了したな。後は……」

 ―グリュゥゥゥ

「逃げ回れー! わぁー!!!!!!」

 ―グワーッ!!!

 俺は、優羽ゆうの準備ができるまで逃げ回るつもりだ。
 ぎりぎり逃げきれているが、いつ摑まるかわからない。
 早く準備してくれと強く願いながら、逃げ回る。

優羽ゆうさん、どうしたんですか?」
しんに言われたの」
神秘の壁バリア!」

 ―ヒュゥン!

 神秘の壁バリアは、みんなをドーム状に包んだ。
 優羽ゆうは、魔法を使ってみんなのことを守る準備ができた。

「準備できたよ!」
「うわぁ! お、ナイスタイミング!」

 ―ドガァァン!

 俺は、ちょうど炎爆フレイムバーストで作った穴に獣狼牙ボルガートを落とした。何事もなかったかのように言っているが、逃げ回っている間に俺のズボンが獣狼牙ボルガートに食べられてしまった。
 つまり、俺の今、小さくて薄い布が俺の下半身を覆っているだけなのだ!

「ズボンの恨みを晴らしてやる! これで終わりだ!」

 そうして俺は、上空へと高く飛び、穴の中で暴れている獣狼牙ボルガートを確認すると、そこに向かって最終奥義を使う。

「最終奥義 スキル 【能力完全開放オールリブ!!!】」

 ―ドガァァン!
 ―ビリビリ!
 ―キーン!
 ―ゴゴゴゴゴ!
 ―ドドドドド! 
 ……………………

 そう、俺の考えた最終奥義とは、持っているスキルを全て使うことだ!
 これなら、どんなモンスターでも倒すことができるだろう。

 ―ビュゥゥゥゥ!!!

「くっ、もの凄い威力。風圧で神秘の壁バリアが壊れそうだわ!」
「す、凄すぎる。これが見習いハンターだなんて信じられない……」

 優羽ゆうは、必死になって神秘の壁バリアを張り続けている。
 一瞬でも気を抜けば、簡単に壊れてしまうだろう。
 悠斗ゆうとたちは、それを見て驚きと感動が交じり合っている。

 ―グワァァァァァァ!!!


 ~~~~~~

 モンスターを倒しました
 レベルが最大になりました

 ~~~~~~


「どうだ! 俺はもう弱くなんてないぞー!!!」

 獣狼牙ボルガートは、跡形もなく消え去ってしまった。
 それもそうだろう、俺の持っているスキルは100を越しているのだから。

しん! やったわね! って、何よその格好は!」
「アハハ、獣狼牙ボルガートに食われた」
「もう、これでも巻いてて!」
「センキュー!」

 優羽ゆうが、笑顔で俺の元に来たが、俺の下半身を見るとすぐに顔を赤らめて手で隠した。
 そうして、持っていたタオルを渡してくれた。

「討伐記念に覚醒するぜ!」
「どんなスキルがゲットできるかな」

 俺は、初の高ランクモンスターの討伐祝いに覚醒することにした。
 そして、元気よく覚醒を行う!

「いくぜ! 覚醒!」

 ―ピコン!
 ―覚醒が完了しました
 ―スキルを取得しました

「どんなスキルだろうな! ワクワクするぞ!」
「弱体化の魔法とか来ないかな?」
「やめろって! 本当に来たら……」
「あの二人、何やってるんだ?」

 悠斗ゆうとたちは、不思議そうに俺たちを見ていた。


 ~~~~~~

 新しいスキル 【除毛リムーバル

 ~~~~~~


「これは、弱体化とまではいかなかったけど……」
「「外れスキルだー!」」

 俺が覚醒によって新しく得たスキルは、除毛リムーバルというスキルだ。
 使ってみるまでは、どのような効果があるのかわからないが、これは使うまでもなく毛を剃るスキルだと分かる。

「はははっ、めっちゃ強そうなの来たじゃん!」
「そ、そ、そう、だな。やったよ……」

 俺は、一気に全身の力が抜けるような感覚に襲われた。
 優羽ゆうは、ケラケラと嬉しそうに笑っている。
 俺は、笑う優羽ゆうの姿が悪魔に見えた。

 ―ドカンッ!

「ん、何の音だ?」
「上から聞こえたよね?」

 ―ゴゴゴゴゴ!!!

「もしかしたら、しんさんの攻撃で、ダンジョンが崩れているかもしれない! 早く外に出よう!」
「マジかよ⁉」
「何してくれてんのよ! 加減くらいしなよ!」
「仕方ないだろ、相手が強いんだから!」

 俺の能力完全開放オールリブの衝撃によって、ダンジョンが崩れ始めているようだ。
 よくわからないスキルまで全て使ったんだ。こうなっても仕方がない。

 ―ドゴゴゴゴゴ!!!

「道がありました! 二人とも、早く!」
「「あ、うん!」」

 ―ゴゴゴゴォォォォ!!!

「「イヤアァァァァァァ!!!!!!」」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

落ちこぼれの無能だと貴族家から追放された俺が、外れスキル【キメラ作成】を極めて英雄になるまで

狐火いりす@商業作家
ファンタジー
「貴様のような落ちこぼれの無能は必要ない」  神からスキルを授かる『祝福の儀』。ハイリッヒ侯爵家の長男であるクロムが授かったのは、【キメラ作成】のスキルただ一つだけだった。  弟がエキストラスキルの【剣聖】を授かったことで、無能の烙印を捺されたクロムは家から追い出される。  失意の中、偶然立ち寄った村では盗賊に襲われてしまう。  しかし、それをきっかけにクロムは知ることとなった。  外れスキルだと思っていた【キメラ作成】に、規格外の力が秘められていることを。  もう一度強くなると決意したクロムは、【キメラ作成】を使って仲間を生み出していく……のだが。  狼っ娘にドラゴン少女、悪魔メイド、未来兵器少女。出来上がったのはなぜかみんな美少女で──。  これは、落ちこぼれの無能だと蔑まれて追放されたクロムが、頼れる仲間と共に誰もが認める英雄にまで登り詰めるお話。

ダンジョン受付担当の俺は、夜中こっそりダンジョンに潜る 〜史上最強の受付が誕生するまで〜

長谷川 心
ファンタジー
ダンジョンーーそれは、人々の畏怖と憧憬たる存在である。 その最下層には何があるのか、人々はロマンを追い求めてきた。 「はあ、俺も行きたいな……そっち側に」 ダンジョン受付担当のゼンもその一人だった。 ダンジョンに阻まれた者ーー世界に嫌われた者とされるのがゼンであった。 育ての親であるロディから受け継いだダンジョン受付の仕事を10年間続けていたゼンは、ある日、実家の地下室を偶然発見する。 そこには、冒険者のものと思われる武器や装備が置いてあった。 好奇心のまま円形の立体物に触れたゼンは、眩ゆい光に包まれーー ーー次の瞬間、目を開けると・・・ダンジョンに転移をしていた。 人々がダンジョンに潜る日中、受付のゼンはダンジョンが静まる夜中、こっそりとダンジョンに潜る!! これは、やがて史上最強の受付が誕生するまでの物語である。

葬送神器 ~クラスメイトから無能と呼ばれた俺が、母国を救う英雄になるまでの物語~

音の中
ファンタジー
【簡単な章の説明】 第一章:不遇→覚醒→修行 第二章:信頼出来る仲間との出会い 第三章:怪に殺された女の子との出会い 第四章︰クラン設立と合同パーティ 第五章:ダンジョン『嚥獄』ダイブ 【あらすじ】 初めて日国に魔獣が目撃されてから30年が経過した。 その当時を知る人は「あの時は本当に地獄だった」と言っているが、今の日国にはそんな悲壮感は漂っていていない。 それは25年前に設立された『ハンター協会』により、魔獣を狩るハンターという職業が出来たからだ。 ハンターという職業は、15年連続で男女問わず『大人になったらやりたい職業』のトップを飾るくらい人気で、多くの人たちがハンターに憧れている。 それはこの物語の主人公、神楽詩庵にとっても例外ではなかった。 高校生になった詩庵は、同じ高校に進んだ幼馴染との楽しい学園生活や、トップランクのハンターになって活躍できると信じていた。 しかし、現実は―― 中学まで仲良かった幼馴染からは無視され、パーティを組んだ元メンバーからは無能と呼ばれてしまうように。 更には理不尽な力を持つナニカに殺されて何も達成できないまま詩庵は死んでしまった。 これは、神楽詩庵が死んでからトップランクのハンターになり、日国を救うまでの物語だ。 ※タグの性描写有りは保険です ※8話目から主人公が覚醒していきます 【注意】 この小説には、死の描写があります。 苦手な方は避けた方が良いかもです……。 苦手な描写が唐突に来るとキツイですもんね……。

異世界転生!俺はここで生きていく

おとなのふりかけ紅鮭
ファンタジー
俺の名前は長瀬達也。特に特徴のない、その辺の高校生男子だ。 同じクラスの女の子に恋をしているが、告白も出来ずにいるチキン野郎である。 今日も部活の朝練に向かう為朝も早くに家を出た。 だけど、俺は朝練に向かう途中で事故にあってしまう。 意識を失った後、目覚めたらそこは俺の知らない世界だった! 魔法あり、剣あり、ドラゴンあり!のまさに小説で読んだファンタジーの世界。 俺はそんな世界で冒険者として生きて行く事になる、はずだったのだが、何やら色々と問題が起きそうな世界だったようだ。 それでも俺は楽しくこの新しい生を歩んで行くのだ! 小説家になろうでも投稿しています。 メインはあちらですが、こちらも同じように投稿していきます。 宜しくお願いします。

森に捨てられた俺、転生特典【重力】で世界最強~森を出て自由に世界を旅しよう! 貴族とか王族とか絡んでくるけど暴力、脅しで解決です!~

WING/空埼 裕@書籍発売中
ファンタジー
 事故で死んで異世界に転生した。 十年後に親によって俺、テオは奴隷商に売られた。  三年後、奴隷商で売れ残った俺は廃棄処分と称されて魔物がひしめく『魔の森』に捨てられてしまう。  強力な魔物が日夜縄張り争いをする中、俺も生き抜くために神様から貰った転生特典の【重力】を使って魔物を倒してレベルを上げる日々。  そして五年後、ラスボスらしき美女、エイシアスを仲間にして、レベルがカンスト俺たちは森を出ることに。  色々と不幸に遇った主人公が、自由気ままに世界を旅して貴族とか王族とか絡んでくるが暴力と脅しで解決してしまう! 「自由ってのは、力で手に入れるものだろ? だから俺は遠慮しない」  これは運命に裏切られた少年が、暴力と脅迫で世界をねじ伏せる! 不遇から始まる、最強無双の異世界冒険譚!

妻がエロくて死にそうです

菅野鵜野
大衆娯楽
うだつの上がらないサラリーマンの士郎。だが、一つだけ自慢がある。 美しい妻、美佐子だ。同じ会社の上司にして、できる女で、日本人離れしたプロポーションを持つ。 こんな素敵な人が自分のようなフツーの男を選んだのには訳がある。 それは…… 限度を知らない性欲モンスターを妻に持つ男の日常

王都から追放されて、貴族学院の落ちこぼれ美少女たちを教育することになりました。

スタジオ.T
ファンタジー
☆毎日更新中☆  護衛任務の際に持ち場を離れて、仲間の救出を優先した王都兵団のダンテ(主人公)。  依頼人を危険に晒したとして、軍事裁判にかけられたダンテは、なぜか貴族学校の教員の職を任じられる。  疑問に思いながらも学校に到着したダンテを待っていたのは、五人の問題児たち。彼らを卒業させなければ、牢獄行きという崖っぷちの状況の中で、さまざまなトラブルが彼を襲う。  学園魔導ハイファンタジー。 ◆◆◆ 登場人物紹介 ダンテ・・・貴族学校の落ちこぼれ『ナッツ』クラスの担任。元王都兵団で、小隊長として様々な戦場を戦ってきた。戦闘経験は豊富だが、当然教員でもなければ、貴族でもない。何かと苦労が多い。 リリア・フラガラッハ・・・ナッツクラスの生徒。父親は剣聖として名高い人物であり、剣技における才能はピカイチ。しかし本人は重度の『戦闘恐怖症』で、実技試験を突破できずに落ちこぼれクラスに落とされる。 マキネス・サイレウス・・・ナッツクラスの生徒。治療魔導師の家系だが、触手の召喚しかできない。練習で校舎を破壊してしまう問題児。ダンテに好意を寄せている。 ミミ・・・ナッツクラスの生徒。猫耳の亜人。本来、貴族学校に亜人は入ることはできないが、アイリッシュ卿の特別措置により入学した。運動能力と魔法薬に関する知識が素晴らしい反面、学科科目が壊滅的。語尾は『ニャ』。 シオン・ルブラン・・・ナッツクラスの生徒。金髪ツインテールのムードメーカー。いつもおしゃれな服を着ている。特筆した魔導はないが、頭の回転も早く、学力も並以上。素行不良によりナッツクラスに落とされた。 イムドレッド・ブラッド・・・ナッツクラスの生徒。暗殺者の家系で、上級生に暴力を振るってクラスを落とされた問題児。現在不登校。シオンの幼馴染。 フジバナ・カイ・・・ダンテの元部下。ダンテのことを慕っており、窮地に陥った彼を助けにアカデミアまでやって来る。真面目な性格だが、若干天然なところがある。 アイリッシュ卿・・・行政司法機関「賢老院」のメンバーの一人。ダンテを牢獄送りから救い、代わりにナッツクラスの担任に任命した張本人。切れ者と恐れられるが、基本的には優しい老婦人。 バーンズ卿・・・何かとダンテを陥れようとする「賢老院」のメンバーの一人。ダンテが命令違反をしたことを根に持っており、どうにか牢獄送りにしてやろうと画策している。長年の不養生で、メタボ真っ盛り。 ブラム・バーンズ・・・最高位のパラディンクラスの生徒。リリアたちと同学年で、バーンズ家の嫡子。ナッツクラスのことを下に見ており、自分が絶対的な強者でないと気が済まない。いつも部下とファンの女子生徒を引き連れている。

処理中です...