7 / 63
第六話 ステータス、オープン!
しおりを挟む
「進にハンターの素質があるとはねー」
優羽が平然と俺のことをディスってくる。
もう慣れたことなので、俺は本気で思っていることを冗談っぽく言ってみる。
「もしかしたら、俺は最強かもよ?」
「ないない」
「返事が早いな!」
俺の冗談は、速攻で打ち消された。
しかし、俺はハンターにある希望を見出している。
名付けて、『ヒーロー参上作戦!』だ!
ん? 名前が小学生みたいだって?
そんなものは気にするな。幼い心を持ち続けることは大事だぞ。
『ヒーロー参上作戦!』これは、簡単に言うと、吊り橋効果みたいなものである。
優羽がモンスターにビビっているところを、俺がヒーローの様に助けるだけだ。
それによって、優羽は俺に惚れて、青春を……
ムフフ、最高の作戦だな
「何ニヤついてるのよ。気持ち悪いわよ」
「う、うるせぇ!」
いかんいかん。妄想が楽しすぎて、顔に出ていたようだ。気を付けなければ。
「まあいいわ、進のステータスを見せてよ!」
「ステータス? そんなものがあるのか?」
「教えてもらってないの?」
「ここに来てから説明されるんじゃないのか?」
「本当に何も聞いてないようね」
俺は、てっきりこの会場で全ての説明を受けると思っていたのだが違っていたようだ。
優羽いわく、ここに来る前にダンジョンのことやステータスのこと、その他たくさんのことを教えてもらったようだ。
判定してくれたお姉さんが、説明を忘れていたのだろう。
「まあいいわ。特別に私が教えてあげよう!」
優羽は自慢げに『ステータス』について説明を始めた。
~~~~~~
『ステータス』とは、ハンター特有の能力値を表したものであり、身分証明書のような働きもする。
そして、能力値には『体力・打撃力・防御力・魔力・精神力』の五つの項目があり、限界値はそれぞれ違う。
ほとんど名前通りなのだが、一応説明しておく。
『体力』・『打撃力』・『防御力』・『瞬発力』は、そのままの意味である。(戦いによる疲れなどで変化する)
『魔力』は、魔法を使うために必要なものである。(魔力の大小によって、使える魔法と威力が変化する)
そして、体力と瞬発力以外の三つの項目のどれかに特化した『役職』というものがある。
どのハンターも、この三つの役職に分けられている。
己の拳や剣を巧みに扱って戦う、攻撃力に特化した『戦士』。
鋼の身体で仲間を守る、防御力に特化した『守護』。
魔法を使って仲間を援護したり、回復したりする、魔力に特化した『魔術師』。
この他にも『職業』と『スキル』という、一部の者にしか与えられないものがあるのだが、これは随時、説明していこう。
~~~~~~
「それで、これが私のステータスよ」
そう言うと、目の前に優羽のステータスが表示された。
~~~~~~
<安治 優羽(あんじ ゆう)>
・役職 魔術師
・職業 聖者
・スキル 女神の加護(傷を癒し、安らぎを与える)
レベル1/100 次のレベルまでの必要経験値 1000
体力 250/750
打撃力 100/550
防御力 150/400
魔力 150(450)/900 (職業効果+300)
瞬発力 75/150
~~~~~~
「職業とスキルまで持ってるじゃん!」
「ヘヘヘー、凄いでしょー」
一般的にどのくらいか分からないが、職業とスキルを持っている優羽のステータスはかなり高いだろう。
職業は、ある能力値を増加させる効果を持っている。
実際に優羽も、職業効果によって魔力のステータスがものすごく向上している。
スキルは、その人限定の技であり、これがダンジョン攻略を助けている。
優羽に治療してもらえるって、最高じゃん!
俺は一人で、優羽に看病される妄想をしていた。
「また気持ち悪い顔してる」
「う、うるせぇ!」
「それで、僕のステータスがこれだよ」
今度は、愛人がステータスを表示した。
~~~~~~~
<逆瀬 愛人(さかせ あいと)>
・役職 戦士
・職業 勇者
・スキル 勇気の象徴(自身の能力値をかなり向上させる)
レベル1/150 次のレベルまでの必要経験値 5000
体力 400(650)/900 (職業効果+250)
打撃力 500(750)/950 (職業効果+200)
防御力 300(550)/700 (職業効果+250)
魔力 50/100
瞬発力 300(450)/600 (職業効果+150)
~~~~~~
「は?」
愛人のステータスを見た瞬間、俺は開いた口が閉じなくなった。
なんだこのステータスは⁉ 他の人を知らなくても分かる、こいつはトップ層の強さを持つぞ。
しかも、職業勇者って、夢見るヒーローその者じゃねぇか!
「本当に凄いよねー」
「いや、そんなことはないですよー」
愛人は優羽に褒められて、鼻の下を伸ばしている。
俺は、高校初の友達を殴りたい気持ちを抑えるのに必死だった。
「それじゃあ、進のを見てみようよ!」
「そうだな」
俺は、「愛人を越してくれ!」と神に必死にお願いをする。
そうして、期待を胸に自分のステータスを表示する。
「ステータス、オープン!」
優羽が平然と俺のことをディスってくる。
もう慣れたことなので、俺は本気で思っていることを冗談っぽく言ってみる。
「もしかしたら、俺は最強かもよ?」
「ないない」
「返事が早いな!」
俺の冗談は、速攻で打ち消された。
しかし、俺はハンターにある希望を見出している。
名付けて、『ヒーロー参上作戦!』だ!
ん? 名前が小学生みたいだって?
そんなものは気にするな。幼い心を持ち続けることは大事だぞ。
『ヒーロー参上作戦!』これは、簡単に言うと、吊り橋効果みたいなものである。
優羽がモンスターにビビっているところを、俺がヒーローの様に助けるだけだ。
それによって、優羽は俺に惚れて、青春を……
ムフフ、最高の作戦だな
「何ニヤついてるのよ。気持ち悪いわよ」
「う、うるせぇ!」
いかんいかん。妄想が楽しすぎて、顔に出ていたようだ。気を付けなければ。
「まあいいわ、進のステータスを見せてよ!」
「ステータス? そんなものがあるのか?」
「教えてもらってないの?」
「ここに来てから説明されるんじゃないのか?」
「本当に何も聞いてないようね」
俺は、てっきりこの会場で全ての説明を受けると思っていたのだが違っていたようだ。
優羽いわく、ここに来る前にダンジョンのことやステータスのこと、その他たくさんのことを教えてもらったようだ。
判定してくれたお姉さんが、説明を忘れていたのだろう。
「まあいいわ。特別に私が教えてあげよう!」
優羽は自慢げに『ステータス』について説明を始めた。
~~~~~~
『ステータス』とは、ハンター特有の能力値を表したものであり、身分証明書のような働きもする。
そして、能力値には『体力・打撃力・防御力・魔力・精神力』の五つの項目があり、限界値はそれぞれ違う。
ほとんど名前通りなのだが、一応説明しておく。
『体力』・『打撃力』・『防御力』・『瞬発力』は、そのままの意味である。(戦いによる疲れなどで変化する)
『魔力』は、魔法を使うために必要なものである。(魔力の大小によって、使える魔法と威力が変化する)
そして、体力と瞬発力以外の三つの項目のどれかに特化した『役職』というものがある。
どのハンターも、この三つの役職に分けられている。
己の拳や剣を巧みに扱って戦う、攻撃力に特化した『戦士』。
鋼の身体で仲間を守る、防御力に特化した『守護』。
魔法を使って仲間を援護したり、回復したりする、魔力に特化した『魔術師』。
この他にも『職業』と『スキル』という、一部の者にしか与えられないものがあるのだが、これは随時、説明していこう。
~~~~~~
「それで、これが私のステータスよ」
そう言うと、目の前に優羽のステータスが表示された。
~~~~~~
<安治 優羽(あんじ ゆう)>
・役職 魔術師
・職業 聖者
・スキル 女神の加護(傷を癒し、安らぎを与える)
レベル1/100 次のレベルまでの必要経験値 1000
体力 250/750
打撃力 100/550
防御力 150/400
魔力 150(450)/900 (職業効果+300)
瞬発力 75/150
~~~~~~
「職業とスキルまで持ってるじゃん!」
「ヘヘヘー、凄いでしょー」
一般的にどのくらいか分からないが、職業とスキルを持っている優羽のステータスはかなり高いだろう。
職業は、ある能力値を増加させる効果を持っている。
実際に優羽も、職業効果によって魔力のステータスがものすごく向上している。
スキルは、その人限定の技であり、これがダンジョン攻略を助けている。
優羽に治療してもらえるって、最高じゃん!
俺は一人で、優羽に看病される妄想をしていた。
「また気持ち悪い顔してる」
「う、うるせぇ!」
「それで、僕のステータスがこれだよ」
今度は、愛人がステータスを表示した。
~~~~~~~
<逆瀬 愛人(さかせ あいと)>
・役職 戦士
・職業 勇者
・スキル 勇気の象徴(自身の能力値をかなり向上させる)
レベル1/150 次のレベルまでの必要経験値 5000
体力 400(650)/900 (職業効果+250)
打撃力 500(750)/950 (職業効果+200)
防御力 300(550)/700 (職業効果+250)
魔力 50/100
瞬発力 300(450)/600 (職業効果+150)
~~~~~~
「は?」
愛人のステータスを見た瞬間、俺は開いた口が閉じなくなった。
なんだこのステータスは⁉ 他の人を知らなくても分かる、こいつはトップ層の強さを持つぞ。
しかも、職業勇者って、夢見るヒーローその者じゃねぇか!
「本当に凄いよねー」
「いや、そんなことはないですよー」
愛人は優羽に褒められて、鼻の下を伸ばしている。
俺は、高校初の友達を殴りたい気持ちを抑えるのに必死だった。
「それじゃあ、進のを見てみようよ!」
「そうだな」
俺は、「愛人を越してくれ!」と神に必死にお願いをする。
そうして、期待を胸に自分のステータスを表示する。
「ステータス、オープン!」
10
お気に入りに追加
144
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
クラス転移したからクラスの奴に復讐します
wrath
ファンタジー
俺こと灞熾蘑 煌羈はクラスでいじめられていた。
ある日、突然クラスが光輝き俺のいる3年1組は異世界へと召喚されることになった。
だが、俺はそこへ転移する前に神様にお呼ばれし……。
クラスの奴らよりも強くなった俺はクラスの奴らに復讐します。
まだまだ未熟者なので誤字脱字が多いと思いますが長〜い目で見守ってください。
閑話の時系列がおかしいんじゃない?やこの漢字間違ってるよね?など、ところどころにおかしい点がありましたら気軽にコメントで教えてください。
追伸、
雫ストーリーを別で作りました。雫が亡くなる瞬間の心情や死んだ後の天国でのお話を書いてます。
気になった方は是非読んでみてください。
かつてダンジョン配信者として成功することを夢見たダンジョン配信者マネージャー、S級ダンジョンで休暇中に人気配信者に凸られた結果バズる
竜頭蛇
ファンタジー
伊藤淳は都内の某所にあるダンジョン配信者事務所のマネージャーをしており、かつて人気配信者を目指していた時の憧憬を抱えつつも、忙しない日々を送っていた。
ある時、ワーカーホリックになりかねていた淳を心配した社長から休暇を取らせられることになり、特に休日に何もすることがなく、暇になった淳は半年先にあるS級ダンジョン『破滅の扉』の配信プロジェクトの下見をすることで時間を潰すことにする.
モンスターの攻撃を利用していたウォータースライダーを息抜きで満喫していると、日本発のS級ダンジョン配信という箔に目が眩んだ事務所のNO.1配信者最上ヒカリとそのマネージャーの大口大火と鉢合わせする.
その配信で姿を晒すことになった淳は、さまざまな実力者から一目を置かれる様になり、世界に名を轟かす配信者となる.
クラス転移で神様に?
空見 大
ファンタジー
集団転移に巻き込まれ、クラスごと異世界へと転移することになった主人公晴人はこれといって特徴のない平均的な学生であった。
異世界の神から能力獲得について詳しく教えられる中で、晴人は自らの能力欄獲得可能欄に他人とは違う機能があることに気が付く。
そこに隠されていた能力は龍神から始まり魔神、邪神、妖精神、鍛冶神、盗神の六つの神の称号といくつかの特殊な能力。
異世界での安泰を確かなものとして受け入れ転移を待つ晴人であったが、神の能力を手に入れたことが原因なのか転移魔法の不発によりあろうことか異世界へと転生してしまうこととなる。
龍人の母親と英雄の父、これ以上ない程に恵まれた環境で新たな生を得た晴人は新たな名前をエルピスとしてこの世界を生きていくのだった。
現在設定調整中につき最新話更新遅れます2022/09/11~2022/09/17まで予定
異世界TS転生で新たな人生「俺が聖女になるなんて聞いてないよ!」
マロエ
ファンタジー
普通のサラリーマンだった三十歳の男性が、いつも通り残業をこなし帰宅途中に、異世界に転生してしまう。
目を覚ますと、何故か森の中に立っていて、身体も何か違うことに気づく。
近くの水面で姿を確認すると、男性の姿が20代前半~10代後半の美しい女性へと変わっていた。
さらに、異世界の住人たちから「聖女」と呼ばれる存在になってしまい、大混乱。
新たな人生に期待と不安が入り混じりながら、男性は女性として、しかも聖女として異世界を歩み始める。
※表紙、挿絵はAIで作成したイラストを使用しています。
※R15の章には☆マークを入れてます。
異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。
異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。
せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。
そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。
これは天啓か。
俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる