いつか忘れてしまうから

囲い込み大作戦

2

今、俺の可愛い勇者から聞き捨てならない言葉が聞こえた。

どういうことだ。

夜の相手？

そんなことまでしていたのか？

させられていたのか。

自分でも信じられないくらい腹が立っていた。

そして、

「今日から、俺と一緒に生きていこうね。俺の可愛い勇者ちゃん♡」

といってしまった。

自己紹介もまだしていなかったのに。

これだと怖がってしまうだろ。俺の馬鹿っ‼︎

彼の様子を伺ってみると、彼は、ウルウルの目を大きく見開いてこっちを見ていた。

かれはどんなひょうじょうをしていてもかわいかった。

「俺はルールク。君は勇者だよね。もう、パーティメンバーは君を追放しているよ。それでね、良かったら何だけど、俺とパーティになってくれないかな。」

驚いている彼に追い打ちをかけるようにパーティから追放されたことを告げてしまった。いつもなら、もっと上手くやれるのに。とても後悔している。

どうしてもっと段階を踏んで説明しなかったんだろう。

彼の大きな可愛い目には涙があふれていた。