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エピローグ、とあるプロローグ

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列車の中に一人の娘が乗っていた。


彼女の名前はヘレナ

彼女は商業街から自宅のある酪農地帯の村に帰るところだった。



あーぁ。


もう少しでうまくいくはずだったのに…


あの男があんなにロクデナシだったとは…


失敗した。


ゴタゴタに巻き込まれるのは勘弁だわ。


このネックレスもらってきちゃったけどイイよね。他は何も持ってこれなかったし。


慰謝料代わりってことで。


はぁ…一旦帰るけど…あんな田舎嫌いだ。


あんな刺激のない毎日


あーやだやだ。


ヘレナは首元のペンダントトップに大きめの黒い石が付いたネックレスをいじりながら心のなかでぶつぶつと文句を垂れていた。



そして列車が出発した。

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