想い想われ恋い焦がれ

周乃 太葉

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17.自覚

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イーサンが目覚めたのは夜中だった。

イーサンが気配を感じて横を見ると、ベッド横で椅子に座り、寝落ちしているジュリがいた。

イーサンは起き上がってジュリをベッドに移し、自分はリビングに移動した。

リビングの机にはさっきのカートリッジが入った宝石箱が置いてあった。

まさかジュリが持っていただなんて…

今はもうコアは反応しなかった。

イーサンはダイニングでジュリが用意してくれていた水差しから水を飲んだ。

ガタッ

物音がしてリビングに行くと、ジュリが起きていた。

「イーサン、もう体は大丈夫?」

「あぁ、ありがとう。心配かけたね」

「ううん、どうする?何か食べる?」

「いや、今はいいかな」

「そう。じゃあ、あったかいお茶どう?」

「それなら。ありがとう。いただくよ」

ジュリはキッチンで湯を沸かし、気分が落ち着くハーブティーを入れた。

「はい、どうぞ」

「ありがとう」

イーサンとジュリは静かにお茶を飲んだ。
ジュリがおもむろに

「ねぇ、イーサン、あなたの具合が悪くなったのって、あのカートリッジが関係してる?」

「なんでそう思うの?」

「あのカートリッジ、ぼんやりとしか思い出してないんだんだけど、たぶん、私が小さい時、お祖母ちゃんの診察室から持ってきたものなんだ…と思う」

ジュリは続けて、

「お祖母ちゃんの診察室って不思議なものがいっぱいで、触っちゃイケナイっていわれてたんだけど、これだけはどうしても欲しくなっちゃって持ってきちゃったんだと思うの。でも、怒られるのが怖くなっちゃって隠したんだと思う」

「イーサン、お祖母ちゃんの患者でしょう?ってことは魔術魔力関係よね?」

「そう…なるね」

「どうしてかは思い出せないけど、なんとなくイーサンと私は関係があるような気がしてるの」

「どんな?」

「うまく言えないんだけど、切っても切れないような…。本当はずっと一緒にいないといけないような」

イーサンは天を仰ぎ、はぁ~と盛大に溜息をついた

「ジュリ、わかって言ってる?」

「えっ?」

「まるで一生の相手って言われてるようなんだけど…」

「えぇっ!?」

「ジュリはさ、どんどん距離詰めてくるから俺、勘違いしちゃうよ?」

「えっ?」

「俺を惚れさせてどうするつもり?」

「え?あ、そ、そんなつもりじゃ…」

ジュリが、あまりにも狼狽するからイーサンは攻めるのをやめた。

「なーんて!冗談だよ」

「…も、もう!からかわないでよ」

ジュリは怒ってそっぽを向いてしまった。
イーサンはニコニコとその様子を見ながら、“俺は本気だよ”と声にならない声で呟いた。

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