40 / 40
SS9
しおりを挟む
「そういえば、ひとつ気になっていたことがあるのだけど……」
なんだよ、藪から棒に。
また得意の下ネタでもぶっこんでくるんじゃあるまいな。
そういうの、人前では程々にしてくれよ。
二人のときならいいんだけどさ、お前は大概自制が効かないんだよな。
「……うるさいわね、わかってるわよ。今回は違うわ。本当に素朴な疑問。エッチな質問はお家に帰ってからちゃんとするから安心して」
安心できる要素がひとつもないが、それも今更だな。
で?
訊きたいことってなんなんだ?
今更改まって訊くようなことなんてあったか?
「結局、白里くんのお父さんたちって何のお仕事をしているのかしら? 人の職業を訊くなんて不躾だとも思ったけれど、将来のお義父さんとお義母さんのお仕事だもの、ちょっと気になってしまうのよね」
あ~……。
なるほど、ね。
確かに、気にはなるかも。
でもなぁ、正直話しづらいし、お前相手には尚更話しづらい話題なんだよなぁ。
「……? 何よそれ。逆に気になるわ。そうまで言われてしまったら、答えてくれるまで離さないまであるわよ。公衆の面前で熱烈なアプローチを仕掛けてしまいそうになるわよ」
やめてくれ。社会的に殺される。
ただでさえ、過剰気味の積極性を加速させるな。マジでやめろ。
家まで我慢だ。オーケー?
「ん。じゃあ、答えてくれるということかしら? ……もちろん、本当に嫌なら答えなくてもいいわ。そのぶん帰ってからのスキンシップが常軌を逸したレベルになるというだけだから」
それはそれで気になるが、まぁ今は置いておこう。
別に話しづらいってだけだから話せないわけじゃない。
だから、いいんだけどさ。話したって。
……ええと、その……。人形、だよ……。
「……お人形? 意外と言えば意外だけど、それは隠すようなことかしら?」
……ええと、その、な。
人形は人形でも、その、えっとさ……。
でっかい人形なんだ。
そのうえでさ、用途がなんというか特殊というか、う~ん、あー……。
「……? 大きい? 用途が特殊……? そんなの……、あれ……? ひょっとして……?」
う。
たぶん、それだ。
そういうお人形を作る仕事なわけだ。
「ラブドール、というのかしら?」
まぁ、そうとも言うな。
白鷺母がプロデュースして、俺の母さんがデザイン、販売が親父。
そんな感じらしい。
「白里くんは家業を継ぐの?」
さぁ?
正直想像もつかないしな。
大体、俺が作りたい人形なんて、そんなにないしな。
「……あら、私そっくりの人形を作って、種付けしたいということかしら?」
誰もそこまでは言ってないだろ。
「でも、否定はしないのね」
まぁ、外れてないからな。
「ふふ、今夜は寝かさないわよ」
うるせえ。それはこっちのセリフだっての。
なんだよ、藪から棒に。
また得意の下ネタでもぶっこんでくるんじゃあるまいな。
そういうの、人前では程々にしてくれよ。
二人のときならいいんだけどさ、お前は大概自制が効かないんだよな。
「……うるさいわね、わかってるわよ。今回は違うわ。本当に素朴な疑問。エッチな質問はお家に帰ってからちゃんとするから安心して」
安心できる要素がひとつもないが、それも今更だな。
で?
訊きたいことってなんなんだ?
今更改まって訊くようなことなんてあったか?
「結局、白里くんのお父さんたちって何のお仕事をしているのかしら? 人の職業を訊くなんて不躾だとも思ったけれど、将来のお義父さんとお義母さんのお仕事だもの、ちょっと気になってしまうのよね」
あ~……。
なるほど、ね。
確かに、気にはなるかも。
でもなぁ、正直話しづらいし、お前相手には尚更話しづらい話題なんだよなぁ。
「……? 何よそれ。逆に気になるわ。そうまで言われてしまったら、答えてくれるまで離さないまであるわよ。公衆の面前で熱烈なアプローチを仕掛けてしまいそうになるわよ」
やめてくれ。社会的に殺される。
ただでさえ、過剰気味の積極性を加速させるな。マジでやめろ。
家まで我慢だ。オーケー?
「ん。じゃあ、答えてくれるということかしら? ……もちろん、本当に嫌なら答えなくてもいいわ。そのぶん帰ってからのスキンシップが常軌を逸したレベルになるというだけだから」
それはそれで気になるが、まぁ今は置いておこう。
別に話しづらいってだけだから話せないわけじゃない。
だから、いいんだけどさ。話したって。
……ええと、その……。人形、だよ……。
「……お人形? 意外と言えば意外だけど、それは隠すようなことかしら?」
……ええと、その、な。
人形は人形でも、その、えっとさ……。
でっかい人形なんだ。
そのうえでさ、用途がなんというか特殊というか、う~ん、あー……。
「……? 大きい? 用途が特殊……? そんなの……、あれ……? ひょっとして……?」
う。
たぶん、それだ。
そういうお人形を作る仕事なわけだ。
「ラブドール、というのかしら?」
まぁ、そうとも言うな。
白鷺母がプロデュースして、俺の母さんがデザイン、販売が親父。
そんな感じらしい。
「白里くんは家業を継ぐの?」
さぁ?
正直想像もつかないしな。
大体、俺が作りたい人形なんて、そんなにないしな。
「……あら、私そっくりの人形を作って、種付けしたいということかしら?」
誰もそこまでは言ってないだろ。
「でも、否定はしないのね」
まぁ、外れてないからな。
「ふふ、今夜は寝かさないわよ」
うるせえ。それはこっちのセリフだっての。
0
お気に入りに追加
3
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
校長先生の話が長い、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
学校によっては、毎週聞かされることになる校長先生の挨拶。
学校で一番多忙なはずのトップの話はなぜこんなにも長いのか。
とあるテレビ番組で関連書籍が取り上げられたが、実はそれが理由ではなかった。
寒々とした体育館で長時間体育座りをさせられるのはなぜ?
なぜ女子だけが前列に集められるのか?
そこには生徒が知りえることのない深い闇があった。
新年を迎え各地で始業式が始まるこの季節。
あなたの学校でも、実際に起きていることかもしれない。
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
13歳女子は男友達のためヌードモデルになる
矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる