留めおきたい思い

夢路より

地面(した)向いてると切なくなるんだ
この地続きを果てまで歩けば
いずれ君に至るんじゃないかって

いや……
この地平線上の
何があるかも見えないような彼方にも
こんなにも広大な世界の果てにも
もうどこにも　君はいないんだ
傍に影も姿も気配もない現実を
足元から突き付けてくる

たまらない……
顔を上げて空を見る
その向こうになら君の存在を
求めても良い気がして

二度とは会えないなら
出会いなんていらなかった
別れが定めなら
見つけたくなんてなかった

一人が痛くて堪らないのに
思い出だけで生きていけるのか
木霊する声　浮かぶほどに　
幸福な記憶に苛まれる

いつか会える其の時まで
ちゃんとしろと誰かが言う
言葉(それ)に縋れば
来ないいつかを待ちわびても
人らしくいられるのだろうか

もうずっと世界(げんじつ)は
夢の中のようなのに