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本編
第012話 界渡りの先①
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「さて、と。この前話したからまず大丈夫だとは思うけど、念のため手順を確認しておこうか」
ツグナたちの前に立ったディエヴスは、真っ直ぐに指を立てた手を掲げながら告げる。
「まずは、ボクから君たちにスキルとアイテムを渡す。スキルは『全言語完全理解』だ。これはあらゆる言語を理解できるスキルだ。このスキルなら、向こうへ行っても読み書き会話がスムーズにできるよ。このスキルなら、キミたちが界渡りの先でコミュニケーションが取れないという最悪の事態は避けられる。
そして、アイテムの方は『纏装の指輪』だ。これも事前に話した通り、君たちの外見を偽装するとともに、万が一戦闘が必要になった際に素早く武具や防具を装備出来る代物だ。装備は任意の言葉をキーに発動出来る。後で説明書を送るから、設定するならそれを参照してね。ただし、戦闘用の装備に換装した場合、偽装は解除されるから注意すること」
(……なんだか、どこぞの魔法少女っぽいな。まさか……)
ツグナはディエヴスの説明を聞きながら、ふとそんな場違いな感想を心の中に呟く。直後に「まぁこの際どうでもいいか」と思い直したものの、実はこの直感は的外れではなかったのはここだけの話だったりする。
「そして、次にツグナに彼の従者の一人であるジェスターを呼び出してもらい、彼に『異界転移』のスキルを与える。そして、このスキルを用いたジェスターの門を潜って界渡りは終了だ。何か質問は?」
「……いや、特段ないな。強いて言えば、向こうで通う予定の学校とかはどうなってる?」
「あぁ、それは向こうに無事に着いた時に別途説明するよ。着いた先がどんな場所かも分からないのに、今ここで話しても意味はないからね。ただ、ちゃんと手続きだけはしてるから大丈夫だよ。通う先の学校のことも併せて後で説明するから」
ツグナの質問に答えたディエヴスは「それでいいかな?」と確認すると、「了解」との言葉が返ってくる。
なお、レギオン「ヴァルハラ」の意匠の元となった古代竜――スバルは、残念ながら「お留守番」だ。最初は「連れて行け~」とギャンギャン鳴いてはいたものの、「竜」という超絶に目立つ生き物であるスバルは、見つかったら最後、方々から問い合わせや取材申し込みが殺到すること請け合いである。
そのため、ツグナは断腸の思いでスバルを残すことに決めた。ただし、この「お留守番」の解除には条件を設けており、スバルが「人化」のスキルを会得できれば無事に地球へと連れていけると約束している。
この朗報にスバルはパタパタと両翼を広げながら喜んだものの、このスキルを会得しているのは「始祖竜」ことアイオゲートと「嵐気竜」デマントイドのみ。
デマントイドは他の古代竜でさえも「どこにいるのか見当がつかない」と言われるほどにこの大陸中を自由気ままに移動しているため、ツグナはアイオゲートのもとにスバルを預けることとした。
現在、スバルはアイオゲートのもとで「人化」のスキル会得に向けて修行中なのだが、古代竜という「廃スペック」仕様にもかかわらず、そのスキル習得にはまだまだ時間を要するらしいとツグナはアイオゲートから聞き及んでいる。
「なら、他に質問はないってことで。それじゃあ、ちゃっちゃと進めますか。まずはスキルとアイテムだね。ほいっ……と」
ディエヴスはやや砕けた調子で指を鳴らす。と同時に、各人の前に半透明のボードが宙に浮かんだ状態で現れ、そこに「スキル『全言語完全理解』を習得しました。『纏装の指輪』が装着されました。」との文字が表示されている。
「……って、オイ。俺にも同じスキルと装備があるんだが?」
ステータスを確認し、そこに記載されたスキル名にツグナは「自分は別じゃないのか?」と少し目を見開きながらディエヴスに訊ねる。一方、問いかけられたディエヴスは笑いながら彼に答える。
「スキルはオマケさ。キミの場合、既に『異世界理解(言語・文字)』を持ってるでしょ? アレは本当に『理解』だけで、読めてもその世界の文字は書けなかったハズさ。今回はこっちから頼んだことだからね。多少スキルをアップグレードするくらいなら問題はないよ。それに、その指輪は地味に役立つと思うよ? 言わなくても気づきそうだったから、敢えて言わなかったケド……そんなナリで向こうの街の中を歩けると思う?」
「……そう言えばそうだな」
すっかりこの世界の日常に馴染んでいたからか、ツグナはいつも腰に刀――「爛顎樟刀」を、後ろ腰に双短剣の「三煉琥魄」差している状態が常だった。しかし、いくら身を守るためとは言え、明らかにこれらの武具は日本の法律に引っかかること間違いなしだ。それに加え、ツグナの姿も目立ちすぎる。
前髪の一房が白い上に、右眼が金色の瞳というオッドアイなのだ。特徴がありすぎてすぐに特定されること請け合いである。
「でしょ? なら、素直に受け取っておきなよ。さて……それじゃあ、次にいこうか」
ディエヴスは微笑みを浮かべながら先へと促す。それを受けてツグナは小さく頷くと、左腕から彼の身体の中に仕舞い込まれた《クトゥルー》という魔書を取り出す。
魔書――それはキリアやシルヴィなど、魔術師と呼ばれる職種の者が扱う魔法の上位に位置する概念たる「魔導」を行使するアイテムである。
ツグナの持つ魔書《クトゥルー》は、彼のユニーク魔法である「創造召喚魔法」を行使する際に使われるほか、この魔書の他に6つの魔書が統合されており、計7つの魔書それぞれに込められた「大罪」を召喚することができる。
「さぁ、出番だ――ジェスター」
魔書を開き、その中に自らが描いた従者を呼び出す魔法――それがツグナに与えられた「創造召喚魔法」である。
魔力を込め、開かれた魔書から呼び出されたのは、道化師にも似た仮面をつけた自動人形たるジェスターと、誘う道化門である。
「よし! そして――スキル付与、と」
ジェスターの顕現を確認したディエヴスは、再び指を鳴らす。
「これで問題無くスキルが付与されたハズだよ。キミの『眼』で確認してみてくれる?」
「あぁ、分かった」
ディエヴスに促され、ツグナは門の脇に立つジェスターを「視る」。彼の「異界の鑑定眼」スキルは、眼に映る対象の状態を詳らかにする。
ツグナは、その眼で見たジェスターのスキルに「異界転移」のスキルが新たに追加されたことを確認し、ディエヴスに「問題ないようだ」と返答する。
「OK、ならこれでボクの仕事は終わりだ。あとはキミたちが門の向こうへ行くだけだよ」
「……だな。一応、事前に話し合った通り、基本的に月イチで報告を兼ねてこっちに戻って来ることにしているけど、なるべく早く戻ってくるように努めるよ。それまで……ドジ踏むなよ?」
「失敬な! これでもボクは神様だよ? そう何度も今回みたいなヘマはしないよ!」
ツグナのやや呆れ気味に呟いた言葉に、ディエヴスが頬をわずかに膨らませながら言い返す。
そして――直後に両者は同時にプッと吹き出して笑いあった。
「こんな戯れもしばらくはお預けだな」
「そうだね。ボクはただ世界の行く末を見ることしかできない存在だ。だから……くれぐれも気をつけて」
「あぁ、行ってくる」
そうしてツグナたちは、ディエヴスの視線を背に受けながら開かれた門を潜る。
そして、一行が道化の門を潜り抜けた先には――
「ウソだろ……」
ツグナが思わず呆けてしまうほどの「純和風な」平屋建ての建物が目の前に広がっていた。
ツグナたちの前に立ったディエヴスは、真っ直ぐに指を立てた手を掲げながら告げる。
「まずは、ボクから君たちにスキルとアイテムを渡す。スキルは『全言語完全理解』だ。これはあらゆる言語を理解できるスキルだ。このスキルなら、向こうへ行っても読み書き会話がスムーズにできるよ。このスキルなら、キミたちが界渡りの先でコミュニケーションが取れないという最悪の事態は避けられる。
そして、アイテムの方は『纏装の指輪』だ。これも事前に話した通り、君たちの外見を偽装するとともに、万が一戦闘が必要になった際に素早く武具や防具を装備出来る代物だ。装備は任意の言葉をキーに発動出来る。後で説明書を送るから、設定するならそれを参照してね。ただし、戦闘用の装備に換装した場合、偽装は解除されるから注意すること」
(……なんだか、どこぞの魔法少女っぽいな。まさか……)
ツグナはディエヴスの説明を聞きながら、ふとそんな場違いな感想を心の中に呟く。直後に「まぁこの際どうでもいいか」と思い直したものの、実はこの直感は的外れではなかったのはここだけの話だったりする。
「そして、次にツグナに彼の従者の一人であるジェスターを呼び出してもらい、彼に『異界転移』のスキルを与える。そして、このスキルを用いたジェスターの門を潜って界渡りは終了だ。何か質問は?」
「……いや、特段ないな。強いて言えば、向こうで通う予定の学校とかはどうなってる?」
「あぁ、それは向こうに無事に着いた時に別途説明するよ。着いた先がどんな場所かも分からないのに、今ここで話しても意味はないからね。ただ、ちゃんと手続きだけはしてるから大丈夫だよ。通う先の学校のことも併せて後で説明するから」
ツグナの質問に答えたディエヴスは「それでいいかな?」と確認すると、「了解」との言葉が返ってくる。
なお、レギオン「ヴァルハラ」の意匠の元となった古代竜――スバルは、残念ながら「お留守番」だ。最初は「連れて行け~」とギャンギャン鳴いてはいたものの、「竜」という超絶に目立つ生き物であるスバルは、見つかったら最後、方々から問い合わせや取材申し込みが殺到すること請け合いである。
そのため、ツグナは断腸の思いでスバルを残すことに決めた。ただし、この「お留守番」の解除には条件を設けており、スバルが「人化」のスキルを会得できれば無事に地球へと連れていけると約束している。
この朗報にスバルはパタパタと両翼を広げながら喜んだものの、このスキルを会得しているのは「始祖竜」ことアイオゲートと「嵐気竜」デマントイドのみ。
デマントイドは他の古代竜でさえも「どこにいるのか見当がつかない」と言われるほどにこの大陸中を自由気ままに移動しているため、ツグナはアイオゲートのもとにスバルを預けることとした。
現在、スバルはアイオゲートのもとで「人化」のスキル会得に向けて修行中なのだが、古代竜という「廃スペック」仕様にもかかわらず、そのスキル習得にはまだまだ時間を要するらしいとツグナはアイオゲートから聞き及んでいる。
「なら、他に質問はないってことで。それじゃあ、ちゃっちゃと進めますか。まずはスキルとアイテムだね。ほいっ……と」
ディエヴスはやや砕けた調子で指を鳴らす。と同時に、各人の前に半透明のボードが宙に浮かんだ状態で現れ、そこに「スキル『全言語完全理解』を習得しました。『纏装の指輪』が装着されました。」との文字が表示されている。
「……って、オイ。俺にも同じスキルと装備があるんだが?」
ステータスを確認し、そこに記載されたスキル名にツグナは「自分は別じゃないのか?」と少し目を見開きながらディエヴスに訊ねる。一方、問いかけられたディエヴスは笑いながら彼に答える。
「スキルはオマケさ。キミの場合、既に『異世界理解(言語・文字)』を持ってるでしょ? アレは本当に『理解』だけで、読めてもその世界の文字は書けなかったハズさ。今回はこっちから頼んだことだからね。多少スキルをアップグレードするくらいなら問題はないよ。それに、その指輪は地味に役立つと思うよ? 言わなくても気づきそうだったから、敢えて言わなかったケド……そんなナリで向こうの街の中を歩けると思う?」
「……そう言えばそうだな」
すっかりこの世界の日常に馴染んでいたからか、ツグナはいつも腰に刀――「爛顎樟刀」を、後ろ腰に双短剣の「三煉琥魄」差している状態が常だった。しかし、いくら身を守るためとは言え、明らかにこれらの武具は日本の法律に引っかかること間違いなしだ。それに加え、ツグナの姿も目立ちすぎる。
前髪の一房が白い上に、右眼が金色の瞳というオッドアイなのだ。特徴がありすぎてすぐに特定されること請け合いである。
「でしょ? なら、素直に受け取っておきなよ。さて……それじゃあ、次にいこうか」
ディエヴスは微笑みを浮かべながら先へと促す。それを受けてツグナは小さく頷くと、左腕から彼の身体の中に仕舞い込まれた《クトゥルー》という魔書を取り出す。
魔書――それはキリアやシルヴィなど、魔術師と呼ばれる職種の者が扱う魔法の上位に位置する概念たる「魔導」を行使するアイテムである。
ツグナの持つ魔書《クトゥルー》は、彼のユニーク魔法である「創造召喚魔法」を行使する際に使われるほか、この魔書の他に6つの魔書が統合されており、計7つの魔書それぞれに込められた「大罪」を召喚することができる。
「さぁ、出番だ――ジェスター」
魔書を開き、その中に自らが描いた従者を呼び出す魔法――それがツグナに与えられた「創造召喚魔法」である。
魔力を込め、開かれた魔書から呼び出されたのは、道化師にも似た仮面をつけた自動人形たるジェスターと、誘う道化門である。
「よし! そして――スキル付与、と」
ジェスターの顕現を確認したディエヴスは、再び指を鳴らす。
「これで問題無くスキルが付与されたハズだよ。キミの『眼』で確認してみてくれる?」
「あぁ、分かった」
ディエヴスに促され、ツグナは門の脇に立つジェスターを「視る」。彼の「異界の鑑定眼」スキルは、眼に映る対象の状態を詳らかにする。
ツグナは、その眼で見たジェスターのスキルに「異界転移」のスキルが新たに追加されたことを確認し、ディエヴスに「問題ないようだ」と返答する。
「OK、ならこれでボクの仕事は終わりだ。あとはキミたちが門の向こうへ行くだけだよ」
「……だな。一応、事前に話し合った通り、基本的に月イチで報告を兼ねてこっちに戻って来ることにしているけど、なるべく早く戻ってくるように努めるよ。それまで……ドジ踏むなよ?」
「失敬な! これでもボクは神様だよ? そう何度も今回みたいなヘマはしないよ!」
ツグナのやや呆れ気味に呟いた言葉に、ディエヴスが頬をわずかに膨らませながら言い返す。
そして――直後に両者は同時にプッと吹き出して笑いあった。
「こんな戯れもしばらくはお預けだな」
「そうだね。ボクはただ世界の行く末を見ることしかできない存在だ。だから……くれぐれも気をつけて」
「あぁ、行ってくる」
そうしてツグナたちは、ディエヴスの視線を背に受けながら開かれた門を潜る。
そして、一行が道化の門を潜り抜けた先には――
「ウソだろ……」
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