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プリンとバス停
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惣助は帰宅後、ただちにポットで湯を沸かしはじめた。
コンビニで買ったものをちゃぶ台に置いたところで、かきあげそばではなく、幕の内弁当を食べるのが先だと気がつく。ポットは放っておいて、冷蔵庫に緑茶のペットボトルをしまい、入れ替わりにウーロン茶のペットボトルを取り出す。席に着き、スマホで5ちゃんねるまとめサイトを観覧しながら弁当を食べる。
半分ほど食べたところで、洗濯機を回しておこう、と思い立った。箸とスマホをちゃぶ台に置いて、床に散乱している服を回収する。着ている服を脱ぎかけたが、思い直して、腕に抱えているぶんだけ洗濯機に放りこむ。スピード洗濯モードで洗いはじめる。
引き続き5ちゃんねるまとめサイトを見ながら黙々と箸を動かし、幕の内弁当を食べ終わる。通常よりも十五分ほど早く洗濯を終えるべく、洗濯機は多少うるさく稼働している。
だらだらとネットサーフィンをしているうちに、洗濯が終わった。弁当の空き容器を放置したまま洗濯機へと向かいかけて、カスタードプリンの存在を思い出した。冷蔵庫から取り出し、踵を返す。
空にしたプリンの容器を夕食の残骸の横に置き、何気なく窓外に目をやると、空が暗くなりはじめていた。
スマホを確認すると、午後七時まで約一時間。
立ち上がり、弁当の空き容器を手にしたものの、ごみ袋がどこにも見つからない。惣菜の汁が漏れていたらしく、右手の人差し指にべたつきを感じた。空き容器を元の場所に戻し、人差し指をちゃぶ台の縁になすりつけ、洗濯機のもとへ。
*
アラバマは思い出したように右手の人差し指と親指を舐め、べたついた甘さを取り除いた。
中指も舐めようとして、道の向こうからママチャリが走ってきたので、さっと腕を下ろす。乗っているのは髪の毛のボリュームが多い中年女性で、通り過ぎるさい、ベルがちりちりとかすかな音を奏でた。
ひたすら真っ直ぐに歩いて市道に出る。横断歩道を渡った先にコンビニがあり、店先で学生服姿の集団が塊を成している。片側二車線で、自動車が盛んに行き交っている。
横断歩道の手前で、いかにも信号待ちをしているかのように数秒佇んで、道を北へ向かう。
バスの停留所を見つけ、木製ベンチに車道のほうを向いて腰を下ろす。ひっきりなしに自動車が行き交っている。上空を見上げると、半透明になった屋根越しに曇り空が見えた。
立ち上がって標識に相対する。駅前行きの時刻表を見ると、半時間置きに発着している。再び腰を下ろし、右手の中指を座板になすりつける。
車の流れが緩やかになり、アラバマのちょうど目の前に一台が停まった。黒い軽自動車で、開いた窓からアップテンポな音楽が漏れ出している。ショートヘアの若い女性がハンドルを握っていて、ふと気がついたようにアラバマのほうを見た。
ベンチから立ち上がり、歩き出す。
コンビニで買ったものをちゃぶ台に置いたところで、かきあげそばではなく、幕の内弁当を食べるのが先だと気がつく。ポットは放っておいて、冷蔵庫に緑茶のペットボトルをしまい、入れ替わりにウーロン茶のペットボトルを取り出す。席に着き、スマホで5ちゃんねるまとめサイトを観覧しながら弁当を食べる。
半分ほど食べたところで、洗濯機を回しておこう、と思い立った。箸とスマホをちゃぶ台に置いて、床に散乱している服を回収する。着ている服を脱ぎかけたが、思い直して、腕に抱えているぶんだけ洗濯機に放りこむ。スピード洗濯モードで洗いはじめる。
引き続き5ちゃんねるまとめサイトを見ながら黙々と箸を動かし、幕の内弁当を食べ終わる。通常よりも十五分ほど早く洗濯を終えるべく、洗濯機は多少うるさく稼働している。
だらだらとネットサーフィンをしているうちに、洗濯が終わった。弁当の空き容器を放置したまま洗濯機へと向かいかけて、カスタードプリンの存在を思い出した。冷蔵庫から取り出し、踵を返す。
空にしたプリンの容器を夕食の残骸の横に置き、何気なく窓外に目をやると、空が暗くなりはじめていた。
スマホを確認すると、午後七時まで約一時間。
立ち上がり、弁当の空き容器を手にしたものの、ごみ袋がどこにも見つからない。惣菜の汁が漏れていたらしく、右手の人差し指にべたつきを感じた。空き容器を元の場所に戻し、人差し指をちゃぶ台の縁になすりつけ、洗濯機のもとへ。
*
アラバマは思い出したように右手の人差し指と親指を舐め、べたついた甘さを取り除いた。
中指も舐めようとして、道の向こうからママチャリが走ってきたので、さっと腕を下ろす。乗っているのは髪の毛のボリュームが多い中年女性で、通り過ぎるさい、ベルがちりちりとかすかな音を奏でた。
ひたすら真っ直ぐに歩いて市道に出る。横断歩道を渡った先にコンビニがあり、店先で学生服姿の集団が塊を成している。片側二車線で、自動車が盛んに行き交っている。
横断歩道の手前で、いかにも信号待ちをしているかのように数秒佇んで、道を北へ向かう。
バスの停留所を見つけ、木製ベンチに車道のほうを向いて腰を下ろす。ひっきりなしに自動車が行き交っている。上空を見上げると、半透明になった屋根越しに曇り空が見えた。
立ち上がって標識に相対する。駅前行きの時刻表を見ると、半時間置きに発着している。再び腰を下ろし、右手の中指を座板になすりつける。
車の流れが緩やかになり、アラバマのちょうど目の前に一台が停まった。黒い軽自動車で、開いた窓からアップテンポな音楽が漏れ出している。ショートヘアの若い女性がハンドルを握っていて、ふと気がついたようにアラバマのほうを見た。
ベンチから立ち上がり、歩き出す。
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