34 / 43
第二部
12
しおりを挟む
「うん、いいね、これ」
今日はちょっと手を抜いて、とフルーツサンドイッチとクレープにしたのだが神様には好評だった。
「サンドイッチの具にフルーツを使うと言うのが斬新でいい。あとこっちの薄い皮にフルーツやクリームを包むというのもいいな」
こちらにはないんですか?
「ないな。サンドイッチといえば食事だからな。こういうおやつ感覚のものはない」
ほほう、それは良いことを聞いた。
「商売にするならパルデレも巻き込むといいよ」
そうします!
私はそう元気に告げて教会を後にした。
いつものカフェに行くといつもパルデレは先に待っている。
「いつも早いのね」
「女性を待たせるんは俺の趣味やないからなあ」
にかっと笑うパルデレに私も笑って、今日は相談があるの、と持ちかけた。
「なんや、辺境伯のことか」
「ううん、商売の話」
「商売?」
私たちは店に入ってフルーツサンドイッチとクレープの話をした。
「サンドイッチにフルーツか。女子うけしそうやな。クレープっちゅうんも面白い」
「でしょう?屋台で発売してみたらどうかと思うの」
「でもそうなるとまた許可証を貰わなかんなあ」
「それなんだけど、パルデレが考えたってことにしたらどうかと思うの」
私の提案にパルデレは目を丸くした。
「私が発案者だとパレヴィスで流行らせるにはまた許可証がいるでしょう?でもその逆なら許可証はいらないもの。だからパルデレが先にパレヴィスで流行らせてこちらに輸入するって形にすれば良いと思うの」
「ほんまにええんか、そんな……」
「もちろん売り上げの何割かは貰うわ。商売だもの。でも良心的な金額でお取引できたら良いと思っているわ」
パルデレはにかっと笑うとなら、と手を差し出した。
「細かい話、詰めていこか」
私もその手を取ってにこりと笑ったのだった。
「というわけで新たに商売を始めようかと思います」
アデミル様に打ち明けるとあっさりと良いんじゃないか、と言ってくれた。
「……パルデレとの共同事業ですよ?良いんですか?」
「反対したところできみはやめないだろう?」
「まあそうですけど」
「だったら反対するだけ無駄だ」
「嫉妬しない?」
「……きみは私をどうしたいんだね」
「賛成はしてほしいけど嫉妬もしてほしいです」
するとアデミル様は肩を抱きよせると私の頭にぐりぐりと頬を擦り寄せてきみというひとは、とため息混じりに言った。
「嫉妬するに決まっているだろう。今まできみの世界は私だけだったのに広がってしまった。しかも男だ。嫉妬するに決まっている」
「でも信じてくださっているんですよね」
「当たり前だ。信じているからこそ嫉妬こそしても反対はしないだろう?」
二の腕を撫でさすられて私もアデミル様の首筋に鼻を埋める。白檀に似た匂いがすうっと胸いっぱいに満たされる。
頬を撫でられて顔を上げると額にキスを落とされた。
「私の可愛いシオリ、無理はしないように」
「はぁい」
そう笑って私からもアデミル様の頬にちゅっとキスをした。
それからしばらくの間忙しかった。
大量に作る場合の材料の配合比率、原価、販売価格、初動でどれくらい用意するか、材料の購入ルート、機材などなど。
これらをパルデレが帰国してしまうまでにある程度まとめないといけないので急ピッチで進めた。
そして、王都から許可証が届きパルデレの帰国の日が近づいてきた。それと同時に私たちのフルーツサンドとクレープの販売の目処も立ってきた。
あとはパルデレがパレヴィスに帰国して流行らせてそれをこちらに持ち込むだけである。
ということで、今日はパルデレを招いてのティータイムである。
パルデレのリクエスト通りスフレチーズケーキを焼いておいた。
「うんま!」
ケーキを一口食べるなりパルデレは目を輝かせて私を見た。
「なんやねんこれ、めっちゃうまいやん!」
「喜んでもえらえてよかった。アデミル様はどうですか?お口にあいますか?」
「ああ、美味しいよ」
「よかった」
微笑みあって並んで座る。パルデレははっとしたようにチーズケーキを見下ろした。
「なあ、これクレープで包んだら美味いんちゃう?」
「ああ、そうね、生クリームとベリー系のソースをかけて包んだら美味しいかも」
「それいただきや!ちょっと値は張ってまうけど美味けりゃ気にせんお客もおるやろ」
「あ、それならチョコブラウニー包んでも良いんじゃない?」
「あーそれもええなあ!」
「きみとマレスチノ氏は」
「パルデレでええで!」
「その、きみとパルデレはいつもそんな感じなのか」
質問の意図を測りかねた私がきょとんとするとパルデレがそうそう、と笑った。
「いっつも商売の話ばっかや。あと三割くらいが辺境伯との惚気話や。安心してくださいな」
「あ、安心など……」
「うふふ、信用はしてても嫉妬はしてくださるんですもんね」
アデミル様がぐうっと喉を低く鳴らして黙り込む。私はそんなアデミル様の体に寄り添った。
「私はそんなアデミル様が大好きですよ」
「シオリ……」
私たちが見つめあって微笑みあうと、パルデレがはいはいあっついあっついと揶揄った。
パルデレは帰りがけ、まあ仲良うしてるようでよかったわ、と言った。
「ギスギスしてるんやったらシオリのこと国に連れて帰ったろ思てたんやけどな」
「何?」
急に険をおびた目でパルデレを見るアデミル様にしかしパルデレは臆することなく続ける。
「シオリはええ女や。ビジネスパートナーとしても申し分無い。大事にしなはれよ辺境伯」
「……言われなくとも」
低い応えにパルデレはそれもそうやなと呵呵と笑うと踵を返して馬車に乗り込んだ。
「また状況は手紙で報告する。軌道に乗ったら会いにくるからその時はまたチーズケーキ焼いてや」
馬車の扉が閉じて走り出す。明日の朝立つと言っていたから暫く会えないだろう。
私が馬車に向かって手を振っているとぐいっと手を引かれて敷地内に戻される。
「やはりきみは閉じ込めておいた方がいいのかもしれん」
苦々しげに言うアデミル様に、私は声をあげて笑ったのだった。
(続く)
今日はちょっと手を抜いて、とフルーツサンドイッチとクレープにしたのだが神様には好評だった。
「サンドイッチの具にフルーツを使うと言うのが斬新でいい。あとこっちの薄い皮にフルーツやクリームを包むというのもいいな」
こちらにはないんですか?
「ないな。サンドイッチといえば食事だからな。こういうおやつ感覚のものはない」
ほほう、それは良いことを聞いた。
「商売にするならパルデレも巻き込むといいよ」
そうします!
私はそう元気に告げて教会を後にした。
いつものカフェに行くといつもパルデレは先に待っている。
「いつも早いのね」
「女性を待たせるんは俺の趣味やないからなあ」
にかっと笑うパルデレに私も笑って、今日は相談があるの、と持ちかけた。
「なんや、辺境伯のことか」
「ううん、商売の話」
「商売?」
私たちは店に入ってフルーツサンドイッチとクレープの話をした。
「サンドイッチにフルーツか。女子うけしそうやな。クレープっちゅうんも面白い」
「でしょう?屋台で発売してみたらどうかと思うの」
「でもそうなるとまた許可証を貰わなかんなあ」
「それなんだけど、パルデレが考えたってことにしたらどうかと思うの」
私の提案にパルデレは目を丸くした。
「私が発案者だとパレヴィスで流行らせるにはまた許可証がいるでしょう?でもその逆なら許可証はいらないもの。だからパルデレが先にパレヴィスで流行らせてこちらに輸入するって形にすれば良いと思うの」
「ほんまにええんか、そんな……」
「もちろん売り上げの何割かは貰うわ。商売だもの。でも良心的な金額でお取引できたら良いと思っているわ」
パルデレはにかっと笑うとなら、と手を差し出した。
「細かい話、詰めていこか」
私もその手を取ってにこりと笑ったのだった。
「というわけで新たに商売を始めようかと思います」
アデミル様に打ち明けるとあっさりと良いんじゃないか、と言ってくれた。
「……パルデレとの共同事業ですよ?良いんですか?」
「反対したところできみはやめないだろう?」
「まあそうですけど」
「だったら反対するだけ無駄だ」
「嫉妬しない?」
「……きみは私をどうしたいんだね」
「賛成はしてほしいけど嫉妬もしてほしいです」
するとアデミル様は肩を抱きよせると私の頭にぐりぐりと頬を擦り寄せてきみというひとは、とため息混じりに言った。
「嫉妬するに決まっているだろう。今まできみの世界は私だけだったのに広がってしまった。しかも男だ。嫉妬するに決まっている」
「でも信じてくださっているんですよね」
「当たり前だ。信じているからこそ嫉妬こそしても反対はしないだろう?」
二の腕を撫でさすられて私もアデミル様の首筋に鼻を埋める。白檀に似た匂いがすうっと胸いっぱいに満たされる。
頬を撫でられて顔を上げると額にキスを落とされた。
「私の可愛いシオリ、無理はしないように」
「はぁい」
そう笑って私からもアデミル様の頬にちゅっとキスをした。
それからしばらくの間忙しかった。
大量に作る場合の材料の配合比率、原価、販売価格、初動でどれくらい用意するか、材料の購入ルート、機材などなど。
これらをパルデレが帰国してしまうまでにある程度まとめないといけないので急ピッチで進めた。
そして、王都から許可証が届きパルデレの帰国の日が近づいてきた。それと同時に私たちのフルーツサンドとクレープの販売の目処も立ってきた。
あとはパルデレがパレヴィスに帰国して流行らせてそれをこちらに持ち込むだけである。
ということで、今日はパルデレを招いてのティータイムである。
パルデレのリクエスト通りスフレチーズケーキを焼いておいた。
「うんま!」
ケーキを一口食べるなりパルデレは目を輝かせて私を見た。
「なんやねんこれ、めっちゃうまいやん!」
「喜んでもえらえてよかった。アデミル様はどうですか?お口にあいますか?」
「ああ、美味しいよ」
「よかった」
微笑みあって並んで座る。パルデレははっとしたようにチーズケーキを見下ろした。
「なあ、これクレープで包んだら美味いんちゃう?」
「ああ、そうね、生クリームとベリー系のソースをかけて包んだら美味しいかも」
「それいただきや!ちょっと値は張ってまうけど美味けりゃ気にせんお客もおるやろ」
「あ、それならチョコブラウニー包んでも良いんじゃない?」
「あーそれもええなあ!」
「きみとマレスチノ氏は」
「パルデレでええで!」
「その、きみとパルデレはいつもそんな感じなのか」
質問の意図を測りかねた私がきょとんとするとパルデレがそうそう、と笑った。
「いっつも商売の話ばっかや。あと三割くらいが辺境伯との惚気話や。安心してくださいな」
「あ、安心など……」
「うふふ、信用はしてても嫉妬はしてくださるんですもんね」
アデミル様がぐうっと喉を低く鳴らして黙り込む。私はそんなアデミル様の体に寄り添った。
「私はそんなアデミル様が大好きですよ」
「シオリ……」
私たちが見つめあって微笑みあうと、パルデレがはいはいあっついあっついと揶揄った。
パルデレは帰りがけ、まあ仲良うしてるようでよかったわ、と言った。
「ギスギスしてるんやったらシオリのこと国に連れて帰ったろ思てたんやけどな」
「何?」
急に険をおびた目でパルデレを見るアデミル様にしかしパルデレは臆することなく続ける。
「シオリはええ女や。ビジネスパートナーとしても申し分無い。大事にしなはれよ辺境伯」
「……言われなくとも」
低い応えにパルデレはそれもそうやなと呵呵と笑うと踵を返して馬車に乗り込んだ。
「また状況は手紙で報告する。軌道に乗ったら会いにくるからその時はまたチーズケーキ焼いてや」
馬車の扉が閉じて走り出す。明日の朝立つと言っていたから暫く会えないだろう。
私が馬車に向かって手を振っているとぐいっと手を引かれて敷地内に戻される。
「やはりきみは閉じ込めておいた方がいいのかもしれん」
苦々しげに言うアデミル様に、私は声をあげて笑ったのだった。
(続く)
0
お気に入りに追加
481
あなたにおすすめの小説
大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました
扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!?
*こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。
――
ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。
そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。
その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。
結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。
が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。
彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。
しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。
どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。
そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。
――もしかして、これは嫌がらせ?
メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。
「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」
どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……?
*WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。
離縁を申し出たら溺愛されるようになりました!? ~将軍閣下は年下妻にご執心~
姫 沙羅(き さら)
恋愛
タイトル通りのお話です。
少しだけじれじれ・切ない系は入りますが、全11話ですのですぐに甘くなります。(+番外編)
えっち率は高め。
他サイト様にも公開しております。
悪役令嬢、お城の雑用係として懲罰中~一夜の過ちのせいで仮面の騎士団長様に溺愛されるなんて想定外です~
束原ミヤコ
恋愛
ルティエラ・エヴァートン公爵令嬢は王太子アルヴァロの婚約者であったが、王太子が聖女クラリッサと真実の愛をみつけたために、婚約破棄されてしまう。
ルティエラの取り巻きたちがクラリッサにした嫌がらせは全てルティエラの指示とれさた。
懲罰のために懲罰局に所属し、五年間無給で城の雑用係をすることを言い渡される。
半年後、休暇をもらったルティエラは、初めて酒場で酒を飲んだ。
翌朝目覚めると、見知らぬ部屋で知らない男と全裸で寝ていた。
仕事があるため部屋から抜け出したルティエラは、二度とその男には会わないだろうと思っていた。
それから数日後、ルティエラに命令がくだる。
常に仮面をつけて生活している謎多き騎士団長レオンハルト・ユースティスの、専属秘書になれという──。
とある理由から仮面をつけている女が苦手な騎士団長と、冤罪によって懲罰中だけれど割と元気に働いている公爵令嬢の話です。
美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました
市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。
私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?!
しかも婚約者達との関係も最悪で……
まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!
壁の花令嬢の最高の結婚
晴 菜葉
恋愛
壁の花とは、舞踏会で誰にも声を掛けてもらえず壁に立っている適齢期の女性を示す。
社交デビューして五年、一向に声を掛けられないヴィンセント伯爵の実妹であるアメリアは、兄ハリー・レノワーズの悪友であるブランシェット子爵エデュアルト・パウエルの心ない言葉に傷ついていた。
ある日、アメリアに縁談話がくる。相手は三十歳上の財産家で、妻に暴力を働いてこれまでに三回離縁を繰り返していると噂の男だった。
アメリアは自棄になって家出を決行する。
行く当てもなく彷徨いていると、たまたま賭博場に行く途中のエデュアルトに出会した。
そんなとき、彼が暴漢に襲われてしまう。
助けたアメリアは、背中に消えない傷を負ってしまった。
乙女に一生の傷を背負わせてしまったエデュアルトは、心底反省しているようだ。
「俺が出来ることなら何だってする」
そこでアメリアは考える。
暴力を振るう亭主より、女にだらしない放蕩者の方がずっとマシ。
「では、私と契約結婚してください」
R18には※をしています。
【R18】悪役令嬢は悪魔伯爵を愛したい
夕日(夕日凪)
恋愛
とある乙女ゲームのどのルートでも必ず婚約破棄される悪役令嬢、『テレーシア・ブレンストレーム』。
公衆の面前でオットマー王太子に婚約破棄をされたテレーシアが浮かべたのは、涙ではなく……満面の笑みだった。
──テレーシア・ブレンストレームは転生者である。
そして彼女の前世の最推しは、婚約破棄後のテレーシアを手に入れ、その肉体を蹂躙する『悪魔伯爵』フーゴだったのだ。
念願の婚約破棄をされたテレーシアは自ら、フーゴの胸に飛び込みにいく。
「……気の迷いだとしても、逃してはあげられませんよ?」
「大好きですから、逃げたりしません! フーゴ様!」
そんな二人の触手プレイもあるよ!な、愛やら恋やらのはじまりのお話。
完結 R20 罪人(つみびと)の公爵令嬢と異形の辺境伯~呪われた絶品の契約結婚をお召し上がりくださいませ 改稿版
にじくす まさしよ
恋愛
R20 昨年のタイトルの改稿版になります
あれは、いつの事だっただろうか──父に連れられた王宮の庭で迷子になった時に、少し年上の少年がいた。美しく生い茂る花々が霞んで見えるほどに父を探してわんわん泣いていたキャロルは涙が止まる。少年がこちらに気づいて──
(その後、どうしたんだっけ?)
「お前のような犯罪者とは婚約破棄だ」と言い出した婚約者がキャンキャン吠えているのを、キャロルは別の事を考えながら右から左に受け流すどころか、耳に入ってこないように魔法でバリアを張っていた。
目の前の二人がいちゃこら始めたのでアホらしくなる。二人の行く末は明るくないだろう、とため息を吐いた。
キャロルは元婚約者の王子に着せられた冤罪によって、辺境伯に嫁ぐ事になる。
辺境伯は人を恐怖に貶め、悪夢に苛まれるほどの醜悪な異形だという噂がある。その人に嫁がねば死に至る、一方的な契約印を首に施された。
辺境に行くと、彼とは会えず仕舞い。執事に、「王族の命令だから凶悪な罪人を娶ったが、お飾りの妻として過ごすように」という辺境伯からの言葉を伝えられた。嫌われたキャロルは、苦々しく見つめる使用人たちにも厳しい視線にさらされる。
結婚なんてしたくないと思っていた彼女は、これ幸いと楽しくぐーたらな日常を過ごすために契約結婚を提案するのであった。
旧題
【完結】【R18】婚約者に冤罪を吹っ掛けられたあげく罰として、呪われた異形に嫁ぐことになりました~嫌われているらしいので契約結婚しちゃいます
キャラクター、ざまぁ要素など、かなり変更しています。
コメント欄をしばらくオープンにしておきます。
2023,7,24コメントとじました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる