23 / 43
第二部
01
しおりを挟む
私は小山内詩織。ある日突然異世界に聖女として召喚されたあげく聖女じゃないと言われてアデンミリヤム・イル・ヴィルフォア辺境伯のもとに嫁がされました。
すったもんだの末に私はシオリ・オサナイ・ヴィルフォアとなってアデンミリヤム様、愛称がアデミル様の妻として生きていくことになった。
おっと、大切な情報を忘れていた。アデミル様は獣人、ワータイガーだ。
白虎のような白銀に黒ラインのもふもふさんなのだ。
丸い形の耳も長い尻尾も切れ長の金の瞳も全てがかわいい。
そう、かわいいのだ。私の旦那様はかわいいのだ。これは声を大にして言わせてもらう。
私の旦那様はかわいい!
格好いいけどそれ以上にかわいいのだ!これは譲れない!
アデミル様も私のことを溺愛してくれているけれど私も負けず劣らずアデミル様を溺愛している。似た者夫婦ですね、と私のお付きのメイドは言う。
そんな私たちに、なんと赤ちゃんが産まれました。
獣人のアデミル様と人間の私の子ってどんな子?って話ですよね。
この世界には半獣人はいないらしくて獣人か人間かのどちらからしいです。
で、この世界での獣人の地位は低くて辺境伯にまでなれたアデミル様が異例な状態で、普通は学もなく軍隊で使い潰されるのがせいぜいらしい。
だからアデミル様は口には出さなかったけれど、健康で元気であればそれ以上は望まないって言っていたけれど、お腹の子が人間の子として産まれてきてほしかったんだと思う。
その祈りは通じて産まれてきたのは人間の、しかも男の子だった。ヴィルフォア家の事実上の跡取りだ。
アデミル様はそれはもう喜んで珍しく酔っ払うまでワインを飲んでいた。
そんな新生ヴィルフォア家ですがよろしくお願いします!
赤ちゃんの名前は一週間以内に決めて届けを出さなくてはならない。
アデミル様はあの名前が良いだのこちらの方が縁起がいいだの迷いに迷ってひとつの名前を私に見せてきた。
アインダルバス。夜明け星という意味らしい。
夜明けの光の中でも輝く星。アインダルバス。
良い名前ではないだろうかと私は思ったので良いと思います、と答えた。
愛称はアインスだ。アデミル様の息子らしくて良いのではないか。
するとアデミル様はきみは何か希望はないのか、と聞いてきた。
私はこの二年ほどでこの世界の知識はそれなりに吸収して理解してきたつもりだ。でも名付けとなるとまた話が違ってくる。
あちらの世界風の名前をつけるのは憚られたし名付け辞典を見てもどれも良くて迷ってしまう。
だからここはアデミル様に決めてもらったほうが良いのだ。
私がそう説明すると彼はそうか、と頷いてではアインダルバスにしようと心を決めたようだった。
私はまだ産褥期でまともにベッドから動けなかったので届け出はアデミル様がしてくれた。
この世界での産褥期は五日間と短い。なぜなら五日目に婦人科の先生が魔法で体を治してくれるからだ。
では何故五日までは魔法で治さないのか。私には詳しい原理はわからないが五日より早くに治してしまうと母乳の出が悪くなるのだそうだ。
アデミル様に理由を聞いてもそういうものだとしか教えてくれないし疑問にも思っていないようだった。
私は別に乳母がいるので母乳の出は気にしなくて良いから早めに治してもらうこともできると言われたけれど出来るだけ私の母乳で育てたかったので五日目まで待つことにしたのだ。
そして五日目。やってきた医師に魔法をかけてもらったら途端に体が楽になった。痛みもなければ気だるさもない、精神的にも安定した。
ああ、私こんなに体調が悪かったんだなと思い知った。
完全回復した私は早速お菓子作りを始めた。
アデミル様はもう少し横になっていたらどうだと言ってくれたけれどもう元気なのでと笑って彼の頬にキスを落とした。
今日はイチゴジャムを使ったミルクレープにした。お届け先の方がイチゴが好きだから。
私はミルクレープをふたつ作るとお仕事中のアデミル様に教会に行ってきますね、と言った。
するとアデミル様は大慌てでペンを止めて私も行く!と席を立った。
一人で行けるのに、と思ったが心配してくれているのがよく分かったのでありがとうございますと素直に受け取った。
馬車に乗り込む時はフットマンのベアノアが気をつけてくださいね、と手を取って馬車に乗せてくれた。
アインスをお願いね、と執事長のルーイングに告げて私たちは教会へ向けて馬車を走らせた。
教会に到着して個室の祈祷室に通される。いつものことだ。
私は祭壇にミルクレープを供えると膝をついて祈りを捧げた。
神様、お供えが数日開いたことすみませんでした。
すると耳元でまあ仕方ないさと声がした。これが神様の声だ。アデミル様ほど低くはない男性の声。
「きみも大仕事を成し得て一息ついただろう」
少しは、ですね。子育てはこれからですから。
するとミルクレープが淡い光を放って消えた。
「イチゴクリームのミルクレープかい。いいね。私の好みだ」
良かったです。息子ですが、アインダルバスと名付けました。よろしくお願いします。
ああ、登録されてたから見たよ。良い名前だね。アデンミリヤムは自分の名前が長い間コンプレックスだったみたいだし良い名前をと悩んだのだろう。
アデミル様、今も気にされてますか?
「いいや、きみが良い名前だと褒めてからは気にしなくなったな。現金なものだ」
そうですか、良かったです。
ねえ神様。
「なんだい」
人間の男の子にしてくれたのは、神様ですよね。
「私は出産に関してはランダムだと言わなかったかな」
でもそのシステムを作ったのは神様ですよね。介入できないわけないと思うんですけど。
「……それで?」
不機嫌にならないで?感謝してるんです。アデミル様がとても喜んでいました。私もあの人が喜んでくれて良かったと思っています。
「きみは美味しいお菓子を毎日欠かさず供えてくれたからね。出産と産褥で作れない時はアデミルが果物を毎日供えに来てくれた。私はきみたちを気に入っている。だから少しばかり祝福を与えただけだ」
ありがとうございます。今日も一日アデミル様と私とアインス、そしてヴィルフォア辺境地の民が幸せで在らんことを。
「ささやかな幸せをきみたちに捧げることを約束しよう」
そうして私と神様の交信は終わった。
立ち上がるとアデミル様が寄り添ってくれた。
「神はなんと」
「いつものことです。ミルクレープ喜んでいただけました」
「良かったな」
「はい」
手を繋いで教会を出て馬車の元まで行くともう一人のフットマンのマグリッドが扉を開けて階段を設置してくれる。
アデミル様が先に乗り込み、私に手を差し伸べる。
その手を取って私は馬車に乗り込んだ。
屋敷に帰り着くと乳母のメノリアがアインスを抱いて出迎えてくれて私は彼女からアインスを受け取った。
柔らかいミルクとおひさまの匂いのするアインス。
私はアデミル様を見上げて微笑みかけると幸せですね、と囁いた。
そうだな、とアデミル様も私の肩を抱いて微笑んでいた。
(続く)
すったもんだの末に私はシオリ・オサナイ・ヴィルフォアとなってアデンミリヤム様、愛称がアデミル様の妻として生きていくことになった。
おっと、大切な情報を忘れていた。アデミル様は獣人、ワータイガーだ。
白虎のような白銀に黒ラインのもふもふさんなのだ。
丸い形の耳も長い尻尾も切れ長の金の瞳も全てがかわいい。
そう、かわいいのだ。私の旦那様はかわいいのだ。これは声を大にして言わせてもらう。
私の旦那様はかわいい!
格好いいけどそれ以上にかわいいのだ!これは譲れない!
アデミル様も私のことを溺愛してくれているけれど私も負けず劣らずアデミル様を溺愛している。似た者夫婦ですね、と私のお付きのメイドは言う。
そんな私たちに、なんと赤ちゃんが産まれました。
獣人のアデミル様と人間の私の子ってどんな子?って話ですよね。
この世界には半獣人はいないらしくて獣人か人間かのどちらからしいです。
で、この世界での獣人の地位は低くて辺境伯にまでなれたアデミル様が異例な状態で、普通は学もなく軍隊で使い潰されるのがせいぜいらしい。
だからアデミル様は口には出さなかったけれど、健康で元気であればそれ以上は望まないって言っていたけれど、お腹の子が人間の子として産まれてきてほしかったんだと思う。
その祈りは通じて産まれてきたのは人間の、しかも男の子だった。ヴィルフォア家の事実上の跡取りだ。
アデミル様はそれはもう喜んで珍しく酔っ払うまでワインを飲んでいた。
そんな新生ヴィルフォア家ですがよろしくお願いします!
赤ちゃんの名前は一週間以内に決めて届けを出さなくてはならない。
アデミル様はあの名前が良いだのこちらの方が縁起がいいだの迷いに迷ってひとつの名前を私に見せてきた。
アインダルバス。夜明け星という意味らしい。
夜明けの光の中でも輝く星。アインダルバス。
良い名前ではないだろうかと私は思ったので良いと思います、と答えた。
愛称はアインスだ。アデミル様の息子らしくて良いのではないか。
するとアデミル様はきみは何か希望はないのか、と聞いてきた。
私はこの二年ほどでこの世界の知識はそれなりに吸収して理解してきたつもりだ。でも名付けとなるとまた話が違ってくる。
あちらの世界風の名前をつけるのは憚られたし名付け辞典を見てもどれも良くて迷ってしまう。
だからここはアデミル様に決めてもらったほうが良いのだ。
私がそう説明すると彼はそうか、と頷いてではアインダルバスにしようと心を決めたようだった。
私はまだ産褥期でまともにベッドから動けなかったので届け出はアデミル様がしてくれた。
この世界での産褥期は五日間と短い。なぜなら五日目に婦人科の先生が魔法で体を治してくれるからだ。
では何故五日までは魔法で治さないのか。私には詳しい原理はわからないが五日より早くに治してしまうと母乳の出が悪くなるのだそうだ。
アデミル様に理由を聞いてもそういうものだとしか教えてくれないし疑問にも思っていないようだった。
私は別に乳母がいるので母乳の出は気にしなくて良いから早めに治してもらうこともできると言われたけれど出来るだけ私の母乳で育てたかったので五日目まで待つことにしたのだ。
そして五日目。やってきた医師に魔法をかけてもらったら途端に体が楽になった。痛みもなければ気だるさもない、精神的にも安定した。
ああ、私こんなに体調が悪かったんだなと思い知った。
完全回復した私は早速お菓子作りを始めた。
アデミル様はもう少し横になっていたらどうだと言ってくれたけれどもう元気なのでと笑って彼の頬にキスを落とした。
今日はイチゴジャムを使ったミルクレープにした。お届け先の方がイチゴが好きだから。
私はミルクレープをふたつ作るとお仕事中のアデミル様に教会に行ってきますね、と言った。
するとアデミル様は大慌てでペンを止めて私も行く!と席を立った。
一人で行けるのに、と思ったが心配してくれているのがよく分かったのでありがとうございますと素直に受け取った。
馬車に乗り込む時はフットマンのベアノアが気をつけてくださいね、と手を取って馬車に乗せてくれた。
アインスをお願いね、と執事長のルーイングに告げて私たちは教会へ向けて馬車を走らせた。
教会に到着して個室の祈祷室に通される。いつものことだ。
私は祭壇にミルクレープを供えると膝をついて祈りを捧げた。
神様、お供えが数日開いたことすみませんでした。
すると耳元でまあ仕方ないさと声がした。これが神様の声だ。アデミル様ほど低くはない男性の声。
「きみも大仕事を成し得て一息ついただろう」
少しは、ですね。子育てはこれからですから。
するとミルクレープが淡い光を放って消えた。
「イチゴクリームのミルクレープかい。いいね。私の好みだ」
良かったです。息子ですが、アインダルバスと名付けました。よろしくお願いします。
ああ、登録されてたから見たよ。良い名前だね。アデンミリヤムは自分の名前が長い間コンプレックスだったみたいだし良い名前をと悩んだのだろう。
アデミル様、今も気にされてますか?
「いいや、きみが良い名前だと褒めてからは気にしなくなったな。現金なものだ」
そうですか、良かったです。
ねえ神様。
「なんだい」
人間の男の子にしてくれたのは、神様ですよね。
「私は出産に関してはランダムだと言わなかったかな」
でもそのシステムを作ったのは神様ですよね。介入できないわけないと思うんですけど。
「……それで?」
不機嫌にならないで?感謝してるんです。アデミル様がとても喜んでいました。私もあの人が喜んでくれて良かったと思っています。
「きみは美味しいお菓子を毎日欠かさず供えてくれたからね。出産と産褥で作れない時はアデミルが果物を毎日供えに来てくれた。私はきみたちを気に入っている。だから少しばかり祝福を与えただけだ」
ありがとうございます。今日も一日アデミル様と私とアインス、そしてヴィルフォア辺境地の民が幸せで在らんことを。
「ささやかな幸せをきみたちに捧げることを約束しよう」
そうして私と神様の交信は終わった。
立ち上がるとアデミル様が寄り添ってくれた。
「神はなんと」
「いつものことです。ミルクレープ喜んでいただけました」
「良かったな」
「はい」
手を繋いで教会を出て馬車の元まで行くともう一人のフットマンのマグリッドが扉を開けて階段を設置してくれる。
アデミル様が先に乗り込み、私に手を差し伸べる。
その手を取って私は馬車に乗り込んだ。
屋敷に帰り着くと乳母のメノリアがアインスを抱いて出迎えてくれて私は彼女からアインスを受け取った。
柔らかいミルクとおひさまの匂いのするアインス。
私はアデミル様を見上げて微笑みかけると幸せですね、と囁いた。
そうだな、とアデミル様も私の肩を抱いて微笑んでいた。
(続く)
0
お気に入りに追加
481
あなたにおすすめの小説
【完結】一夜の関係を結んだ相手の正体はスパダリヤクザでした~甘い執着で離してくれません!~
中山紡希
恋愛
ある出来事をキッカケに出会った容姿端麗な男の魅力に抗えず、一夜の関係を結んだ萌音。
翌朝目を覚ますと「俺の嫁になれ」と言い寄られる。
けれど、その上半身には昨晩は気付かなかった刺青が彫られていて……。
「久我組の若頭だ」
一夜の関係を結んだ相手は……ヤクザでした。
※R18
※性的描写ありますのでご注意ください
ほらやっぱり、結局貴方は彼女を好きになるんでしょう?
望月 或
恋愛
ベラトリクス侯爵家のセイフィーラと、ライオロック王国の第一王子であるユークリットは婚約者同士だ。二人は周りが羨むほどの相思相愛な仲で、通っている学園で日々仲睦まじく過ごしていた。
ある日、セイフィーラは落馬をし、その衝撃で《前世》の記憶を取り戻す。ここはゲームの中の世界で、自分は“悪役令嬢”だということを。
転入生のヒロインにユークリットが一目惚れをしてしまい、セイフィーラは二人の仲に嫉妬してヒロインを虐め、最後は『婚約破棄』をされ修道院に送られる運命であることを――
そのことをユークリットに告げると、「絶対にその彼女に目移りなんてしない。俺がこの世で愛しているのは君だけなんだ」と真剣に言ってくれたのだが……。
その日の朝礼後、ゲームの展開通り、ヒロインのリルカが転入してくる。
――そして、セイフィーラは見てしまった。
目を見開き、頬を紅潮させながらリルカを見つめているユークリットの顔を――
※作者独自の世界設定です。ゆるめなので、突っ込みは心の中でお手柔らかに願います……。
※たまに第三者視点が入ります。(タイトルに記載)
義兄に告白されて、承諾したらトロ甘な生活が待ってました。
アタナシア
恋愛
母の再婚をきっかけにできたイケメンで完璧な義兄、海斗。ひょんなことから、そんな海斗に告白をされる真名。
捨てられた子犬みたいな目で告白されたら断れないじゃん・・・!!
承諾してしまった真名に
「ーいいの・・・?ー ほんとに?ありがとう真名。大事にするね、ずっと・・・♡」熱い眼差を向けられて、そのままーーーー・・・♡。
【完結】恋愛経験ゼロ、モテ要素もないので恋愛はあきらめていたオメガ男性が運命の番に出会う話
十海 碧
BL
桐生蓮、オメガ男性は桜華学園というオメガのみの中高一貫に通っていたので恋愛経験ゼロ。好きなのは男性なのだけど、周囲のオメガ美少女には勝てないのはわかってる。高校卒業して、漫画家になり自立しようと頑張っている。蓮の父、桐生柊里、ベータ男性はイケメン恋愛小説家として活躍している。母はいないが、何か理由があるらしい。蓮が20歳になったら母のことを教えてくれる約束になっている。
ある日、沢渡優斗というアルファ男性に出会い、お互い運命の番ということに気付く。しかし、優斗は既に伊集院美月という恋人がいた。美月はIQ200の天才で美人なアルファ女性、大手出版社である伊集社の跡取り娘。かなわない恋なのかとあきらめたが……ハッピーエンドになります。
失恋した美月も運命の番に出会って幸せになります。
蓮の母は誰なのか、20歳の誕生日に柊里が説明します。柊里の過去の話をします。
初めての小説です。オメガバース、運命の番が好きで作品を書きました。業界話は取材せず空想で書いておりますので、現実とは異なることが多いと思います。空想の世界の話と許して下さい。
何かと「ひどいわ」とうるさい伯爵令嬢は
だましだまし
ファンタジー
何でもかんでも「ひどいわ」とうるさい伯爵令嬢にその取り巻きの侯爵令息。
私、男爵令嬢ライラの従妹で親友の子爵令嬢ルフィナはそんな二人にしょうちゅう絡まれ楽しい学園生活は段々とつまらなくなっていった。
そのまま卒業と思いきや…?
「ひどいわ」ばっかり言ってるからよ(笑)
全10話+エピローグとなります。
追放された元令嬢ですが、錬金術師として充実した毎日です。静かに暮らしたいのですが、チート能力とやらのおかげで平和に暮らせません。
和泉 凪紗
恋愛
侯爵令嬢のエリシアは錬金術師に憧れ、才能もあったが母親に反対されていた。その母は亡くなり、父親は再婚。腹違いの妹が産まれる。当初は関係がよかった継母は男子を産めなかったことで次第にエリシアの存在が邪魔に思うようになってしまう。
男子が産まれたとしてもエリシアを後継者から外す気が無いことを知った継母はエリシアを消すことにした。
家を追われることになったエリシアだったが、名前と姿と変え、一度は諦めた錬金術師として生活を始める。
特別な力を持ち錬金術師として充実した毎日を送っていたのに、王子と騎士団長がやっかいな依頼を持ってきて……。
わたしは静かに暮らしたいのですが?
有能な調査員は健気で不憫なかわい子ちゃんを甘やかしたい!
波木真帆
BL
本業は弁護士の成瀬優一、そして超有能な調査員のユウという裏の顔を持つ彼の右腕として動いているのが、調査員のシン。今回もユウの指示でとあるコンビニに内偵調査に入る。河北という偽名を使って内偵調査に入ったが、一足遅くそのコンビニで働いていたバイトの子が調査対象者の店長の車に轢かれ重傷を負ってしまう。お見舞いがてら情報収集に向かったシンはバイトの子『田淵伊月』に一目惚れ。なんとかコンビニ事件を解決したが、彼は二ヶ月の重傷を負ったまま働くこともできない。入院代を支払えないと困っている彼にシンは自分が肩代わりしてあげる代わりに退院後に住み込みで家事をやってもらう約束を取り付けた。そうして、シンが彼を落とす日々が始まる……。
右手シリーズの最新作。
『溺愛弁護士の裏の顔 〜僕はあなたを信じます』のスピンオフ小説なので同時系列で進みます。
付き合うようになるまでなのでそこまでは長くならない予定ですが楽しくなったら長くなるかも。
『溺愛弁護士の裏の顔 〜僕はあなたを信じます』の番外編、内偵調査から話が始まりますので、最初の部分は一度投稿したものを移動させています。今回の作品を始めるにあたって、いくつか内容を変更しているところが出てきます。
R18は※つけます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる