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 何度だって言う。
 私の旦那様はかわいい。格好いいけどかわいいのだ。
 かわいくてかわいくてかわいくてかわいくてもう!たまらない。
 あのまんまるな耳がぴるぴるっと動くのもかわいいし長い尻尾がぴしっぴしっと揺れるのもかわいい。考え事をしていると真っ黒なお鼻をぴくくっと動かすのもかわいいし私をお膝に乗せてゆらゆらしているときもかわいいし……その、えっちのときも体全体で私の中がきもちいいってオーラ出して腰振ってくれるのもかわいい。
 愛おしい。愛おしい。愛おしい。
「シオリ」
「はい」
「寒くないか?」
 行為が終わったあとに私が寝そべったままアデミル様の頭を抱えてうりうりと喉をくすぐっていたらそんなことを言われた。
「大丈夫です」
「その、布団に入らないか?」
「あっ、私みたいな小さな胸でも顔に押し付けられたら苦しいですよね。気づかなくてすみません」
「いや、それはまあ良いのだが……それにシオリの胸は小さくはないと思うぞ」
 気遣ってくれるのもかわいい。
「体が冷えるのが心配なんだ」
「わかりました」
 私はもそもそとシーツの中に戻って今度は体を寄せてその喉をくすぐる。
 するとぐるぐると気持ちよさそうな唸り声が漏れはじめて私は上機嫌になる。
「気持ちいいですか?」
「ん……きもちいい、のだが」
「だが?」
「その……また勃ってしまうからあまり刺激しないでくれ」
 私はくすっと笑うとちゅっと口づける。
「もっとしても良いんですよ?」
 下肢に手を伸ばすと既にそれは半ば勃ち上がっていた。
 うふふふふ、実はこれ、私が仕込んだんです。
 えっちのあとに喉をごろごろされたらまたしたくなるように毎日毎日繰り返して仕込んだんです。
 私が体を寄せて彼の喉をごろごろするのは「もっとしてもいいんですよ」って合図なんだって。
「……いいのか」
 そういう合図だってわかってて毎回聞いてきてくれる優しい旦那様。
 私はもちろんです、と微笑んでまた口づける。
 するとがばっとアデミル様が覆いかぶさってきて口の中に舌が押し込まれる。
「んー」
 舌を絡め合いながら見る間に硬さを増していくそれを手で扱く。
 やがて先端からぬめる液体を滲ませ始めたそれを私は自ら脚を開いてそこに導く。
「……いやらしくなったな」
「きらい?」
 腰を揺らめかせて見せれば彼はずちゅうっと勃ち上がったペニスを私の中に押し込んだ。
「ああんっ」
「すきだ。私だけが知るシオリだ」
 私のそこはもうアデミル様の剛直を受け入れることに慣れていて、彼がゆさゆさと揺さぶってくるのに嬌声をあげて受け止める。
「あっ、あっ、んんっ、アデミルさまっ」
「シオリ、シオリ、愛している、シオリ……!」
「わたしもあいしています……!あっあっ!」
 ぎゅうっと抱きしめられてがつがつと腰を打ち付けられる。ああっ、求められてるっ……!
「シオリ……!」
「あっ、あっ、いっちゃう、アデミルさま、わたし、イッちゃう……!」
「私も……!一緒にいこう……!」
「あっあっ、あああっ!」
「っく……!」
 ばちゅんっと腰を叩きつけられてびくびくと達すると体の奥で熱が弾けたのを感じた。
 ずる、ぷちゅんっとゆっくりと出したものをなじませるように動くそれ。私はアデミル様にキスをねだって荒い息のまま舌を絡めた。
「はあ、は、あ……」
「シオリ、もういっかい」
 甘えた声に私ははい、と笑ってその腰に脚を絡めたのだった。


 最近、気になっていることがある。
 私とアデミル様がセックスをするようになって一ヶ月半。生理のとき以外は毎日している。
 赤ちゃんはできているのだろうか。
 神様はすることすればできると言っていたがどうなんだろう。
 今日の供え物をしたときについでに聞いてみる。
 神様、私とアデミル様の赤ちゃんはできてますか?
「気が早いね。まだ一ヶ月半だよ」
 だって気になるんですもの。
「こういうものは授かりものだからね」
 いや、授けてるの神様じゃないんですか。
「私はこれに関してはランダムにしているんだ。だから授かる人はすぐに授かるし授かり難い人は健康でもいつまででも授からない。それは何が悪いとかではなくて強いて言うなら運が悪い。いつかは授かるようにはなっているけどね。それがいつかはわからない」
 でも神様、私たちの運、爆上げしてくださいましたよね?
「だからこれは私の手を離れているんだって。君たちの運が通るのは私のどうこうできる範疇のことだけだから」
 やることやればできるって言ったくせに!
「できるよ。いつかはね」
 むきー!
「はっはっは。ゆっくりと待ちなさい」
 ……でもまあ、焦っても仕方ないですよね。
「そういうことだ。いまは二人の生活を楽しみなさい」
 はぁい。
 ふう、と立ち上がると壁際で待っていてくれたアデミル様が難しい顔をしていたな、と言われた。
「神になにか言われたのか」
「いえ、私たちの赤ちゃんは授かるのかなって聞いてました」
 アデミル様はンッを喉をつまらせたような音を出してそ、そうか、と頷いた。
「それで、神はなんと?」
「授かるかは自分が決めてるんじゃなくて完全にランダムだからできるときにできる、と」
「そうか。シオリは早めにほしいのか?」
「まあ、アデミル様の子供なら可愛いだろうなって」
「……私はもう少しふたりがいいと思うが……」
 言いにくそうに言うアデミル様に私はそうですか?と小首を傾げる。
「じゃあもう少しふたりでいられるように祈っておきますね」
「そうしてくれ」
 アデミル様は苦笑して私の肩を抱いて祈祷室を後にした。



(続く)
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