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しおりを挟む「あぁ、うつ伏せだとお喋りしずらいよね。ちゃんと目を見て話そうか」
ごめんごめん。と少し歩の上から退き、仰向けになるようにした。
ただし未だ押し倒されている状況は変わらず、歩にとってはどの体勢もさして変わりない。ましてや菊池の面を見ながら話し合う事などない。
「…意味が、わかんない…」
さっき恋人論を否定しておいて自分のモノにならないか?とはどういうつもりだ?
青ざめた顔色とまん丸くした瞳は菊池を見つめている。
「君のこと、すっごく気に入っちゃった。ね、田中歩?」
「な、なんで…俺の名前…」
「眠っている間に学生証見せてもらった。かわいい名前だよね」
そして菊池は、誰もが見惚れるであろう
綺麗な微笑みを浮かべたまま残酷に囁く。
「ここで縛られて素っ裸にされて続きするのと、今から俺の家に来るの、どっちがいい?」
「…だ…、誰か・!!…んぐっ、!?」
咄嗟に助けを叫ぼうとする歩の口を押さえつけ、その頬に容赦ない一撃を与える。
「大声あげんなよ、うるせぇ」
αのフェロモンとは相手を欲情させるだけのものではない。時には牽制させる威圧にも使う。
Ωには耐性があるようだが、そこら辺にいるαとは違う"純粋"なαの威圧だ。怯えないはずがない。
「俺、α婚なんてクソみたいな風習で生まれたガキだからさぁΩにも効くでしょ?コレ」
「…・!!…っ、、…」
そんなものより、まさか殴られるとは思っていなかったのだろう。最悪もう一発を食らわせるつもりがその一回で再び大人しくなった。
「せっかく選択肢あげたのに…じゃあ、ここでいいね」
解放されると思っていたなら甘い。
まだまだ足りない。
足りちゃいない…
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