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2章 脇役と不死の王龍
脇役と不死の王龍①
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『精霊を連れたマクミランの魔法使いが山の中枢で暴れています。』
その報告を部下から受けたイーリエは急ぎ現場に駆け付けた、そして
(一体、ここで何が…?)
手入れなどされていない普通の山だった。しかしここの部分だけ木々が薙ぎ倒され、さらに風魔法で吹き飛ばされたのか更地のように開けた場所になっていた。
「イーリエ!!」
「ユリア様!?」
イーリエが驚愕の表情を浮かべる一方で、顔見知りの上位精霊は憤慨していた。
あぁ、なるほど。これは彼女の仕業か。
「イーリエ!微弱でもママの気配を追ってみれば…!どうしてあの砦にゼアロルドがいない!?」
「ユリア様、貴方が憤慨するのは当然です。しかしどうか気持ちを抑えてください。そこの飛竜だけでなく無関係な微精霊達も怖がっています、このままでは危険です」
「…っ、くっ」
どうか、と頭を下げればユリアも逆立つ気を落ち着かせてくれた。
だが怒りは消えない。嘆きも。
「西の砦にいるというのは嘘だったのか!?ママが、どれほどの想いでここまで来たと!」
普段母親と慕うシオウに、人を傷つけちゃダメだと躾けられているユリアだが、誰よりもその人が裏切られたと悲痛の声で叫く。
謝っても許してはもらえないよな――。
シオウは純粋にゼアロルドと会って話がしたかっただけ。そして犯罪者になってしまった以上、最終的にはシュヴァルでもマクミランでもない。どこかの国へユリアを置いて、一人で逃げるつもりだった。
それまでは”オルべリオンへの問いかけ”を使うこともせず、純粋に西の砦にゼアロルドがいると目指した…。
「いいえ。確かに貴方の父上は砦にいました。しかし魔物を討伐するため離れたのです」
「いつ戻るの!」
「……その話をする前に、少々お時間をください」
ユリアの返事も待たず、じっと睨むイーリエの視線の先。
そこにはイーリエに縛り上げられたオズグがいた。
「私はゴルディとゼアロルドのように優しくはない。お前は誰だ?」
今は身動き一つとれないマクミランの魔法使いを見て胸ぐらをつかむ。
”動きが読まれ過ぎていた。”
発端は第二騎士団らを死の森へ送った転移魔法。その準備には膨大な時間を有する。多少のずれ時間ズレがあったにしろ向こうの準備は整い過ぎていた。
そして魔法の発動前に降り注いできた無数、無差別な攻撃魔法。
――――あきらかに防御魔法が苦手なゼアロルド対策だった。
結果、ゼアロルドの剣は数秒遅れた。
(内通者がいる)
それを確証まで至らしめたのは、シオウの加護だ。
刺客が襲ってきたとき騎士達は命までは奪わないよう回復薬を与えていた。
そしてそれを使用したマクミランの魔法使いの一部が―――自分はシュヴァルの人間だと主張し、マクミランに戻らず国境付近の村々に助けを求めてきた。
「シオウ様の加護で作った薬には解呪の効果がありました。彼と旅をしたお前も、とっくに記憶が戻っているんだろ?」
「――ちっ、違う!わたしは、マクミランの人間だっ」
「なるほど。彼らと違い君は幼い頃に連れ去られたのか可哀想に…。ゴルディは、脱獄者に一切攻撃をされなかったと発言した。それをシオウ様も庇ってはいないと」
城、または騎士団の中には内通者。
シオウ様の動きは、奴にとって予想外なものだと考えた。
下手な危険が及ぶよりも、ユリアがいるならば城外の方が安全だとも。
ただしあまり目立った動きはしないよう、警告の為に指名手配をしたというのに……。
今回はシオウ達の目的地が分かってたからこそ、先回り出来た。
「事情は分かった、しかしあまりオズグをイジメ過ぎるな自業自得でも……ママが悲しむ」
「ち、違う、私は……、マクミランの…」
「そうですね。お疲れでしょう、貴方達を砦に案内しなければ」
そのとき
砦の方から、異常を知らせる光弾が一直線に空に上がった。
◇ ◇ ◇
「………はー…こうなるのか」
太陽の光を隠す木々と葉っぱ。
時間感覚を奪うほどの鬱蒼とした森、それも随分と見知った森でシオウは目覚めた。
なにもない。あるのは無駄に育つ樹木と毒草は腐るほどある、死の森。
たぶん睡眠薬で眠らされて、起きたら此処にひとり。
さらに俺は相当長い時間眠らされていたのか、喉が渇いてしょうがない。
でもまだ我慢できる。こうして待っていれば…
(………誰がきてくれるんだよ)
誰も来てくれるものか。
騎士の誰も、ユリアもオズさんもいない。
まさか、ここで餓死するのか?そんなの冗談じゃない!
今ならまだ動ける…。
「オルベリオンに問う」
「俺は死の森に来てしまった。貴方の言った「俺の大切なもの」も分からないまま… 教えてください。これから俺はどこに向かえばいいのかを」
………?
シンっとして返事がない。
あれ?もしかして質問の仕方、間違えた?やっぱり呼び捨ては不味かったのかもしれない。
「失礼しました、オルべリオン様に… ん?」
キラッ、チカッ
シオウの目の前を小さな光が舞うように飛び回るのに気づく。
なんだろ?
不思議なその光を掴もうとすると、光はシオウから少しだけ離れ、そこでくるくると旋回している。
言葉は聞こえないが、”こっちについて来て”と言ってるみたいみたいに
「あ、まって…!」
小さな光の玉に導かれるまま歩く…
それから、どれだけ歩いたのかは分からない
どんな森かは知ってた、分かってたのに――――…
まだ睡眠薬が残っているのか、めちゃくちゃ気分が悪い…吐きそう…
「うっ、…うぇっ…っ」
「――、―――」
――りんっと鈴の音のように綺麗な音。
いつか城の中で聞いた音だった。
君が微精霊って呼ばれる存在なのかな?
ほんと、ごめん…、俺が緊張してるせいだ。
この先に何があるのか分からなくて、不安で不安で足に力が入らない。
「ご、ごめんな、君だって頑張ってくれてるのに、ちょっと…だいぶ、気持ちが悪くて…」
―――――― リンッ
一際やさしく聞こえた、涼やかな音。
瞬間、すーっと胃の中を渦巻いていた不快感が消えていくのを感じた。
「もしかして、……君が治してくれたの?」
「――――」
「ありがとう、優しい子だね、助かった」
「――――、――――」
「……っうん。先を急がなきゃ」
なにがあるのかは分からない、それでも立ち止まるわけにはいかない。
―― 今できるのは前に進む事だけだ。
そして再び歩いて、歩いて――――――――――
「あれって……まさか、お墓?」
思わず目を疑った。
そこにポツンとあったのは何度見ても日本風の、それもやたら真新しくみえる綺麗な墓だ。
さらにその墓を囲むように愛らしく美しい花々が芽吹いている。
「誰がこんなところに…、っ!?」
漢字だ。
彫られた名前と、その文字を見間違えるはずがない…
その時、聞いたことのない生き物の甲高い咆哮が轟いた。
その報告を部下から受けたイーリエは急ぎ現場に駆け付けた、そして
(一体、ここで何が…?)
手入れなどされていない普通の山だった。しかしここの部分だけ木々が薙ぎ倒され、さらに風魔法で吹き飛ばされたのか更地のように開けた場所になっていた。
「イーリエ!!」
「ユリア様!?」
イーリエが驚愕の表情を浮かべる一方で、顔見知りの上位精霊は憤慨していた。
あぁ、なるほど。これは彼女の仕業か。
「イーリエ!微弱でもママの気配を追ってみれば…!どうしてあの砦にゼアロルドがいない!?」
「ユリア様、貴方が憤慨するのは当然です。しかしどうか気持ちを抑えてください。そこの飛竜だけでなく無関係な微精霊達も怖がっています、このままでは危険です」
「…っ、くっ」
どうか、と頭を下げればユリアも逆立つ気を落ち着かせてくれた。
だが怒りは消えない。嘆きも。
「西の砦にいるというのは嘘だったのか!?ママが、どれほどの想いでここまで来たと!」
普段母親と慕うシオウに、人を傷つけちゃダメだと躾けられているユリアだが、誰よりもその人が裏切られたと悲痛の声で叫く。
謝っても許してはもらえないよな――。
シオウは純粋にゼアロルドと会って話がしたかっただけ。そして犯罪者になってしまった以上、最終的にはシュヴァルでもマクミランでもない。どこかの国へユリアを置いて、一人で逃げるつもりだった。
それまでは”オルべリオンへの問いかけ”を使うこともせず、純粋に西の砦にゼアロルドがいると目指した…。
「いいえ。確かに貴方の父上は砦にいました。しかし魔物を討伐するため離れたのです」
「いつ戻るの!」
「……その話をする前に、少々お時間をください」
ユリアの返事も待たず、じっと睨むイーリエの視線の先。
そこにはイーリエに縛り上げられたオズグがいた。
「私はゴルディとゼアロルドのように優しくはない。お前は誰だ?」
今は身動き一つとれないマクミランの魔法使いを見て胸ぐらをつかむ。
”動きが読まれ過ぎていた。”
発端は第二騎士団らを死の森へ送った転移魔法。その準備には膨大な時間を有する。多少のずれ時間ズレがあったにしろ向こうの準備は整い過ぎていた。
そして魔法の発動前に降り注いできた無数、無差別な攻撃魔法。
――――あきらかに防御魔法が苦手なゼアロルド対策だった。
結果、ゼアロルドの剣は数秒遅れた。
(内通者がいる)
それを確証まで至らしめたのは、シオウの加護だ。
刺客が襲ってきたとき騎士達は命までは奪わないよう回復薬を与えていた。
そしてそれを使用したマクミランの魔法使いの一部が―――自分はシュヴァルの人間だと主張し、マクミランに戻らず国境付近の村々に助けを求めてきた。
「シオウ様の加護で作った薬には解呪の効果がありました。彼と旅をしたお前も、とっくに記憶が戻っているんだろ?」
「――ちっ、違う!わたしは、マクミランの人間だっ」
「なるほど。彼らと違い君は幼い頃に連れ去られたのか可哀想に…。ゴルディは、脱獄者に一切攻撃をされなかったと発言した。それをシオウ様も庇ってはいないと」
城、または騎士団の中には内通者。
シオウ様の動きは、奴にとって予想外なものだと考えた。
下手な危険が及ぶよりも、ユリアがいるならば城外の方が安全だとも。
ただしあまり目立った動きはしないよう、警告の為に指名手配をしたというのに……。
今回はシオウ達の目的地が分かってたからこそ、先回り出来た。
「事情は分かった、しかしあまりオズグをイジメ過ぎるな自業自得でも……ママが悲しむ」
「ち、違う、私は……、マクミランの…」
「そうですね。お疲れでしょう、貴方達を砦に案内しなければ」
そのとき
砦の方から、異常を知らせる光弾が一直線に空に上がった。
◇ ◇ ◇
「………はー…こうなるのか」
太陽の光を隠す木々と葉っぱ。
時間感覚を奪うほどの鬱蒼とした森、それも随分と見知った森でシオウは目覚めた。
なにもない。あるのは無駄に育つ樹木と毒草は腐るほどある、死の森。
たぶん睡眠薬で眠らされて、起きたら此処にひとり。
さらに俺は相当長い時間眠らされていたのか、喉が渇いてしょうがない。
でもまだ我慢できる。こうして待っていれば…
(………誰がきてくれるんだよ)
誰も来てくれるものか。
騎士の誰も、ユリアもオズさんもいない。
まさか、ここで餓死するのか?そんなの冗談じゃない!
今ならまだ動ける…。
「オルベリオンに問う」
「俺は死の森に来てしまった。貴方の言った「俺の大切なもの」も分からないまま… 教えてください。これから俺はどこに向かえばいいのかを」
………?
シンっとして返事がない。
あれ?もしかして質問の仕方、間違えた?やっぱり呼び捨ては不味かったのかもしれない。
「失礼しました、オルべリオン様に… ん?」
キラッ、チカッ
シオウの目の前を小さな光が舞うように飛び回るのに気づく。
なんだろ?
不思議なその光を掴もうとすると、光はシオウから少しだけ離れ、そこでくるくると旋回している。
言葉は聞こえないが、”こっちについて来て”と言ってるみたいみたいに
「あ、まって…!」
小さな光の玉に導かれるまま歩く…
それから、どれだけ歩いたのかは分からない
どんな森かは知ってた、分かってたのに――――…
まだ睡眠薬が残っているのか、めちゃくちゃ気分が悪い…吐きそう…
「うっ、…うぇっ…っ」
「――、―――」
――りんっと鈴の音のように綺麗な音。
いつか城の中で聞いた音だった。
君が微精霊って呼ばれる存在なのかな?
ほんと、ごめん…、俺が緊張してるせいだ。
この先に何があるのか分からなくて、不安で不安で足に力が入らない。
「ご、ごめんな、君だって頑張ってくれてるのに、ちょっと…だいぶ、気持ちが悪くて…」
―――――― リンッ
一際やさしく聞こえた、涼やかな音。
瞬間、すーっと胃の中を渦巻いていた不快感が消えていくのを感じた。
「もしかして、……君が治してくれたの?」
「――――」
「ありがとう、優しい子だね、助かった」
「――――、――――」
「……っうん。先を急がなきゃ」
なにがあるのかは分からない、それでも立ち止まるわけにはいかない。
―― 今できるのは前に進む事だけだ。
そして再び歩いて、歩いて――――――――――
「あれって……まさか、お墓?」
思わず目を疑った。
そこにポツンとあったのは何度見ても日本風の、それもやたら真新しくみえる綺麗な墓だ。
さらにその墓を囲むように愛らしく美しい花々が芽吹いている。
「誰がこんなところに…、っ!?」
漢字だ。
彫られた名前と、その文字を見間違えるはずがない…
その時、聞いたことのない生き物の甲高い咆哮が轟いた。
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