幸せにするので俺の○○になってください！

一章:性奴隷になりませんか？

新たな生活（レオルオ目線）

(アイツがいないと平和だなぁ)

バンリは外に用事がある。と俺を小屋に残して数日アジトから離れることが度々ある。
どうせ外で悪さでもしてるんだろ。


バンリのいない小屋でレオルオは一人布団に寝そべっていた。

最初の頃は見張り役をつけられていたけど俺に逃亡の意思がないと分かったのか今じゃ自由にしてろ。だそうだ…
バンリがいなくてもレオルオのためだけに食事はきっちり三食運ばれてくるし、小屋の中にシャワールームがあるおかげでレオルオの体はいつも清潔だった。


（すぐ飽きられるって思ってたのに…）

自分の体を見ると昨夜つけられたキスマークや噛み跡が目に付く。

『噛むな、傷になるだろ』

――――傲慢だ。
漏れる声を殺そうとレオルオが手や唇を噛む行為をバンリは酷く嫌う。所有物が勝手に傷がつくのが許せないのか、とことん傲慢な男だと思う。

それでも妹のためだと励まして過ごすうちに、花の季節から火の季節へ移りかわろうとしていた。


今頃は荒神の機嫌が悪くなるから猛雨や雷よる被害が出やすいというのにどこにいても雨音の気配すら感じられない。
よほど上等な輝石を使っているのか、それとも魔道具の使い方を心得ている技術士がいるに違いない。いつも小屋と洞窟の中はサラッとした環境だ。




「レオルオくん。今日は昨日の続き、エルシア文字をやろうね」

綺麗な白い両翼をもつ、珍しい鳥の獣人がレオルオに笑いかける。

「うん、宜しく」
「えへへ。レオルオくんは覚えが早いから教えがいがあるよ」

ある日、『暇なら勉強するといい』とバンリから手渡されたのは親が幼い子にする寝物語の絵本だった。それを見たレオルオは文字を読めないことを馬鹿にされたのだと強く憤慨した。
それから手をつけることなく床に放置していた絵本を拾ったのが、この美しい獣人であり、彼は拗ねるレオルオに対し穏やかに語りかけた。


『はじめまして。レオルオ君。
今日から君に文字を教えることになりました。僕のことは親しみを込めて"ママ"って呼んでね』


理解できなかった。
いままで読み書きができないことを笑われたことはあっても、好き好んで教えようとしてくれた人間や獣人らは誰もいなかった。



(たの、しい…？)

そう。困ったことに楽しいのだ、新しい知恵を得ることが
先生であるママが不在でも読める文字が増えれば勉強に没頭できる、バンリだって意外なことに聞けば複雑な文字の読み方を教えてくれた。

狂った日常であるはずにもかかわらず、狂うこともなくレオルオはレオルオであることを許されていた。


バンリの策略かもしれないが、そうした中で起こる心境の変化に激しく戸惑っていた。