849 / 872
839. 城内侵入7
しおりを挟む
「多分、最初にディプレが入室したことを
把握しているし、彼が何かを壊したと判断して、
2人ほどで兵士が確認に来るだろうね。
それより逃亡を図ったディプレを捕獲しよう」
ディプレを直ぐに追ったサリナの方へ
誠一たちは動き始めた。
直ぐに追いついた誠一たちにディプレと
サリナの声が聞えてきた。
「ちょっとあんた、人を捨てる気。
やめときなよ、後悔するよ」
「貴様ら世間の底辺、ならず者の
冒険者どもが俺を語るな」
ディプレの左手には禍々しい装丁とオーラを
放っている本が握られていた。
「お前らここで終いだ。
後方はジェミロ様の警備隊が塞ぎ、
目の前では俺様が貴様らを弄り殺す。
儂の王国を潰した罪をここで清算してもらう。
皆殺しだ」
右手でディプレは、大量の魔石を握った。
魔石は輝きを失いその辺に転がっている石の様になった。
「ふしゅうう、はあはあ、うぼろろろおぅ」
ディプレの上半身から深い紫の触手が
無数に這い出てきた。
頭部がまっぷつに割れ首が伸び、
互いに別々の意思を持つように揺ら揺らと宙を蠢いた。
両脚は膨張し、アミラの胴回りほどの太さとなった。
装備していた鉄の鎧はばらばらに砕けて、
床に転がった。ディプレは真っ裸になった。
もはや人が理解できる声はディプレから
聞こえることはなかった。
誠一が一歩前に踏み出した。
ディプレはびくりとして一歩退いた。
誠一がまた一歩前に踏み出した。
ディプレは同様にびくりとして一歩退いた。
同様の事が何度も続くと、ディプレは壁際に
追い詰められた。
宙を漂うディプレの両顔には汗が滴っていた。
触手はぶるぶると震えていた。
「ふん、面白くない。
姿形が変わろうとも魂の根源に刻まれた恐怖が
消えることはなかったか。
おい、アルフレート。
さっさとそんな小物、倒してしまえ」
マリアンヌはディプレには興味無さそうであった。
代わりに禁書庫の書物へ視線が向かっていた。
「それもそうですな。
これはアルフレート様が後始末すべきでしょうな」
既に剣豪は需要があり高値で売れそうな本を
漁り始めていた。剣豪の手は、刀すら握っていなかった。
「はああっ、まあ、あの二人はまったく。
仕方ないけど、アル、私たちでやるしかないわね。
サリナ、悪いけど後方に敵が来たら、時間稼ぎよろしく。
私も援護するから」
キャロリーヌが2人へ聞こえよがしに言うと、弓を番えた。
「アル、あのまったりとしている二人は
気にせずにディプレに集中しましょう。
水牢郭」
ディプレは水の牢に囚われた。
すると誠一の両脇からヴェルとアミラが突出した。
「よくやったシエンナ!
タイミングを合わせて、牢を解除しろよ」
「行きます!ヴェルに合わせるです」
ぴっきぴきぴき、水で形成された牢にひびが入った。
そして、ガラス細工のように砕け散った。
ヴェルとアミラはディプレの触手に弾き飛ばされた。
把握しているし、彼が何かを壊したと判断して、
2人ほどで兵士が確認に来るだろうね。
それより逃亡を図ったディプレを捕獲しよう」
ディプレを直ぐに追ったサリナの方へ
誠一たちは動き始めた。
直ぐに追いついた誠一たちにディプレと
サリナの声が聞えてきた。
「ちょっとあんた、人を捨てる気。
やめときなよ、後悔するよ」
「貴様ら世間の底辺、ならず者の
冒険者どもが俺を語るな」
ディプレの左手には禍々しい装丁とオーラを
放っている本が握られていた。
「お前らここで終いだ。
後方はジェミロ様の警備隊が塞ぎ、
目の前では俺様が貴様らを弄り殺す。
儂の王国を潰した罪をここで清算してもらう。
皆殺しだ」
右手でディプレは、大量の魔石を握った。
魔石は輝きを失いその辺に転がっている石の様になった。
「ふしゅうう、はあはあ、うぼろろろおぅ」
ディプレの上半身から深い紫の触手が
無数に這い出てきた。
頭部がまっぷつに割れ首が伸び、
互いに別々の意思を持つように揺ら揺らと宙を蠢いた。
両脚は膨張し、アミラの胴回りほどの太さとなった。
装備していた鉄の鎧はばらばらに砕けて、
床に転がった。ディプレは真っ裸になった。
もはや人が理解できる声はディプレから
聞こえることはなかった。
誠一が一歩前に踏み出した。
ディプレはびくりとして一歩退いた。
誠一がまた一歩前に踏み出した。
ディプレは同様にびくりとして一歩退いた。
同様の事が何度も続くと、ディプレは壁際に
追い詰められた。
宙を漂うディプレの両顔には汗が滴っていた。
触手はぶるぶると震えていた。
「ふん、面白くない。
姿形が変わろうとも魂の根源に刻まれた恐怖が
消えることはなかったか。
おい、アルフレート。
さっさとそんな小物、倒してしまえ」
マリアンヌはディプレには興味無さそうであった。
代わりに禁書庫の書物へ視線が向かっていた。
「それもそうですな。
これはアルフレート様が後始末すべきでしょうな」
既に剣豪は需要があり高値で売れそうな本を
漁り始めていた。剣豪の手は、刀すら握っていなかった。
「はああっ、まあ、あの二人はまったく。
仕方ないけど、アル、私たちでやるしかないわね。
サリナ、悪いけど後方に敵が来たら、時間稼ぎよろしく。
私も援護するから」
キャロリーヌが2人へ聞こえよがしに言うと、弓を番えた。
「アル、あのまったりとしている二人は
気にせずにディプレに集中しましょう。
水牢郭」
ディプレは水の牢に囚われた。
すると誠一の両脇からヴェルとアミラが突出した。
「よくやったシエンナ!
タイミングを合わせて、牢を解除しろよ」
「行きます!ヴェルに合わせるです」
ぴっきぴきぴき、水で形成された牢にひびが入った。
そして、ガラス細工のように砕け散った。
ヴェルとアミラはディプレの触手に弾き飛ばされた。
0
お気に入りに追加
127
あなたにおすすめの小説
異世界は流されるままに
椎井瑛弥
ファンタジー
貴族の三男として生まれたレイは、成人を迎えた当日に意識を失い、目が覚めてみると剣と魔法のファンタジーの世界に生まれ変わっていたことに気づきます。ベタです。
日本で堅実な人生を送っていた彼は、無理をせずに一歩ずつ着実に歩みを進むつもりでしたが、なぜか思ってもみなかった方向に進むことばかり。ベタです。
しっかりと自分を持っているにも関わらず、なぜか思うようにならないレイの冒険譚、ここに開幕。
これを書いている人は縦書き派ですので、縦書きで読むことを推奨します。
義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。
克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位
11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位
11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位
11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位
お前じゃないと、追い出されたが最強に成りました。ざまぁ~見ろ(笑)
いくみ
ファンタジー
お前じゃないと、追い出されたので楽しく復讐させて貰いますね。実は転生者で今世紀では貴族出身、前世の記憶が在る、今まで能力を隠して居たがもう我慢しなくて良いな、開き直った男が楽しくパーティーメンバーに復讐していく物語。
---------
掲載は不定期になります。
追記
「ざまぁ」までがかなり時間が掛かります。
お知らせ
カクヨム様でも掲載中です。
野草から始まる異世界スローライフ
深月カナメ
ファンタジー
花、植物に癒されたキャンプ場からの帰り、事故にあい異世界に転生。気付けば子供の姿で、名前はエルバという。
私ーーエルバはスクスク育ち。
ある日、ふれた薬草の名前、効能が頭の中に聞こえた。
(このスキル使える)
エルバはみたこともない植物をもとめ、魔法のある世界で優しい両親も恵まれ、私の第二の人生はいま異世界ではじまった。
エブリスタ様にて掲載中です。
表紙は表紙メーカー様をお借りいたしました。
プロローグ〜78話までを第一章として、誤字脱字を直したものに変えました。
物語は変わっておりません。
一応、誤字脱字、文章などを直したはずですが、まだまだあると思います。見直しながら第二章を進めたいと思っております。
よろしくお願いします。
リケジョの知識で異世界を楽しく暮らしたい
とも
ファンタジー
私、遠藤杏奈 20歳。
某私立大学 理工学部の3年生。
そんなリケジョの卵だったんだけど、バイトに行く途中、交通事故に巻き込まれて…
…あれ、天国で目が覚めたと思ったのに、違うってどういうこと?
異世界転生?なにそれ?美味しいの?
元の世界には戻れないっていうし、どうやら転生者の先輩もいるそうだから、仕方がないので開き直って楽しく生きる方法を考えよう。
そんな杏奈がのんびりまったり、異世界ライフを楽しむお話。
女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。
もる
ファンタジー
目覚めるとそこは地球とは違う世界だった。
怒る女神にブサイク認定され地上に落とされる俺はこの先生きのこることができるのか?
初投稿でのんびり書きます。
※23年6月20日追記
本作品、及び当作者の作品の名称(モンスター及び生き物名、都市名、異世界人名など作者が作った名称)を盗用したり真似たりするのはやめてください。
貴方の隣で私は異世界を謳歌する
紅子
ファンタジー
あれ?わたし、こんなに小さかった?ここどこ?わたしは誰?
あああああ、どうやらわたしはトラックに跳ねられて異世界に来てしまったみたい。なんて、テンプレ。なんで森の中なのよ。せめて、街の近くに送ってよ!こんな幼女じゃ、すぐ死んじゃうよ。言わんこっちゃない。
わたし、どうなるの?
不定期更新 00:00に更新します。
R15は、念のため。
自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる