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838. 城内侵入6
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「ほうほう、そうか。
ジェミロ様へ紹介したいのは、後方の者たちだな。
はははっ、まあそれにしても後を絶たぬものよ。
勝ち戦に乗じて、ジェミロ様にお目通りを願う者がな。
ふーむ、むむっ中々、いいお女を連れているな。
おい、ディプレ、1人よこせ。
ジェミロ様に優先的にお目通りさせてやろう」
値踏みするようにキャロリーヌ、シエンナ、
サリナ、マリアンヌ、そしてアミラを眺めた。
「ふん、年増は先が短いな。
俺好みに染めるのも悪くない。
そこの小娘を置いておけ」
アミラを上から下まで舐める様に眺める男だった。
ヴェルの顔が今まで見たことがない程、
険しくなっていた。
ヴェルの殺気をひりつくほどに感じた誠一は慌てて、
サルファの前に出て話始めた。
「サルファ様、ご冗談を。
これらの女は、この者からジェミロ様への貢物です」
サルファは誠一を眺めた。
その眼は女を見る以上に凝視していた。
サルファは少し興奮しているようであった。
「おい、名を名乗れ」
「マシュー・マサイアス・ヴァーグメンデル・
フォン・ビレッドスと言います。
以後、お見知りおきください」
誠一は気味の悪い視線を感じながらも如才なく話した。
「マ、マ、ビズレイ。
そっそうか、そうかよろしく頼む」
サルファは、名前を覚えられなかったばつの悪さを
隠すために適当に挨拶を交わして、
さっさとその場から去っていた。
「ディプレ、何をぼーっとしている。
さっさと案内しろ」
誠一はディプレに急ぐように促した。
「はひぃ」
ディプレは慌てて、地下室に通じる暗がりの
支配する階段を降り始めた。
先程の喧噪が嘘の様に静かであった。
聞こえるのは自分たちの足音と剣豪の愚痴だけだった。
ディプレはかなりの速度で階段を降っていた。
先頭のサリナとディプレとの間には
10段ほど差が開いていた。
ディプレの動きを注視しながら、盗賊避けの罠を
避けつつサリナは仲間を先導した。
地下2階に到達するとディプレが突然、振り返った。
その顔にはディプレの勝ち誇った表情が浮かんでいた。
そして、走り出した。禁書庫の扉を開けると、
素早くディプレは扉の内側の取っ手を叩き壊して、
そのまま奥へ走り去った。
「まじかよ、鍵すら取り付けてないのかよ」
ヴェルは呆れていた。
「そんな杜撰な事を流石にする訳ないでしょ。
多分、選ばれた人間だけに反応して、
解錠できる魔術が施されてたのよ」
シエンナが嘆息した。
「じゃあ何で取っ手を壊したんだよ」
「あーそれね。
書庫の何かかが壊れれば、何かしらの警告が
発報される仕組みになっているんでしょ」
食って掛かるヴェルに飄々として答えるシエンナだった。
「おいおい、何、落ち着いてんだよ!
敵に囲まれるだろ。階段は一つだけだぞ」
喚くヴェルを無視して、シエンナは
誠一の方へ顔を向けた。
どうやら説明するのがめんどくさくなっている様だった。
ジェミロ様へ紹介したいのは、後方の者たちだな。
はははっ、まあそれにしても後を絶たぬものよ。
勝ち戦に乗じて、ジェミロ様にお目通りを願う者がな。
ふーむ、むむっ中々、いいお女を連れているな。
おい、ディプレ、1人よこせ。
ジェミロ様に優先的にお目通りさせてやろう」
値踏みするようにキャロリーヌ、シエンナ、
サリナ、マリアンヌ、そしてアミラを眺めた。
「ふん、年増は先が短いな。
俺好みに染めるのも悪くない。
そこの小娘を置いておけ」
アミラを上から下まで舐める様に眺める男だった。
ヴェルの顔が今まで見たことがない程、
険しくなっていた。
ヴェルの殺気をひりつくほどに感じた誠一は慌てて、
サルファの前に出て話始めた。
「サルファ様、ご冗談を。
これらの女は、この者からジェミロ様への貢物です」
サルファは誠一を眺めた。
その眼は女を見る以上に凝視していた。
サルファは少し興奮しているようであった。
「おい、名を名乗れ」
「マシュー・マサイアス・ヴァーグメンデル・
フォン・ビレッドスと言います。
以後、お見知りおきください」
誠一は気味の悪い視線を感じながらも如才なく話した。
「マ、マ、ビズレイ。
そっそうか、そうかよろしく頼む」
サルファは、名前を覚えられなかったばつの悪さを
隠すために適当に挨拶を交わして、
さっさとその場から去っていた。
「ディプレ、何をぼーっとしている。
さっさと案内しろ」
誠一はディプレに急ぐように促した。
「はひぃ」
ディプレは慌てて、地下室に通じる暗がりの
支配する階段を降り始めた。
先程の喧噪が嘘の様に静かであった。
聞こえるのは自分たちの足音と剣豪の愚痴だけだった。
ディプレはかなりの速度で階段を降っていた。
先頭のサリナとディプレとの間には
10段ほど差が開いていた。
ディプレの動きを注視しながら、盗賊避けの罠を
避けつつサリナは仲間を先導した。
地下2階に到達するとディプレが突然、振り返った。
その顔にはディプレの勝ち誇った表情が浮かんでいた。
そして、走り出した。禁書庫の扉を開けると、
素早くディプレは扉の内側の取っ手を叩き壊して、
そのまま奥へ走り去った。
「まじかよ、鍵すら取り付けてないのかよ」
ヴェルは呆れていた。
「そんな杜撰な事を流石にする訳ないでしょ。
多分、選ばれた人間だけに反応して、
解錠できる魔術が施されてたのよ」
シエンナが嘆息した。
「じゃあ何で取っ手を壊したんだよ」
「あーそれね。
書庫の何かかが壊れれば、何かしらの警告が
発報される仕組みになっているんでしょ」
食って掛かるヴェルに飄々として答えるシエンナだった。
「おいおい、何、落ち着いてんだよ!
敵に囲まれるだろ。階段は一つだけだぞ」
喚くヴェルを無視して、シエンナは
誠一の方へ顔を向けた。
どうやら説明するのがめんどくさくなっている様だった。
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