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794.束の間の平穏1
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誠一は城で執務室に籠り、慣れない書類と資料に
目を通して、決裁していた。
戦がなければ、暇という訳でなく、
全員がそれなりに忙しい時間を過ごしていた。
剣豪やファブリッツィオが戻るまでは出征を控え、
領有した土地の統治に多くの時間を割いた。
それも本国から代官が派遣されるまでだと
割り切って、対応していた。
誠一は背筋を伸ばして、大きな欠伸をした。
コンピュータもパッドもない世界では全て手書き、
時間もかかる上に書類に書き込むために
動かし続ける右手も相当、怠くなっていた。
「アル、少し休みましょう」
キャロリーヌに促されて、誠一は頷いた。
外は快晴で開けられている木戸から陽光が差し込み、
涼しい風が舞い込んでいた。
キャロリーヌは布の薄いブラウスを着ていた。
肌着が見えそうで見えないそんな状況に誠一は興奮をしてしまった。
キャロリーヌの淡い色気に誠一はチラリズムの性的嗜を
覚えてしまいそうであった。
否、元の世界では恋人もおらず、そもそも親しい女性もおらず、
電車、講義で誠一は偶発的に目に入る女性の下着や素肌を
脳裏に焼き付けて興奮していた。
淡い色気を醸し出すキャロリーヌを寝室で抱ける。
昼夜問わず、今の誠一は自分の性的興奮を満足させていた。
「キャロ、お願いだから、
その服装で皆の前に出るのは止めてね」
誠一は独占欲剝き出しの気持ちを知られたくなく、
努めて冷静にキャロリーヌへ語りかけた。
キャロリーヌはくすりと笑った。
そして、右手で射しこむ陽を遮った。
彼女の黄金の髪を風が舞い上げ、
陽の光が黄金の髪を輝かせた。
それは一枚の絵画のようであり、
誠一はそれを映像に残せないことを残念に思った。
「せめて、画像で今の絵を残せればなぁ」
誠一は自分に絵心がないことをボヤいた。
先ほどまでキャロリーヌに感じていた性的欲求と
興奮が今の画ですっかりと収まってしまった。
「ぷっ、アル!何を言っているのよ。
いつでも私の顔なんて見れるでしょう」
誠一はいまいち今の感動がキャロリーヌへ
伝わってないことを残念に思った。
「それよりアル、
『ジェイロブ・ジェルミラの冒険譚、外典』だっけ。
入手する算段はあるの?
それにフォーニエ・モレロンの行方も探さないと」
それらの件について、誠一に良い当てはなかった。
「まあ諦める訳にはいかないからね。
ジェイコブの主城を落として探すしかないかな。
フォーニエは、うんまあ、ロジェさんに
まずは行方を探って貰っているから、まあ何とか」
誠一とキャロリーヌが束の間の休みを取っている時、
突然、部屋のドアが派手に開いた。
2人は全く驚きもせずに開けた主に話し掛けた。
目を通して、決裁していた。
戦がなければ、暇という訳でなく、
全員がそれなりに忙しい時間を過ごしていた。
剣豪やファブリッツィオが戻るまでは出征を控え、
領有した土地の統治に多くの時間を割いた。
それも本国から代官が派遣されるまでだと
割り切って、対応していた。
誠一は背筋を伸ばして、大きな欠伸をした。
コンピュータもパッドもない世界では全て手書き、
時間もかかる上に書類に書き込むために
動かし続ける右手も相当、怠くなっていた。
「アル、少し休みましょう」
キャロリーヌに促されて、誠一は頷いた。
外は快晴で開けられている木戸から陽光が差し込み、
涼しい風が舞い込んでいた。
キャロリーヌは布の薄いブラウスを着ていた。
肌着が見えそうで見えないそんな状況に誠一は興奮をしてしまった。
キャロリーヌの淡い色気に誠一はチラリズムの性的嗜を
覚えてしまいそうであった。
否、元の世界では恋人もおらず、そもそも親しい女性もおらず、
電車、講義で誠一は偶発的に目に入る女性の下着や素肌を
脳裏に焼き付けて興奮していた。
淡い色気を醸し出すキャロリーヌを寝室で抱ける。
昼夜問わず、今の誠一は自分の性的興奮を満足させていた。
「キャロ、お願いだから、
その服装で皆の前に出るのは止めてね」
誠一は独占欲剝き出しの気持ちを知られたくなく、
努めて冷静にキャロリーヌへ語りかけた。
キャロリーヌはくすりと笑った。
そして、右手で射しこむ陽を遮った。
彼女の黄金の髪を風が舞い上げ、
陽の光が黄金の髪を輝かせた。
それは一枚の絵画のようであり、
誠一はそれを映像に残せないことを残念に思った。
「せめて、画像で今の絵を残せればなぁ」
誠一は自分に絵心がないことをボヤいた。
先ほどまでキャロリーヌに感じていた性的欲求と
興奮が今の画ですっかりと収まってしまった。
「ぷっ、アル!何を言っているのよ。
いつでも私の顔なんて見れるでしょう」
誠一はいまいち今の感動がキャロリーヌへ
伝わってないことを残念に思った。
「それよりアル、
『ジェイロブ・ジェルミラの冒険譚、外典』だっけ。
入手する算段はあるの?
それにフォーニエ・モレロンの行方も探さないと」
それらの件について、誠一に良い当てはなかった。
「まあ諦める訳にはいかないからね。
ジェイコブの主城を落として探すしかないかな。
フォーニエは、うんまあ、ロジェさんに
まずは行方を探って貰っているから、まあ何とか」
誠一とキャロリーヌが束の間の休みを取っている時、
突然、部屋のドアが派手に開いた。
2人は全く驚きもせずに開けた主に話し掛けた。
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