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792. 閑話 とある掲示板の情景1
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千晴はすることもなく、何となく『ヴェルトール王国戦記』で
誠一をモニターしていた。
どうやら誠一は、南方のジェイコブ・ジェルミラ領に
向けて出発していた。
誠一のログを確認すると、たまに千晴様どうこという会話が
シエンナを始めとした仲間たちとあった。
妙に気になったが、どうも戦が始まっており、
尋ねにくい状況であった。
そのうち見るに堪えない屋敷内での惨劇の場を
目の当たりして、千晴は『ヴェルトゥール王国戦記』から
ログアウトした。
「さて、誠一さんにエリクサーをいつ渡そうかな」
千晴は思案した。さっさと渡すのも一つの手だったが、
恩に着せて渡すのもありかなと打算が働き始めていた。
一万円の元を取りたいという欲が千晴の心に
浮かび上がっていた。
そもそも思い返してみると、本当に誠一に
助けられたのか疑問であった。
たまたま、『ヴェルトール王国戦記』が
起動していたために早合点してしまった気がした。
一ゲームキャラクターに島崎の存在を
消失させるような力があるのだろうか。
ガチャなどというくだらないことに
1万円を投資してしまったことを千晴は
後悔しだしていた。
千晴は『異世界人の誘い』の称号についても
思い返していた。
当夜のことを思い出すだけでも不快極まりなく、
自然と身体が震えた。あの時、確かにゲームが起動していた。
そして、ログには『神堕ちの儀』なる儀式が誠一たちによって
行われていた。千晴には何のことか全く分からなかった。
一先ず『異世界人の誘い』の称号について、
ネットで検索をかけるが、ヒットするのは
千晴の知りたい内容とは全く別の事ばかりであった。
千晴は『ヴェルトール王国戦記』の掲示板を覗いた。
そこで『異世界人の誘い』の話題があるか検索を
かけたがここでもヒットすることはなかった。
そんなことをしていると、ふと千晴の目に
最新の掲示板の話題が眼に入った。
Title:千晴教なるものを流行らせようとしている
キチガイプレーヤーに関して情報求む
はああああっ?何これ千晴ってまさか私のこと。
いや違うに決まっている。同名の誰かのはず。
そもそも千晴教って一体、何のことだろう。
千晴は掲示板を下へスクロールして、書き込みを読み続けた。
その大半は、千晴なる人物への誹謗中傷が主であった。
どうやら千晴教なるものは南方地域に
遠征しているアルフレート・フォン・エスターライヒの軍にて
信奉されているらしいことが分かった。
千晴教なるものが佐藤千晴本人を示していることが、
そのことではっきりとした。
千晴は激発した。そして、心に誓った。
余程の事がなければ、エリクサーを誠一に渡すことはしないと。
掲示板ではどうやら千晴というプレーヤーが
ゲームキャラクター(アルフレート・フォン・エスターライヒ)を
通じて、布教させていると誤認して、盛り上がっていた。
千晴は恥ずかしさの余り口をパクパクとさせ、
泡を噴きそうになった。鈴木誠一、どうしてくれよう。
千晴は呪詛を誠一に向かって絶え間なく唱えていた。
途中で読むのを止めると、千晴は狭い部屋をうろうろとし始めた。
住所から本名まで特定されてしまえば、
目も当てられない事態に発展しそうであった。
しかし、千晴にできることは誠一に言って
止めさせる程度のことしかなかった。
イライラが募り、千晴は冷蔵庫をよりビールを
取り出すとぐびぐびと一気に飲み干した。
誠一をモニターしていた。
どうやら誠一は、南方のジェイコブ・ジェルミラ領に
向けて出発していた。
誠一のログを確認すると、たまに千晴様どうこという会話が
シエンナを始めとした仲間たちとあった。
妙に気になったが、どうも戦が始まっており、
尋ねにくい状況であった。
そのうち見るに堪えない屋敷内での惨劇の場を
目の当たりして、千晴は『ヴェルトゥール王国戦記』から
ログアウトした。
「さて、誠一さんにエリクサーをいつ渡そうかな」
千晴は思案した。さっさと渡すのも一つの手だったが、
恩に着せて渡すのもありかなと打算が働き始めていた。
一万円の元を取りたいという欲が千晴の心に
浮かび上がっていた。
そもそも思い返してみると、本当に誠一に
助けられたのか疑問であった。
たまたま、『ヴェルトール王国戦記』が
起動していたために早合点してしまった気がした。
一ゲームキャラクターに島崎の存在を
消失させるような力があるのだろうか。
ガチャなどというくだらないことに
1万円を投資してしまったことを千晴は
後悔しだしていた。
千晴は『異世界人の誘い』の称号についても
思い返していた。
当夜のことを思い出すだけでも不快極まりなく、
自然と身体が震えた。あの時、確かにゲームが起動していた。
そして、ログには『神堕ちの儀』なる儀式が誠一たちによって
行われていた。千晴には何のことか全く分からなかった。
一先ず『異世界人の誘い』の称号について、
ネットで検索をかけるが、ヒットするのは
千晴の知りたい内容とは全く別の事ばかりであった。
千晴は『ヴェルトール王国戦記』の掲示板を覗いた。
そこで『異世界人の誘い』の話題があるか検索を
かけたがここでもヒットすることはなかった。
そんなことをしていると、ふと千晴の目に
最新の掲示板の話題が眼に入った。
Title:千晴教なるものを流行らせようとしている
キチガイプレーヤーに関して情報求む
はああああっ?何これ千晴ってまさか私のこと。
いや違うに決まっている。同名の誰かのはず。
そもそも千晴教って一体、何のことだろう。
千晴は掲示板を下へスクロールして、書き込みを読み続けた。
その大半は、千晴なる人物への誹謗中傷が主であった。
どうやら千晴教なるものは南方地域に
遠征しているアルフレート・フォン・エスターライヒの軍にて
信奉されているらしいことが分かった。
千晴教なるものが佐藤千晴本人を示していることが、
そのことではっきりとした。
千晴は激発した。そして、心に誓った。
余程の事がなければ、エリクサーを誠一に渡すことはしないと。
掲示板ではどうやら千晴というプレーヤーが
ゲームキャラクター(アルフレート・フォン・エスターライヒ)を
通じて、布教させていると誤認して、盛り上がっていた。
千晴は恥ずかしさの余り口をパクパクとさせ、
泡を噴きそうになった。鈴木誠一、どうしてくれよう。
千晴は呪詛を誠一に向かって絶え間なく唱えていた。
途中で読むのを止めると、千晴は狭い部屋をうろうろとし始めた。
住所から本名まで特定されてしまえば、
目も当てられない事態に発展しそうであった。
しかし、千晴にできることは誠一に言って
止めさせる程度のことしかなかった。
イライラが募り、千晴は冷蔵庫をよりビールを
取り出すとぐびぐびと一気に飲み干した。
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