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779.南方戦役26
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連れて来られたサムエルは不敵そうな表情をしていた。
「聞きたいことがいくつかあるのですが、
正直に答えて貰えると助かります」
誠一の態度、言葉は礼儀正しかったが、
それと対をなす様に無礼極まりなかった。
「おい、アルフレート・フォン・エスターライヒ。
さっさと縄を解け。話はそれからだ。
バッシュ様の手の者だと言えば、分かるだろう」
誠一は、一体何なんだろうと本気でサムエルの頭を疑った。
バッシュ部下の者に手を出せないと勘違いしているのだろうか。
それならば、それは大いに違う事を分からせなければならなかった。
「それがどうした?おまえは僕の命を狙った。
それだけでも許し難し存在。
それに僕はバッシュの部下でも何でもない。
そんなことがおまえを助ける一助になると思うなよ。
お前が助かるためには、ただ一つ、知っていることを
嘘偽りなく話すことだ」
誠一がどすを効かせた声で脅した。
誠一の先ほどまでの爽やかな表情から
打って変わった能面の様な何を考えているのか
読み取れない表情であった。
それがサムエルを怯えさせた。
「うん、闇の勢力圏の出身ね。
じゃあ、バッシュと目の前にいるエンゲルス家の一族、
どちらに従うのかしら。ちょっと知りたいかも」
誠一が恐れるキャロリーヌの酷薄な表情であった。
サムエルはキャロリーヌと相対すると、
そのちんけなプライドを直ぐに捨て去った。
バッシュに背いて死ぬか、この世に生まれたことを
後悔するほどの拷問の末に廃人となるかの
選択しかなかった。
サムエルはキャロリーヌに従った。
ほんの一瞬であったが、キャロリーヌが失望したように
誠一には見えた。
サムエルは誠一が質問したことに関して
隠すことなく洗いざらい話した。
しかし、それでサムエルに死が訪れることはなかった。
用済みとなったこの男の生死に誠一は全く興味なく、
誠一は解放することにした。
ロジェやシエンナは反対のようだったが、
強く反対することもなかった。
彼等にとってもどうでもいいことのようだった。
サムエルは解放されると這う這うの体で逃げ出した。
「兵糧の残りは僅かということか」
誠一は嘆息した。兵糧攻めが定石であるが、
どこまでサムエルの情報に信を置くべきか誠一は迷った。
サムエル自体が偽情報を掴まされていた可能性も
捨てきれなかった。
「ここは兵糧攻めよね。
兵の損耗を抑えたいなら、アル、そうするべきよ」
「おい、シエンナ。つまらないこと言うなよな。
城攻めこそ、己の勇を示す絶好の機会だろ!」
誠一はヴェルの威勢というか蛮勇を危惧した。
誠一は決断した。
そして兵糧攻めにすることを兵士たちに伝えた。
一部の兵士たちからため息が漏れたが、
大半の兵士たちは安堵したようだった。
多くの兵士たちはモレロン軍に得体の知れない、
何をしでかすか分からない気味の悪さを感じていた。
「聞きたいことがいくつかあるのですが、
正直に答えて貰えると助かります」
誠一の態度、言葉は礼儀正しかったが、
それと対をなす様に無礼極まりなかった。
「おい、アルフレート・フォン・エスターライヒ。
さっさと縄を解け。話はそれからだ。
バッシュ様の手の者だと言えば、分かるだろう」
誠一は、一体何なんだろうと本気でサムエルの頭を疑った。
バッシュ部下の者に手を出せないと勘違いしているのだろうか。
それならば、それは大いに違う事を分からせなければならなかった。
「それがどうした?おまえは僕の命を狙った。
それだけでも許し難し存在。
それに僕はバッシュの部下でも何でもない。
そんなことがおまえを助ける一助になると思うなよ。
お前が助かるためには、ただ一つ、知っていることを
嘘偽りなく話すことだ」
誠一がどすを効かせた声で脅した。
誠一の先ほどまでの爽やかな表情から
打って変わった能面の様な何を考えているのか
読み取れない表情であった。
それがサムエルを怯えさせた。
「うん、闇の勢力圏の出身ね。
じゃあ、バッシュと目の前にいるエンゲルス家の一族、
どちらに従うのかしら。ちょっと知りたいかも」
誠一が恐れるキャロリーヌの酷薄な表情であった。
サムエルはキャロリーヌと相対すると、
そのちんけなプライドを直ぐに捨て去った。
バッシュに背いて死ぬか、この世に生まれたことを
後悔するほどの拷問の末に廃人となるかの
選択しかなかった。
サムエルはキャロリーヌに従った。
ほんの一瞬であったが、キャロリーヌが失望したように
誠一には見えた。
サムエルは誠一が質問したことに関して
隠すことなく洗いざらい話した。
しかし、それでサムエルに死が訪れることはなかった。
用済みとなったこの男の生死に誠一は全く興味なく、
誠一は解放することにした。
ロジェやシエンナは反対のようだったが、
強く反対することもなかった。
彼等にとってもどうでもいいことのようだった。
サムエルは解放されると這う這うの体で逃げ出した。
「兵糧の残りは僅かということか」
誠一は嘆息した。兵糧攻めが定石であるが、
どこまでサムエルの情報に信を置くべきか誠一は迷った。
サムエル自体が偽情報を掴まされていた可能性も
捨てきれなかった。
「ここは兵糧攻めよね。
兵の損耗を抑えたいなら、アル、そうするべきよ」
「おい、シエンナ。つまらないこと言うなよな。
城攻めこそ、己の勇を示す絶好の機会だろ!」
誠一はヴェルの威勢というか蛮勇を危惧した。
誠一は決断した。
そして兵糧攻めにすることを兵士たちに伝えた。
一部の兵士たちからため息が漏れたが、
大半の兵士たちは安堵したようだった。
多くの兵士たちはモレロン軍に得体の知れない、
何をしでかすか分からない気味の悪さを感じていた。
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