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710. 閑話 とある早朝の情景
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いつの間にか眠りに落ちていた千晴は目が覚めた。
時計に目を向けるとまだ4:44分であった。
日の出まではまだまだ時間があった。
部屋は真っ暗であった。
千晴は部屋に明かりを点けて、顔を洗った。
会社に行く気分ではなかった。かと言ってすることもなかった。
結局、島崎はどうなったのだろう。千晴は気になっていた。
あの男がどうなったのかを知らなければ、
千晴は安心して道を歩ける気がしなかった。
山田電設の壁際の昼行灯壁山は、どうなるのだろうか。
壁山は脅されて手引きと盗撮の協力をしただけだった。
十分な犯罪行為であったが、流石に島崎の犯罪を
全て被せられるのは哀れなような気がした。
しかし、千晴にはどうしよもなかった。
山田電設の人事部のメールに目を通した。
最初のメールでは千晴を気遣っていた。
しかし、二通目、三通目にはこの件に関する会社の対応が
記載されていた。
会社の意向というより管理職たちの意向は、
壁山を懲戒免職処分として、幾ばくかの慰謝料を
千晴が受け取って、この件を終わりとしたい旨が
記載されていた。
官庁の仕事を受けている以上、
会社としては行政の介入は避けたいところなのだろう
と思った。
しかし、こんなことを文章で残していいものだろうかと
疑問に思って眺めていると、メールが自動で消去されてしまった。
「えっええ、何よこれ」
千晴は慌てたが、どうにもならなかった。
千晴としては会社の意向には特に異存はなかった。
恐らくここで千晴は島崎の存在を声高らかに
主張しても無視されるか頭の病気を疑われるだけだろう。
ただ、この世界は壁山を暴行未遂の犯人と
認識しているにも関わらず、会社の対応はこの程度であった。
千晴は山田電設を心底軽蔑し、転職することを心に誓った。
時刻を見ると既に日の出を過ぎていた。
しかし、千晴は陽を遮蔽しているシャッターや
カーテンを開ける気にならずにシリアルで
軽い食事を取ると、再びベッドに寝転んだ。
そう言えば、確か誠一さんにできる限り課金するからって
叫んだことを思い出した。
眠い目を擦りながら、『ヴェルトール王国戦記』を起動した。
王国の主城が見えた。誠一たちはのんびりと旅を
始めたばかりのようだった。
それにしても随分と人数が増えた様にみえた。
50人以上はいるように千晴には見えた。
「まあ、いいや。それより誠一さんに
何が欲しいか聞いてみるかな」
『誠一さん、助けてくれてありがとうございました』
『あまり大金は投資できませんが、
課金イベが近々ありますで、やりましょうか?
欲しいアイテムの排出率がアップしていれば、
特殊チケットと課金チケットでアイテムガチャを
回してみますか?』
そう書き込むと誠一の回答を待たずにまた、
千晴は眠りに落ちた。
時計に目を向けるとまだ4:44分であった。
日の出まではまだまだ時間があった。
部屋は真っ暗であった。
千晴は部屋に明かりを点けて、顔を洗った。
会社に行く気分ではなかった。かと言ってすることもなかった。
結局、島崎はどうなったのだろう。千晴は気になっていた。
あの男がどうなったのかを知らなければ、
千晴は安心して道を歩ける気がしなかった。
山田電設の壁際の昼行灯壁山は、どうなるのだろうか。
壁山は脅されて手引きと盗撮の協力をしただけだった。
十分な犯罪行為であったが、流石に島崎の犯罪を
全て被せられるのは哀れなような気がした。
しかし、千晴にはどうしよもなかった。
山田電設の人事部のメールに目を通した。
最初のメールでは千晴を気遣っていた。
しかし、二通目、三通目にはこの件に関する会社の対応が
記載されていた。
会社の意向というより管理職たちの意向は、
壁山を懲戒免職処分として、幾ばくかの慰謝料を
千晴が受け取って、この件を終わりとしたい旨が
記載されていた。
官庁の仕事を受けている以上、
会社としては行政の介入は避けたいところなのだろう
と思った。
しかし、こんなことを文章で残していいものだろうかと
疑問に思って眺めていると、メールが自動で消去されてしまった。
「えっええ、何よこれ」
千晴は慌てたが、どうにもならなかった。
千晴としては会社の意向には特に異存はなかった。
恐らくここで千晴は島崎の存在を声高らかに
主張しても無視されるか頭の病気を疑われるだけだろう。
ただ、この世界は壁山を暴行未遂の犯人と
認識しているにも関わらず、会社の対応はこの程度であった。
千晴は山田電設を心底軽蔑し、転職することを心に誓った。
時刻を見ると既に日の出を過ぎていた。
しかし、千晴は陽を遮蔽しているシャッターや
カーテンを開ける気にならずにシリアルで
軽い食事を取ると、再びベッドに寝転んだ。
そう言えば、確か誠一さんにできる限り課金するからって
叫んだことを思い出した。
眠い目を擦りながら、『ヴェルトール王国戦記』を起動した。
王国の主城が見えた。誠一たちはのんびりと旅を
始めたばかりのようだった。
それにしても随分と人数が増えた様にみえた。
50人以上はいるように千晴には見えた。
「まあ、いいや。それより誠一さんに
何が欲しいか聞いてみるかな」
『誠一さん、助けてくれてありがとうございました』
『あまり大金は投資できませんが、
課金イベが近々ありますで、やりましょうか?
欲しいアイテムの排出率がアップしていれば、
特殊チケットと課金チケットでアイテムガチャを
回してみますか?』
そう書き込むと誠一の回答を待たずにまた、
千晴は眠りに落ちた。
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